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キウ   作者: Dariahrose
修行
20/24

第十九章 ~ 中てられた魂 ~

キウは、再び ハスミの所に戻るため、瞑想を始めた。

いくら座っていても集中出来ない・・。


ジッ・・。


蝋燭が、音を立てて一瞬周りが真っ暗になった。

キウは、蝋燭を見た。

今にも燃え尽きそうだ。

キウは、急いで新しい蝋燭を出して火を移した。


・・どうしても、上手く瞑想が出来ない。

キウの焦りは、どんどん大きくなっていった。


「は~っ! 」


キウは、大きなため息をついた。

気分転換のために、川へ行くことにした。


キウは、川の水に全身を付けた。

そして、水を口に含むと飲み込んだ。


『苦い・・。 』


キウは、口の中の水を吐き出した。

何故か、川の水が物凄く苦い・・。

キウは、龍を呼んだ。


川底には宝石は見つからず、

岩の上にも、居なかった。


キウは、焦った。

半狂乱になった。


キウは、大声をあげて叫んだ時、顔に川の水が勢いよく飛んで来た。


キウは、ハッとした。

そして、我に返った。


水の中に、うっすらと龍の姿が見えた。

しかし、はっきりとは見えない。

龍の姿は、透けていて、まるで障子紙の様にペラペラしていた。

何か、言っている様だ。

口がもごもご動いている。

しかし、どんなに耳を澄ませても、龍の声は聞こえない。


「龍は居るの? 何て言ってるの? 聞こえない! 水も苦くなってるんだ! どうして!? 」


龍は、尾を使って キウの顔に水をかけた。

そして、その尾で敷布の方向を刺した。


キウは、敷布に戻って行った。

再び瞑想をしようと試みるも、どうしても出来ない。


キウは疲れて、横になると不思議と眠りについた。


◇◆◇◆◇


どれくらい時間が経っただろう・・。

蝋燭が燃え尽きそうになった時の、“ジッ・・! “と、言う音で目が覚めた。


キウは、蠟燭の火を付け替えた。

何だか、体がだるい。

まだ、頭がはっきりしない。


キウは、川に行って、丘の上に提灯を置くと、その場に座り込んだ。


『まだ、水は苦いかなぁ・・。 』


頭が、ぼーっとしている。


川に目をやると、川底の宝石が見えた。

キウは、提灯を、その場に置いたまま川に入った。

宝石を、指で優しく突いた。


すると、宝石は 龍になった。


「気持ちは、落ち着いたか? 」


龍は、優しい声で聞いた。


「うん・・。 」


「怠いだろ。 」


「うん・・。 」


「今日は、1日寝ておれ・・。 」


「どうして? 」


()てられておる・・。 」


「・・・・。 」


「瞑想をして行った先の磁場に()てられたんだ。 瞑想で行くと、肉体の盾が無い。 直に磁場を受けてしまう。 お前は、これから 自分の魂の守り方も学ばねばならない。 」


「どうすれば良いの? 」


「瞑想だ。 瞑想をしている時、自分自身の磁場の周りに防護膜を張るのだ。 私は、そうとしか知らん。 」


「・・・・。 」


「私は、この世界の実体を持たない。 人間が、魂だけに なった時の身の守り方は、お前の婆さんに聞いたんだ。 お前の婆さんに、会って聞けば良い・・。 」

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