表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月見草の令嬢は王宮庭園で花開く  作者: 海老川ピコ
27/51

第27話:冒険者ギルドの暗躍

 ルナがふわっと現れ、銀色の髪が月光に揺れ、白いドレスが星屑のように輝く。


「姉貴、冒険者ギルドの欲っかき野郎がポーション狙ってるって? 私の月見草、盗ませねえ! キラキラで追い払う?」


 私はポーションの瓶を手に、苦笑した。


「ルナ、落ち着いて。ポーションはみんなのもの。欲でも、話してみる価値はあるよ」

「ふっふー、姉貴、聖女すぎ! 怪しい奴、私のキラキラでビビらせてやる!」


 ルナがくるりと空中で一回転し、指をパチンと鳴らした。

 月見草の光が強まり、甘い香りが庭に広がり、夜光蝶がキラキラと舞う。

 私はティーを注ぎ、茶会の準備を整えた。

 苔むした階段から賑やかな足音が響く。

 カイル、トムと家族、マリア、リディア、レオンが一斉に現れ、庭が活気に満ちる。


「エリス、庭キラキラ! 星のジュース楽しみ!」

「エリス、今日も癒されるわ」

「よお、遅れたぜ!」


 リナとマイがポーションを手に目を輝かせ、声を揃える。


「エリスお姉ちゃん、星のジュース、もっと飲みたい!」


 私は手を振って迎えた。


「みんな、ようこそ! ティーとポーション、ゆっくり楽しんで。月の前では平等だよ」


 重い足音が響き、革鎧の男ガレンが現れた。

 鋭い目でポーションを睨み、参加者がざわつく。


「エリス、この男、怪しいぜ」

「ポーションに欲丸出しね」


 ガレンがドンとテーブルに手を置き、ぶっきらぼうに言う。


「俺、冒険者ギルドのガレン。ポーション、命を救う薬だ。ギルドで独占させてもらうぜ」


 空気がピリッとする。


「命救うって、金儲けだろ!」

「エリスの癒し、欲で汚す気?」

「俺が監視するぜ!」


 ルナがガレンの頭上を飛び、毒舌を吐く。


「欲っかき、夜の庭に合わねえ! 姉貴のポーション、ただの道具じゃねえ!」


 私は深呼吸し、穏やかに言った。


「ガレンさん、ポーションはみんなのためにある。冒険者にも癒しを届けたいけど、独占はダメ。月の前では平等よ」


 ガレンが鼻を鳴らし、言い返す。


「癒し? ダンジの怪獣相手にそんな甘い話は無意味。ギルドで管理すべきだ」

「市場じゃ分け合ってるぜ!」

「エリスの庭は心の光よ!」

「エリスお姉ちゃん、星のジュース守って!」


 私は転生前の花屋で欲客に信念を貫いた記憶を思い出し、微笑んだ。


「ガレンさん、これ飲んでみて。ポーションは癒しの贈り物。冒険者にも平等に配るよ」


 ガレンが渋々カップを手にし、一口飲んで目を細める。


「効くが、少量じゃ足りん。ギルドに渡せ」

「欲じゃ動かない!」

「エリスの信念、最高!」

「星のジュース、守った!」


 私はガレンに小瓶を一つ渡した。


「試してみて。庭のルールは変わらないよ」


 ガレンが瓶を受け取り、渋々去る。

 参加者がホッと息をつき、声を上げる。


「エリス、かっこいい!」

「庭、守ったぜ!」

「信念、素晴らしいわ!」


 ルナが私の肩にふわっと降り、ニヤリと笑う。


「姉貴、聖女パワー炸裂! 私のキラキラ、欲っかきをビビらせたよね?」

「ルナ、ビビらせたのはみんなの団結だよ。でも、キラキラはルナのおかげ。ありがとうね」


 ルナがムッとして空中で一回転し、指を振る。

 月見草の光が強まり、夜光蝶がテーブルを囲んで舞う。

 光が「守護の月」の幻を作り、淡い光の月が庭に浮かぶ。

 参加者が一斉に拍手し、声を揃える。


「エリス、ルナ、キラキラ!」

「月が守ってくれる!」

「庭、最高!」


 私は月見草に触れ、指先が光る。

 転生前の花屋では、客の欲に抗うだけだった。

 ここでは仲間と信念を守れる。

 月見草の香りとポーションの甘さが漂い、夜光蝶が笑顔を照らす。

 この庭でのスローライフは、ガレンの試練を乗り越え、また一歩強くなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ