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紅の魔女  作者: あかあかや
黒き狼編
8/78

ゴブリン駆除

 村までは十四キロメートルほどあるため、馬を駆っていく。それでも土道なので一時間半ほどかかった。太陽がだいぶ高くまで昇っていて、そろそろ昼に近い。

 土道は農道でもあるため、周囲は収穫を終えた小麦畑が続いている。牧草を栽培している畑の緑色がよく目立つ風景だ。

 そんな牧歌的な風景なのだが、馬を駆るカリグラの表情には余裕が見られない。


 村へ到着した。内乱時代の影響で、村の周囲には高い木柵と空堀が巡らされている。門番の村人に挨拶してから中へ入った。

 村内には野菜畑とワイン用のブドウ畑が見える。今の時期は葉野菜と菜種を栽培していた。

 ブドウは赤ワイン用のトロリンガー品種だが粗放な栽培なので品質はあまり良くない。ワインは自家製で、村民だけで飲んでしまう。牛舎もあり、のんびりした鳴き声が風に乗って聞こえてきた。

 そんな村の木柵の一角が破壊されている。そこから近くにある高床式の倉庫の扉が破壊されていた。


 カリグラが村長の家に入って聞いてみる。

「おはようございます。黒き狼団のカリグラです。ダーブル団長はどこに?」

 村長は二番隊隊員と何やら話していたが、すぐにカリグラに振り返った。

「おう。これはカリグラさん。ダーブル団長さんは新人隊員を数人引き連れて、ゴブリン駆除しに向かったよ」

 カリグラが赤みがかった茶髪をかいた。

(残念……追いつけなかったか)

「分かりました。では、これから駆除現場へ向かいます。場所はどこですか?」


 さすがに二番隊隊員が忠告した。

「カリグラ隊長……心配し過ぎではありませんか? ダーブル団長に怒られてしまうだけですよ」

 カリグラが自身も困った表情になって笑う。

「そうなんだけどね。どうも胸騒ぎが収まらないんだ。オヤジに会って怒られてくるよ。そうすれば収まるだろう」


 二番隊隊員が渋い顔になって、カリグラに地図を手渡した。

「仕方ありませんね。駆除現場までの地図です。一応、私はこれから本部へ戻ってナダル隊長に報告しますよ。それが仕事ですので」

 カリグラが自虐的に苦笑した。地図を見て、すぐに場所を理解したようだ。さすが地元民である。

「そうしてくれ。どうも、今日の俺はどうかしているようだ。ああ、この洞窟か。分かった」



 その駆除現場は村の近くにある丘だった。丘は見事なハゲ山になっていて、そのふもとに洞窟がぽっかりと開いている。どう見ても人工的に掘った洞窟だ。

(子供の頃、よく遊んだ洞窟か。確か、内乱時に村人が掘った避難所だったよな。平和になるとゴブリンの巣になってしまったのか……)


 馬を駆って洞窟へ到着すると、入口には新人隊員二人が立っていた。奪い返した備蓄食糧の袋の山を警護している。かなりの量で、荷車十数台分くらいもある。ほとんど全て製粉前の小麦だった。

 その山を見て小首をかしげるカリグラ。

(ん? ゴブリンって肉食だよな。どうして穀物なんか盗んでいるんだ? てっきり、倉庫から干し肉を盗んだとばかり思ってたんだが)


 実はゴブリンもコボルド同様に雑食なのだが、カリグラはそこまで詳しく知らない。牛乳を加えた雑穀粥が好きだったりする。


 製粉前の小麦が入っている麻袋を見ると、全く手をつけていない。袋の表面もキレイなままだ。

(まさか、売るつもりだったとか?)


 腕組みをして考え込んでいるカリグラを見て、新人隊員が驚いた表情を浮かべた。

「カリグラ隊長じゃないですか。どうしたんですか? 本部で何か起きましたか?」

 新人隊員はゴブリンと戦闘したばかりの様子で、返り血を全身に浴びて赤く染まっている。皮製の鎧服を着ていて、武器はカリグラと同じくロングソードだ。

 無傷のようで安堵するカリグラ。馬から下りて、地図を隊員に渡す。

「いや。暇になったので、ちょっと様子を見に来ただけだよ。これで村の食糧も安泰になるね。オヤジ……あ。団長は洞窟の中かい?」


 新人隊員が素直にうなずいた。

「はい。食糧の奪還作戦は成功しました。今はゴブリン駆除のために、ダーブル団長が三人の新人隊員と共に洞窟内部へ向かっています」


 無事でほっとするカリグラだが、やはり洞窟内部へ向かう事にしたようだ。さすがに、ざわつく新人隊員二人である。

「カリグラ隊長……さすがに、それは独断行動なのでは?」

 カリグラは事務仕事をしていたままの服装なので、普段着だ。一応、足にはガルカという軍靴を履いているが。武装も素振りで使っていたロングソード一本だけである。

 軽く肩をすくめて、自虐的に微笑む。

「後で独断行動の罰は受けるさ。すまないけど松明を一本くれないか」



 洞窟内部では戦闘があったようで、斬られて死んだゴブリンの死体が散乱していた。真っ赤な血や臓物、糞尿の臭いが充満する中、松明の灯を頼りに進む。

 死体となっているゴブリンの手には魔法のランタンや、傷の治療薬が多数あった。この魔法のランタンは、全てダーブルによって斬られて破壊されている。

(ゴブリンにしては、高価な魔法具や治療薬を揃えているなあ……)

 不安を感じるカリグラ。


 洞窟内部には小部屋がいくつかあり、その中には宝箱があった。治療薬があったのでそれを拾っていく。

 また、無傷の魔法のランタンもあったので、それのスイッチを入れてみた。松明よりも明るくなる。

「おいおい……マジか。ゴブリンが持つような魔法具じゃないぞ、これ」

 松明を捨ててランタンにする。他の宝箱には金貨が数枚。この飛王国の通貨だ。

(何者かが資金援助をしているのか? しかし、ゴブリンに資金援助? どう考えても無意味なんだが)



 さらに洞窟を進むと、地下一階へ通じる階段があり、そこに新人隊員一人が返り血で血まみれになった姿で剣を抜いて警備していた。彼もまた無傷だ。ここでもゴブリン数匹の斬殺死体が転がっている。

 彼もカリグラの姿を見て驚いた。

「え? カリグラ隊長じゃないですか。なぜここへ? もしかして、本部で何か事件が起きたのですか?」


 同じような質問を受けたので、頭をかきながら説明するカリグラであった。

「我ながら、ゴブリンごときにどうかしていると思うよ。それで、団長はこの奥かい? せっかくここまで来たから会って怒られてくるよ」

 新人隊員が少しほっとした表情を浮かべた。

「この奥です。ですが、もしかすると良い援軍になったのかも知れません。実は、奥へ進んでから戻ってこないんですよ。時間がかかり過ぎています。落とし穴とかの罠に引っかかったのかも」


 カリグラもその可能性を認めた。

「しかしゴブリンが罠を仕掛けるなんて、聞いた事がないけどね。内乱時に村人が仕掛けた罠がまだ残っていたのかな。まあ、何か問題が起きているのかも。ちょっと行って様子を見てくるよ」



 カリグラがランタンの灯を頼りに階段を下る。その先には、さらに数匹のゴブリンの死体が転がっていた。それらを見て、反対に不安になってくる。

(これは、意外にかなりの勢力なのでは)

 通常、ゴブリンは少数の群れをつくるだけだ。


 地下一階では、天井に照明用の魔法具が整然と設置されていて明るかった。夕方くらいの明るさだ。魔法のランタンは不要になったので、灯を消す。

(このような地下通路は初めて見る。子供の頃、こんな場所なんか無かったぞ。ゴブリンには設置できない魔法具だ)


 ゴブリンの斬殺死体が途絶え、歩きやすくなった。

 足音を立てないように慎重に進むと、新人隊員が一人血まみれで倒れていた。

「!」

 急いで駆けつけて呼びかけるが、既に死んでいた。


 全身を丸焼けにされていて、髪や肉が焼ける臭いが充満している。顔が焼け落ちていて誰だか分からない上に、手足が炭化している。

「う……」

 たまらずに吐きそうになるカリグラだが、何とか耐えた。この攻撃方法はダークエルフのものだ。

 不安が急速に膨れ上がっていくが、ダーブルが先日のダークエルフを斬り伏せたのを知っていたので希望をつないだ。


 通路が行き止まりになり、丈夫な石製の扉が半開きになっていた。そこに二人目の隊員の死体が挟まっている。

 彼もまた全身を焼かれていて、顔と両腕が炭化している。さらに腹を切り裂かれて内臓がはみ出ていた。刀剣での斬り口ではない。血の臭いがさらに強まり、ダーブルの安否が気になる。

「オヤジ!」

 もう足音を潜める余裕もなく、大急ぎで扉をくぐって部屋の中へ駆け入った。


 部屋は倉庫のようで、大きな木箱や樽に壷が整然と並べられていた。が、それには目もくれず真っすぐ駆けていく。部屋の奥に石の扉があり、半開きになっている。

 その扉に背を預けてうずくまっているダーブルの姿があった。彼の足元には大きな血だまりができている。

 兜が大破されて床に転がっているのを、カリグラが勢い余って蹴り飛ばしてしまった。

「!」


 カリグラが血相を変えて駆け寄って、ダーブルに抱きついた。やはり全身を焼かれていて、頭に大きな刀傷が口を開けていた。脳にまで達していて、大量の血液と脳漿が団長の顔を濡らしている。

 彼もかなり高温の炎を浴びたらしく、左腕から左わき腹にかけて炭化している。腰から下も炭化していて、既に膝下が両脚とも砕けてしまっていた。

 まだ辛うじて意識があり、カリグラの姿を認めて驚く。

「……なぜ来た」


 扉の奥から談笑が聞こえた。それを聞いたダーブルが、カリグラに最後の力を振り絞ってしがみつきながら訴えた。頭の刀傷から鮮血が噴き出し、左腕が砕ける。

「……息子よ。……わしはもうダメじゃ。ここまでダークエルフが恐ろしいとは……。黒き狼団の事は副団長に任せてある……。……いずれ……オマエが……引き……継ぐまで、彼に……任せて、おけば……よい……」


 石の扉の向こうからは、話し声がハッキリと聞こえる。飛王国の公用語ではないため、カリグラには理解できなかったが。

 ダーブルが「ビクリ」と痙攣して、カリグラにしがみつく力をさらに強めた。腰から下の炭化部分が背骨から折れて、焼け焦げた腸などが出てくる。

「……引き……返すんだ。ここより、先……進んではならん……」

 カリグラも扉の向こうに敵の気配を察して、ダーブルの頭の傷を押さえながら声を押し殺しつつ、魂の叫びを漏らした。

「オヤジ! 死ぬな!」


 ダーブルが痙攣しながらも微笑んだ。出血がどうやっても止まらない。

「……仇をとろうなんて思うな……。生き延びて……傭兵団をいずれ……引き継いでくれ……」

 声を殺して涙で顔をくしゃくしゃにするカリグラに、痙攣する血まみれの右手を伸ばし、頬をなでる。

「……立派になったな……カリグラよ。オマエを誇りに思うぞ……」

 ひと際激しく痙攣するダーブル。もう瞳には光が見えないが、微笑みは絶やさない。

「……さらばだ……我が……息子……よ……」

 カリグラの頬からダーブルの手が離れて床に落ちた。


 カリグラが絶叫する。

「オヤジいいいいいっ!」


 この叫び声で、石の扉の向こうの話し声が途絶えた。

「まだ生き残りがいるのか」

 先ほどの聞き取りできない言葉から、飛王国の公用語に切り替わっている。


 その声を聞いてカリグラが跳び上がるように立ち上がり、石の扉を蹴り壊して開けた。そこには豪華なソファーや机に本棚、キッチンなどが整備されていて、かなり明るい。


 そのソファーから美麗な鎧姿のダークエルフが一人立ち上がって、カリグラを見た。

 黒灰色の真っすぐな長髪で、腰の上まで優雅に伸びている。瞳は暗い赤色で、浅黒い肌。身長はカリグラよりも少し低いか。その威圧感から、見るからにボスだと分かる。

 そばには数人のダークエルフ兵、ゴブリン兵とその長もいる。こちらは実用一点張りの戦闘服だ。鎧は脱いでしまっていたが、帯剣はしている。


「くそおおっ、ダークエルフめえっ!」

 カリグラが怒気を発しながらロングソードを振りかぶって突撃した。目が血走っていて猛獣のような形相になっている。

「オヤジの仇っ! 覚悟しろ、ダークエルフめえっ!」


 臨戦態勢を素早く整えるゴブリン兵と配下のダークエルフ兵。ダークエルフのボスも手慣れた動作で、見事な剣を鞘から抜いて構えた。同時に精霊魔法を発動する。

 契約しているのは炎の精霊で、それに攻撃対象と位置情報などを精霊語で指示していく。すぐに精霊が呼応し、彼の周囲に火の玉が数個発生して、それらが急速に大きくなってきた。

 その炎の赤い灯りで鎧を輝かせ、赤い瞳を細める。カリグラの決死の形相を、鼻で笑った。

「我が領域に踏み込んできて何を言うか。返り討ちにしてくれるわ」


 カリグラが剣を振るってゴブリン兵を二匹斬り殺す。そのゴブリン兵ごと、カリグラに向かって炎の精霊魔法が襲い掛かった。高波のような炎だ。

 斬り殺して真っ赤な血と臓物を撒き散らして痙攣しているゴブリン兵の一匹をカリグラが盾にして、炎の直撃を受け止めた。そのまま突撃する。

 猛火に焼かれて炭になっていくゴブリン兵を投げ飛ばして、ボス配下のダークエルフ兵にぶつけた。

 慌てたところをロングソードで斬り殺す。瞬く間に配下のダークエルフ兵全員とゴブリン兵全員を斬り倒した。というよりも剣で頭を叩き潰して殺している。


 そのままの勢いでゴブリン長も斬り伏せ、その体を再び盾にして、ダークエルフのボスの炎の精霊魔法攻撃を受け止めた。ゴブリン長が断末魔の絶叫を上げて炭になっていく。

 それをダークエルフのボスに投げつけて、斬りかかるカリグラ。

「うおおおお!」


 が、その瞬間。鋭い烈風が吹き抜けた。炭と化したゴブリン長がその烈風を食らって真っ二つに裂け、さらに後ろのカリグラのロングソードも烈風で砕けた。

 普段着だったカリグラも、敵の風の刃でズタズタに切り裂かれて重傷を負い、血と臓物を撒き散らして床に倒れてしまった。そのまま激しく痙攣する。

 カリグラから噴き出す血吹雪が、風で舞い上がって天井や床にぶちまけられていく。


 ダークエルフのボスが不快な表情になって毒づいた。今は風の精霊が数体、彼の周りに発生している。

「ち。ゴブリンの体と、やつの剣が邪魔で、風の精霊魔法が充分に届かなかったか。まあ、即死にはできなかったが時間の問題であろう」


「が、ぐ……」と呻きながら痙攣するカリグラ。血の池でのたうち回って、砕けた剣を手に床を引っかいている。右腕にも骨まで見える大きな裂傷があり、満足に動かせない。

 そんなカリグラを、ゴミでも見るように見下ろすダークエルフのボス。剣を鞘に納めて毒づく。

「このアジトも放棄せねばならぬか。まったく……黒き狼団のせいで拠点が二つも潰されようとはな。紅の魔女さまにどう申し開きをするか……」



 ダークエルフのボスがカリグラを蹴りつけていると、部屋に人間の神官が来た。頭からつま先まで、すっぽりと黒緑のローブを被っているため、人相がよく分からない。

 その神官が、カリグラが斬り殺したゴブリン兵やダークエルフ兵の死体を眺めてニタニタ笑っている。

「ほう……これはこれは。アンデッドに加工するに良い素材がありますな。そのダークエルフはファントムに加工できそうですぞ」

 ダークエルフのボスが、明らかに不快な表情を浮かべてカリグラへの蹴りを止めた。先ほどから、ずっと飛王国の公用語で話をしている。

「我が部下をアンデッドなどにする事は許さぬ。不浄なバギム神ごときの供物になどさせるか。ヴォール神の祭壇にて丁重に葬儀を執り行うため、貴様が触れたら焼き殺すぞ」


 脅されたバギム教団の神官が、残念そうな表情をしながらも素直に引き下がった。黒緑のローブの裾を危うく踏みそうになり、ヨロヨロしているが。

「仕方ありませぬな。ファイヤーストームを食らっては堪らぬ。では、そこで死にかけている傭兵でも頂戴しようか。人間だから構わぬであろう?」

「フン」と汚物を見る目つきで了解するダークエルフのボス。

「勝手にしろ。ゴブリンもな。ここまで血にまみれてしまっては、ヴォール神の祭壇を設けるわけにはいかぬ。不浄な貴様らが使いたいなら、勝手にするがいい」


 バギム教団の神官が下卑た笑いを浮かべた。

「ゴブリンをアンデッドにした所で戦力にはならぬよ。今はできるだけ多くのアンデッド兵が欲しいと、我が上司の仰せでな。山向こうの神殿でせっせと製造しているのだが、要求量が多すぎで重労働なのだよ」

 そう言ってから、腰や肩を「トントン」叩く。

「村や城下町の墓地から死体や怨念を集めてアンデッドに加工しているが、手伝ってくれないかね? ジャトー隊長」


 ジャトー隊長と呼ばれたダークエルフのボスが鼻で笑って、即答で断った。

「我らは精霊界などへ行く重要な仕事があるので無理だ。この国を燃やし尽くす。と、我が族長の仰せなのでな」

 バギム教団の神官が、同情気味に笑う。

「お互いに大変だな。さて。では傭兵どもを早速アンデッドに加工するか。まずは前処理を……」


 バギム教団の神官が、瀕死のカリグラにゾンビ化の魔法をかけた。

「!」

 もうろうとした意識の中でカリグラが、自身の肉が腐りながら青く燃えていき、全身が炎に包まれていくのを見つめる。ジャトーが放った炎の精霊魔法とは全く異なり、体温を奪って冷やしていく青い炎だ。


 バギム教団の神官が「ヒーヒー」言いながら、ダーブルや新人隊員の死体を部屋の中へ引きずってきて、同じようにゾンビ化の魔法をかけた。ダーブルたちも青い炎に包まれていく。

 無念と激怒で血涙を流すカリグラだが、意識がもうろうとしているため、自身に何が起きているのか理解できていない。急速に意識が遠のいていく。

(オヤジ……仇を討てなかったよ)


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