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キウ   作者: Dariahrose
修行
23/24

第二十二章 ~ 観音様 ~

その人は、まるで、何かを、完全に集中して観察するかの様な瞳で、雄紀を見つめていた。

雄紀は、見世物になっている様な気持ちになって、少し嫌悪感を抱いた。

そのとたん、その人は話し始めた。


「それは、やめた方が良い・・。 命取りになる。 心は、常に波1つない、海の様に保っておくのが良い。 」


キウは、海を見たことが無い・・。

そう思ったとたん・・。


「そうか・・。 海とは、地平線の向こうの異国まで広がる池である。 」


その人は、身動き一つ、瞬きもせず、相変わらず観察するように、キウを見つめた。


「誰だ!? 」


キウは、心の中で思った。


「人は、私を、龍頭観音とか、騎龍観音菩薩とか、読んでおる。 」


「観音様!? 」


キウは、声を上げた。


「そうだ・・・・。 」


相変わらず、その観音様は、キウを観察していた。


「・・ど、どうして、そんな風に見るんだ? 」


「お前が、面白いからだ。 」


「面白い!? 」


キウは、ちょっと、戸惑った。


「それも、やめた方が良い。 命取りになる・・。 」


「・・・・。 」


キウは、何をして良いのか分からなくなった。

心を読まれている。

何も感じることも出来ない!?


「あ! 龍は!? 龍! 」


キウは、辺りを見回した。

観音様と入れ替わるように、龍が消えた。


「龍は、隠れておる。 」


「隠れてる!? 」


「龍は、怒っておるんだ。 」


「怒ってる? 」


「そうだ・・。 」


「そうなの!? 」


「お前は、何でもひそみに(なら)うのぅ・・。 」

「龍は、何を怒っているの? 」


「さぁな・・。 お前が、心も体も強くなったら、龍自身が教えてくれるであろう・・。 」


観音様は、少し目線を下げて、遠い目をした。


「観音様は、何でここに来たの!? 」


「龍に呼ばれたからだ。 」


「何で、龍は隠れてるの? 」


「・・・・。 」


「龍に、何をして怒らせたの? 」


「・・・・。 」


「・・・・。 」


「は~・・。 私が、龍の言うことを聞かなかったからだ。 」


「どんなこと? 」


「・・・・。 」


「それから、話してないの? 」


「そうだ。 」


「・・でも、龍から呼ばれたの? 」


「そうだ。 」


「なんで、龍は、観音様を呼んだの? 」


「お前が、婆さんの夢を見たからだ。 」


(うぐいす)? 」


(うぐいす)。 」


観音様は、笑った。


「龍! どこにおるんだ! な~んだ、人を呼んでおいて・・。 」


「・・観音様って、人なの? 」


キウは、観音様に聞いた。


「人だよ。 」


観音様は、キウに答えた。


キウは、川の中の奥の方に、キラッと光るのをみた。

川の中に入って行って、その光るものを手で触った。


すると、ギロッと目が現れて、龍になった。

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