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13.新たなスキル!

「では、俺の考えている計画を発表する!」


 聞いているものたちは全員生唾を飲む。


「俺がやるのは――傭兵業だ!」


 傭兵。

 戦闘に長けた人を集め、戦争や護衛などに人を派遣すること。


 この領地には、これといった特産もなければ、売りにできるような強みがない。

 だから、作るんだ。

 そして、傭兵を集めれば、いざといったときに俺の身を守れる盾ができる。

 ……いざって時のダメにね。


 俺のこの鑑定なら、簡単に人を集める事ができるはずだ。

 だが、ターゲットだけは絞る。


「まー、すぐに始める気はない。これから、シュシュやルルのような子達を集めて、育てていくつもりだ」


「待ってください! 私はライム様に能力を見つけてもらいましたが、そんな簡単な事ができるのですか?」


「あぁ、俺は〈鑑定(未)〉を持っている。これは普通の鑑定に加えて、一つ先のスキルを見る事ができる。これなら、今は力を持たない子でも力を持たせる事ができる」


「そんなものがあるなんて……」


 確かに、スキル全艦にも載ってないようなものだ。驚くのも無理はないだろう。


「傭兵業をすると言っても、領主の名前は使わない。これは、ライム・デッセンではなく、ただのライムとして行う」


 公爵家の名前を使えば、公爵のものになってしまう可能性がある。

 俺は公爵家に対して利になるようなことは働きたくない。


「私は、その傭兵の1人目という事ですか?」


「そういうことだ。これから集める人の世話などもしてもらうことになるだろう」


 集めていく人は正直、貧しいもので自分1人では何もできないものも多いだろう。

 だからこそ、トレスにメイドの指導を受けてできるようになってもらわないといけない。


「そして、俺はこれから人探しに忙しくなるから、ルイフにこの領地の管理は任せる。それと、シュシュやルル、これから集めてくる子供の教育を頼むよ」


「ちょっ! それは流石に老体にはきついのでは……」


 頑張れよと、肩を叩くと、もう受け入れるしかないと悟ったようだ。

 正直、俺に領地運営をできる手腕はない。

 だからこそ、経験があるルイフが来てくれてラッキーだ。


 それに、俺が動きやすくなった。


「では、すぐにでも人探しに?」


「そうだな。一応、ここの隣の領地、ニクソン伯爵領に向かおうと思うが、馬車の用意はできるか?」


「はい。私が御者をすれば人を募る必要もありません」


 さすがトレスだな。

 何でもできちゃう完璧メイドだな。


「では3日後に出発しよう。それまで、各々やらなければならないことを進めようか」


 シュシュは、魔法の使い方、そしてメイドとしての教育。

 トレスはその指導。

 ルイフは領主代行の補佐としての役割。

 ルルは元気に遊ぶこと。

 そして、俺はその遊び相手だ。



 あっという間に3日は流れた。


 その中で、レベルアップした。


 ――――――


 ライム・デッセン

 男 10歳

 lv10

 MP:24

 str:24

 def:24

 spd:24

 int:48

 luck:46

 dex:24


 スキル:〈放置lv3〉〈鑑定(未)lv2〉〈催眠魔法lv1〉???


 ――――――


 スキル〈催眠魔法〉。

 魔法系スキルをゲットできた!

 と思ったが、これはめちゃくちゃ不遇と、本には書いてある。

 なぜかというと、自分より高いレベルものには絶対に効かない。

 プラス、低いレベルのものにもスキルレベルが上がらないと効果値が上がらない。


 そして、この魔法は攻撃スキルではないため、レベルが上げにくい。


 お分かりだろうか。

 不遇すぎるんだよ。


 ――でも、俺にとってはそうではない。


 使い道がどんどんと俺の頭を駆け巡る。


 ふふっ!

 俺にとっては、レベル上げは放置で上がるし、スキルのレベルも放置で上がる!

 俺にうってつけなスキルだな!


 そして、俺以外にも、驚異的なスピードでレベルが上がった人がいる。

 シュシュだ。

 ていうか、俺のレベルをあっという間に超えた。


 普通、レベル5からは今までより時間がかかる事が多い。

 だけど、シュシュは賢者だ。


 もー、森の魔物たちが可哀想になる程、虐殺し放題だ。

 今じゃ、少し森の奥に進んで敵のレベルを上げている。


 その結果、レベル13にまで達している。

 レベル10で手に入れた、魔法索敵のおかげで、敵を探す時間を省いて、効率的に稼ぎまくってるから本当にえげつない。


 てか、レベル超えたせいで、俺の鑑定が使えなくなってしまった。


 ほんと、俺より強くなるのが早いよ。


 今回、隣の領地に向かうのは、トレスとシュシュ、そして俺。


 護衛に関しては、トレスとシュシュがいればそこまで問題はないだろう。


 と、トレスが言っていたから、マジで強いんだろーなー。


「では、行ってくる。ルイフ、ルルのこと頼むぞ」


「かしこまりました」


「いってらっしゃーい!」


 んー。

 なんてルルは可愛いんでしょうか。


 頭を撫でて、お土産買ってくるよ、と伝える。


 トレスがなれた手つきで馬を走らせる。

 本当にできるんだなー、と感心していると、向かいに座ったシュシュが何かソワソワしている。


「どうした?」


「――私、この領地から出るのが初めてで……」


 なるほど、緊張しているのか?

 俺は、ワクワクの方が大きいな。

 どんな子に出会えるか楽しみだ。


「それに、馬車に乗るのが初めてで……」


 ん!

 ちょっと待て、ソワソワしてるのに加えて、顔色が……


「おい! 堪えるんだ! 女の子なんだから、絵的にまずいだろ!」


 と、俺たちの人探しは何とも言えない始まり方をした。

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