第十七章 ~ 赤い光 ~
赤い光の方に近付いて行くと、それは、1つ・・2つ・・と数が増えて行った。
よく見ると、無数の灯りが、赤い点々の様に目の前一面に広がっていた。
キウは、その中の1つの明かりを見つけて、近付いて行った。
どんどん、近付いて行くと、それは建物の外に掛けられた提灯だと言う事が分かった。
キウは、その灯りの梺まで降りて行った。
そして、その建物の入り口を探した。
キウは、その灯りの左の大きく開いた入り口から入ろうとした。
何故か、跳ね飛ばされて入れない。
よく見ると、灯りの右側の脇に小さな入り口があった。
キウは、その戸の把手を持とうとした。
しかし、その手は、把手をすり抜けてしまった。
キウは、戸に体ごと体当たりした。
すると、キウの体は、戸をすり抜けた。
キウが入った場所は、台所の様だった。
真っ暗で誰も居ない。
キウは、土間から3段上の床に上がった。
「床には上がれるんだ・・・・。 」
キウは、ホッとしながら奥の方へ向かった。
薄暗い廊下を進んで行く・・。
かすかに話し声が聞こえて来た。
キウは、その声の方に近付いて行った。
キウは、声の聞こえて来る戸の前に立った。
灯りが漏れている。
キウは、そっとその中を覗いた。
「!!! 」
ハスミだ!
身なりが違うし 髪も違うが、キウには直ぐに、それがハスミだと分かった。
「今日は、お疲れ様。 大変だったね、ハスミちゃん。 疲れちゃった・・。 」
「そうね。 でも、捕まった時に一緒だった、アヤ達は、もっと大変なのよ。 この建物の、気を保つとかで、地下の“穴”に木を運んで入れなければならないの。 」
「“穴”って、あの大きな穴の中の、炎が上がっている赤く光るドロドロした、あれ? 」
「そう。 今日は、お客さんがあったから、特に、お米や贄を捧げなきゃいけないの。 」
「えー! 贄って? 動物だったり・・、人だったり・・。 」
「・・・・。 」
「私たちは、御三どん、してればいいから。 」
「・・・・・・。 」
その、4畳半くらいの部屋には、6人の女の子が寝泊まりしている様だった。
「ハスミ! 」
キウは、思わず声を出した。
ハスミは、何かに気が付いたように辺りを見回した。
「キヌちゃん、何か言った? 」
「何も言ってないよ。 」
ハスミは、何事も無かったかのように、縫物に戻った。
一本の蝋燭の火の下に集まった、6人の女の子たちが、自分たちの着物の繕い物をしていた。
「ハスミー! 絶対に助けるからねー! 」
ハスミには聞こえない・・・・。
キウの体は、吸い込まれるように後ろに下がって行った。
後ろに引っ張る力は、急に加速して、気が付いたら敷物の上に胡坐を座りで座っている自分の体に戻っていた。
キウは、目を開いた。
龍が、キウの瞳をキッと見てめていた。
龍は、ニヤリと笑って、再び消えた




