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集まれ、ダンス部

作者: 藤乃花

踊る阿呆に見る阿呆♪

高校に入学した踴梨太夜おどりたいよは、以前から入部しようと考えていた『ダンス部』の部室へと入部届けを手にして向かうところだった。


太夜たいよは胎児の時からダンスが好物で、母の腹部内に命を宿した時からコサックダンスを楽しんでいた。


胎児時代の太夜たいよが披露(誰も見てない)していたコサックダンスはそれはファンキーなスタイルで、彼女がコサくる(独特の言い回し)度に、母がむせて喉に詰まらせたフライドチキンの骨を吐き出していたらしい。


たいした手柄だ。


そんなファンキーな太夜たいよが産まれてきた日も、やはりコサックダンスを披露しながら母から飛び出してきたというのだ。


(いよいよダンス部の部室前に来た‼

この部活のルールは部室に出入りする時、必ずダンスをしながらドアを通り抜ける事!

難易度が高いけど、入部の為ならえんやこうらあ‼)


太夜たいよは浅く深呼吸をそこら辺に吐き出して、部室のドアを荒っぽく開けた。


「一年三百八十六組の踴梨太夜おどりたいよ云いまんねん♪

入部しにきはりましたあ♪」


開けた直後、太夜たいよの全身はコサックダンスのスタイルに入り、ついでに台詞の後に♪をおまけで付け足した。


声もパフォーマンスでダンシングさせるという彼女なりの個性を見せたのだ。


部室内には、個性的な雰囲気を醸し出している部員がダンスを披露している。


部室の奥から部長の空打久根男からだくねおが、やすきぶしを披露しながら姿を見せる。


「我がダンス部へようこそ‼

踊りに加えて、声も踊らせるなんて素晴らしい才能だね‼

僕は、部長の空打久根男からだくねおだよ!

三年七百三十組に所属してるんだ」


「素敵なコサックダンスだわ‼

あたいは二年二百六十一組に入ってる、問垂波根垂とんだりはねたりって云うの、ヨロチクビ~!」


波根垂はねたりはどうやらオリジナルダンスらしい。


ラグビーボールのような動きで、部室内のあちこちで弾みまくっている。


天井でも軽々とダンスを披露している。


「ヨロシクお願いされました‼

入部届け、グシャグシャになりましたけど、ここに置きます」


丸めた入部届けを粗末に床に投げつけ、太夜たいよは後輩らしく綺麗なスタイルでコサックダンスを披露し続けていた。


「部員が全員揃ったところで、ステージに行くぞう♪」


「「あいあいさあ♪」」


ダンス部部員はダンスを綺麗に披露しながら、ステージへと向かう。


ステージは部室の斜め上に在る階段の踊り場だ。


ダンス部の活動は、専ら階段の踊り場で行われている。


何故なら近くにコーラス部の部室が在り、ダンス部はコーラスに合わせてダンスを披露するからだ。


今日の曲は『星に願いを』だ。


「この曲は、どのダンスにも合いますね」


太夜たいよはダンス部に入部を決めて良かったと、しみじみ感じたとか感じなかったとか♪

































階段の踊り場の呼び名の由来は、次の階段へと方向をかえる瞬間にドレスのスカートが廻り、踊っているように見えた事から『踊り場』と付いたそうです。

決してダンスを披露する場所ではありませんので、踊らないで下さいまし

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