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キウ   作者: Dariahrose
修行
19/24

第十八章 ~ ハスミの居場所 ~

もともと、水しか飲んでない、キウはあまり眠らない。

しかし、その日は、余計に眠れなかった。


「あれは、何だったんだ!? ハスミは、やっぱり生きている!? どこに捕まってるんだ? 」


心臓が、ドキドキして飛び出してきそうだ!


「何でも良い! 必ず助け出す!! 」


キウは、思いついた!


「もしかしたら、もう一回、行けたら何とかして助け出す方法を見つけられるかも! 」


キウは、再び瞑想をしようとした。

しかし、上手く行かない。

鼓動の音が煩くて集中出来ない!


「あ~! 」


キウは、イライラから叫び声を上げた。

しかし、叫べば叫ぶほど、その声は、岩の穴の中で共鳴して鼓膜を(つんざ)くように響いた。


◇◆◇◆◇


かなり時が経った。

ふと、提灯を見ると蝋燭が消えかけていた。

キウは、我に返り、蝋燭を取り換えた。


『どうすればいいのだろう? 目が覚めた時、龍が居た。 』


「もしかして、あの夢は龍が見せたものなのか!? 」


キウは、川に行った。

川底の二つの宝石がある。

その宝石は、ギョロっと目になり水から上がって来て龍になった。


「どうした? まだ、今日は、瞑想しておらんだろ。 瞑想してから来い。 」


「聞きたいことがある! 」


「・・何だ? 」


「昨日、夢を見た! あの夢は、龍が見せたものなの? 」


「・・お前は、どう思う? 」


「あれは、本当なの? ハスミは生きているの? 」


「・・お前は、どう思う? 」


「お前は、どう思うって・・、分からないから聞いているんだ! 」


「私は、何も知らん。 」


「じゃあ、何で目を開けたら居たの!? 」


「お前の瞑想が素晴らしかったからだ。 人は、素晴らしい瞑想をすると、そこに美しい地場を作る。 私たちに取っては、その地場が栄養になるのだよ。 しかし、お前が何を見ておったかまでは知らん。 」


「・・本当に? 」


「何が、“本当に?”だ? 」


「ちょっと、残念だったんだ。 ハスミが生きていると思った・・。 」


「ハスミって誰なんだ? 」


キウは、ハスミのこと、ハスミを助ける為に魔封士になろうとしていること、“魔”にやられて、おじいさんに助けられて、修業を始めたことを話した。

龍は、黙ってキウの話を聞いていた。


「私には、人の心は分からん。 しかし、瞑想をしておる時に、それを見たのであれば、それは真実である可能性が高い。 しかし、だ。 お前は、ハスミは“魔”に捕らえられたと言った。 瞑想をした時に見たハスミが居たのは、人の城では無いか? ハスミは、人の食事を作っておったのだろ? “魔”は、そんな物は食べん。 」


「あ・・! 」


どう言う事だ!?

ハスミは人に捕らえられたのか!?


でも、キウは、ハスミを追いかけて行って、()(じゅん)暗羽(くらば)()の式神の門に辿り着いた。

どういうことだ!?


「・・頭を冷やして、瞑想をしてから来い! 」


龍は、キウに言った。

キウは、考え込んだまま、敷布の所へ戻って行った。


龍は、にやりとして、また水の中に戻って行った。

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