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紅の魔女  作者: あかあかや
ラーラル編
69/78

ウーザー建設

 商店街の目立つ場所に、住宅販売のモデルハウスが建っていた。ちょうど今は人混みが少ないので、モデルハウスをじっくり眺めるカリグラ。

「へえ……一戸建てか。お金が貯まったら、こういう家を買うのも良いな」

 グルバーンが驚いている。

「カリグラ隊長……まさか、ラーラル城下町に移住する気なのか? 止めておけ。飯が不味いのは、すでに思い知っているだろう」

 ファビウスが即座にうなずく。

「そうですよ、カリグラさん。病院がない町に引っ越してどうするんですか。

 カリグラさんはライトワンズしか使えないでしょ。二日酔いの治療にはキュアポイズンが必要なんですよ」


 カリグラが赤みがかった茶髪をかいて答えた。

「狼団の隊長をやってるから、ここには移住しないよ。でも、一戸建ての造りを見ておくのは、今後の参考になるかもって思ってさ。

 小さな家だったら、俺独りでも建てる事ができるかも知れないし。狼団の近くに村があるから、家を建てるならそこかな」

 そして、ジャンクを見て釘を刺した。

「シーフの溜まり場にはしないぞ、ジャンクよ。賭博部屋もつくらないぞ」

 ジャンクが舌打ちしている。

「ち。どーしてオレの考えが分かるんだよ」


 宣伝看板を読むと、このモデルハウスを建てたのは『ウーザー建設』と書かれてあった。その事務所を見つけて、中に入ってみた。

 扉には『一戸建て、高級住宅の建築、建売の販売。信じられない安さで勝負!』と大きく書かれている。


 この事務所の警備員は傭兵だったので、意外に思うカリグラだ。

(住宅街と商店街の警備員は地元民だったのに、この事務所だけは違うのか……しかし、武装が貧弱だなあ)

 皮製の鎧服にロングソードとナイフだけという質素なものだ。それも、恐らくはこの傭兵の私物だろう。


 事務所には誰も客がおらず、事務員も見当たらない。小首をかしげるカリグラが、近くに置いてあるグランドピアノに触れた。

「ん? 誰も居ないのかな。しかし大きなピアノだな。事務所のロビーを占有してるじゃないか。邪魔だぞ」


 グランドピアノには案内板が立っていて、『ご用の際は、ここを鳴らしてください』と書かれてあった。

 小首をかしげ続けているカリグラを見かねてか、警備員がやって来てグランドピアノの鍵盤を叩いた。

「ド、レ、ラ、シ……っと。こうやって社長を呼びだすんだよ。騎士見習い様」

 調律ができてないらしく、いくつかの鍵盤は音ずれしていた。「ぼよよん……」と変な音が事務所内に響く。


 すぐに小太りの中年オヤジが奥の部屋から出てきて、ニコニコ笑顔で声をかけてきた。

「ようこそ。早い、安い、お気軽な建設会社ウーザー建設です。私が社長のウーザーです。新規物件の建築ですか? 建売の購入ですか?」

 ウーザーは金持ちのようで、服装が上流階級っぽい。金銀などの宝石でできたアクセサリーを、これでもかと身に着けている。


 グルバーンが思わず吹き出しそうになっているのを、カリグラが慌てて抑える。

「グルバーンさん、成金趣味だとか何とか指摘しないでくれよ」

 グルバーンが「ケホケホ」と咳払いをして、笑いをごまかした。

「う、うむ。花子先生やパラスミ先生たちと接していると、目が肥えてしまうものだな」


 ジャンクは別の意味でニヤニヤし始めているので、カリグラが彼にも釘を刺しておく。

「白昼堂々と強盗なんかするなよ。社長が居るから空き巣にはならないぞ」

「へーへー。分かってるって兄弟」


 ウーザーが怪訝な表情をし始めたので、愛想笑いを浮かべてごまかすカリグラだ。

「ええと……外の店舗物件の事で、情報が欲しいと思いまして。何かありますか?」

 ウーザーがニッコリ微笑んだ。

「おお。お目が高い。あそこなら、何の商売をしても商売繁盛間違いなし。あのモデルハウスは買い取り物件ですので、金塊二十個となります」


 カリグラが思わず内心で(どこが安いんだ……)とツッコミを入れた。金塊一個は金貨一万枚と等価になるため、三十キログラムある。これも純金だ。

「いえ、結構です。建築資料があればそれをください」


 ウーザーの態度が豹変した。あからさまな侮蔑の視線をカリグラに投げつける。

「なんでえ、なんでえ、冷やかしかい! ケッ、金も持ってない小市民が、自分の店舗を持とうなんて百年早いわ。テメエなんて軒下で商売しやがれ!」


 思わず目を点にしたカリグラだったが、すぐにジト目になった。

(なんだ、こいつ。急に態度が変わるな。なんて奴だ!)

「フン、じゃあな」

 ウーザーが吐き捨てるように叫ぶ。

「おととい来やがれ! オイ! 警備員! こいつらを外へ摘まみ出せっ」


 警備員が面倒臭そうな表情を浮かべながらも、ウーザーの指示に従った。両手を大きく広げてカリグラたち四人を事務所出入り口へ追い立てていく。

「そういう事だ。騒ぎを起こさずに、さっさと出ていってくれ。騎士見習い様とお連れさんたち」


 事務所の外へ追い出されたカリグラが、プンスカ怒っている。事務所の扉を睨みつけた。

「かー……もう、二度と来ないぞ!」


 グルバーンとファビウスも不機嫌になっているが、ジャンクだけはニヤニヤし続けていた。

 まだ怒っているカリグラの肩に腕を伸ばして、グイッと引き寄せる。

「あのオッサン、オモロイな。きっと何か怪しい事してるぜ。シーフギルドで聞いてみるか? ここラーラル城下町にあるって聞いたぜ」

 カリグラがうなずいた。

「そうだな。ここのシーフギルドで色々、聞いてみるか。しかし、ラーラル城下町を歩き回ったけど、シーフギルドは見当たらなかったぞ。見落としたかな」

 グルバーンがため息をついている。

「行くのかね? ここのシーフギルドはオーガンの町と違って、秘密結社の色合いが強いぞ。

 シーフギルド会員以外には冷たいのだ。行っても、情報は得られぬと思うが」


 気分を落ち着かせたカリグラが、グルバーンの忠告にうなずいた。

「そうなのか。それじゃあ、ウーザー建設の情報を調べるには、この商店街で行う方が良さそうだな」

 ジャンクが目をキラキラさせながら、とある店を指さした。『スパイス屋』という看板がかかっている。

「それじゃあよ、まずは、あの店に入って聞いてみようぜ!」



 スパイス屋に入ると、様々な香辛料の香りが混然一体となって鼻を直撃した。

「うわっ……」

 思わずひるむカリグラたち四人を見て、店主がニヤニヤしている。

「いらっしゃい。見ない顔だね。ん? 一人は騎士見習い様か。スパイスに興味があるのかい? それとも攻撃の道具に使うのかい?」


 カリグラが内心で冷や汗をかきながらも、普通の表情になって答えた。

「仲間のシーフがスパイスに興味を持っててね。

 攻撃の道具って、もしかしてトウガラシかい? 俺は傭兵団出身だから、尋問道具として使った事があるけどさ」

 店主が意外そうな表情を浮かべた。

「ほう。傭兵から騎士見習い様になったのかい。こりゃあ珍しいね。

 攻撃に使ってるのは、赤トウガラシ粉だね。実際に城下町と新興住宅地で働いている警備員がよく買っていくんだよ。主に目潰し目的で使うようだね」

 そう言いながら、赤い粉が入った箱を取り出した。確かに見事な赤さだ。


 感心して見たカリグラが、うなずいた。

「へえ。これがそうか。警備員が使ってるなら、俺も買ってみようかな。一袋頼むよ」

 ニッコリと微笑む店主。

「お買い上げありがとさん。使い方は単純だ。敵の顔に向けて投げつければいい。ただし、風向きには注意しろよ。間違っても吸い込まない事だ」


 カリグラが代金を支払い、店主から皮袋を一つ受け取った。中を見ると、赤い色をしたトウガラシ粉が入っている。

 ファビウスとグルバーンが警戒して、カリグラから数歩離れた。カリグラが頭をかく。

「すまんね。危険物らしいから、取り扱いには充分に注意を払うよ」

 カリグラから二メートル離れた場所で、ジト目になっているファビウスとグルバーンである。

「そうしてください、カリグラさん」

「ジャンクに感化されぬようにな、カリグラ隊長」

 そのジャンクは、他のスパイスを味見している最中だ。かなりご機嫌になっている。


 こういった反応をよく見ているのか、店主が別の香辛料を見せた。

「スパイスを警戒されると、こっちとしては商売に困るんでね。美味しいスパイスもあるんだよ。味見してみな」

 一つは細い米でモミ殻付き、もう一つは黒っぽい木の皮だ。

「香り米とシナモンだ。どちらも料理に使うんだが、食後の口直しにも使うんだよ」


 ジャンクが真っ先に試食して、目を輝かせた。

「おおっ。いいなこれ」

 カリグラたち三人も恐る恐る口にしてみた。すぐに驚いた表情を浮かべる。


 それを見て満足そうに笑う店主だ。

「な。美味いスパイスもあるだろ。ああ、そのシナモンな。どこかで情報屋をやってるシーフが好むって話だ。情報を買う時に役立つかも知れないぜ」

 そう言われては、買うしかないカリグラであった。

「商売上手だねえ。それじゃあ、そのシナモンも一袋買うよ。

 それと、うちのシーフもスパイスを気に入ったようだ。彼向けに少量ずつ、安いスパイスを詰め合わせてくれないかな」


 しかし、肝心のウーザー建設に関する情報は得られなかった。店主が申し訳なさそうにする。

「すまんね。スパイスの多くは海を渡った向こうにある覇王国南部で採れるんだよ。なので、ワイマール地方の港町へ行く事が多くてね。ここラーラル城下町の情報には疎いんだ」

 ラーラル地方の南にワイマール地方があり、ここの港町には覇王国からの交易船が入港している。


 カリグラが幸せそうにしているジャンクを見ながら、気楽な口調で答えた。

「お気遣いなく。ではまた」



 スパイス屋を出ると、ジャンクが次に酒屋を指さした。

「屋台の酒も良いけどよ。こういう店の酒も見ておこうぜ、兄弟」

 ファビウスの冷たい視線を感じながらも、カリグラが同意した。

「そうだな。酒って贈答品としても使われるからね。ここラーラル地方の傾向を調べておくのは有益だよ」


 ファビウスがジト目になりながらも、渋々了解した。

「まったく……そういう屁理屈をこねますか。とにかく明日までは酒を飲まないでくださいね」

 グルバーンが目を輝かせて、ジャンクと一緒に酒屋へスキップしながら入っていった。

「ウィスキーかブランデーはあるかね? 店主」


 カリグラも続いて酒屋に入った。ズラリと棚が並んでいて、様々な銘柄の酒がぎっしりと詰まっている。その銘柄を見ていきながら、感心する。

「へえ……品揃えはオーガン冒険者ギルド三階のバーよりも充実してるね。

 モルトの町産も多いな。これは首都地方産か。ラーラル地方産はワインだけかい?」

 店主が軽く肩をすくめて答えた。

「森ばっかりなんでな。ワイン畑も小さいんだよ」


 湿地帯の近くで栽培しているのは、赤ワイン用のグルナッシュ品種と、白ワイン用のヴィオニエだけだ。どちらも日常ワインとして消費されている。

 高級ワインも少量つくっているそうなのだが、ほぼ全てが上流階級とレストランへ流れている。その残りがこの酒屋に卸されていると話す。

「それも全て予約済みだな。なので、騎士見習い様といえども買えないんだよ。すまないね」


 残念がるカリグラだ。

「そうなのかー……ブドウ品種がオーガン地方と違うから、どんな風味なのか知りたかったんだけどね。一応は外の屋台で飲んだけど。

 ラーラル地方では、ここだけなのかい?」

 店主が微妙な表情になった。

「いや。南東にあるリーンの村で、ちょっとだけ栽培してるよ」


 ブドウ品種は赤ワイン用がカリニャンとネビオロ、白ワイン用はルーサンヌ・マルサンヌとコルテーゼというそうだ。

 これもまたカリグラには初耳の情報である。

「知らない品種だな。機会があれば飲んでみるよ。

 外の屋台では地元産のリキュールが売ってたけど、この店には置いてないんだね」


 店主が「当然だ」とばかりに答えた。

「衛生問題が、ちょっとな。腹を壊す恐れがあるんだよ。同じ理由で、どぶろくも置いてないな」

 どぶろくは、米からつくる酒だ。日本酒と違い、白く濁っていて静置すると底に沈殿する。

「あと三十日くらいすると、稲刈りが始まる。その新米を使って、どぶろくが出回るようになるんだよ。その新米なら、まあ大丈夫だ。

 しかし、今出回っているのは古米でな。腹を壊しやすいんだよ。なので、うちの店では取り扱ってないんだ。

 五十日後に来ればいい。その頃には、どぶろくを置いてるよ」

 しかし、新米を使ったどぶろくは季節限定なので、すでに予約で埋まりつつあるそうだ。それを聞いて、カリグラが「そうなんだ。人気のある酒なんだね」と予約を入れている。


 ため息をつくファビウスである。

「はあ……こうなると予想していましたよ。さっさと外へ出ましょう。店主さん。私たちはウーザー建設の評判について調査しているのですが、何か知っている事はありますか?」

 店主が頭をかいて申し訳なさそうな顔になった。

「あー……あの建設会社か。悪い噂は山ほど聞く。だけど本当かどうかは知らないな。酒の買いつけに、ラーラル城下町を留守にする事が多くてね。

 だけど関所が閉鎖されてからは、買いつけに行けなくなってる。ここ数ヶ月間だと、ウーザー建設は交易銀貨を貯めこんでいるって噂を聞くよ」


 ファビウスがメモをとって、礼を述べた。

「情報ありがとうございます。では、その干物を四つください」

 ニッコリ笑う店主だ。

「おお。神官様なのに、分かってるねえ。お買い上げありがとうな」


 グルバーンとジャンクは、興味のある酒をいくつか見つけたらしい。意気揚々としてカリグラに声をかけた。

「酒を飲むには金が要る。効率よく稼ぐぞ、カリグラ隊長」

「飯が不味いからなっ。その分、酒を飲まねーとな! 兄弟っ」



 酒屋を出ると、近くに魚屋を見つけた。カリグラが軽く腕組みをする。

「ラーラル地方には海が無いから、淡水魚だよね。バー 蜘蛛の巣にたむろしていた水夫たちが獲ってきた魚かな。

 ちょっと見てみよう。俺は海魚ばかり食べてたからさ、湖の魚には詳しくないんだよ」


 ファビウスが同意した。

「そうですね。どんな魚なのか確認しておきましょう。酒の銘柄を確認するよりも、はるかに有意義ですね。

 私も実は、港町モルガンの魚しか食べた事がありません」

 グルバーンは微妙な反応をしている。

「大して美味くはないぞ。しかしそうだな。知っておくべきではあるな。酒のツマミ料理に使われているのでな。酒との相性があるのだ」


 魚屋に入って、いけすの中を泳いでいる淡水魚を見て回る。主にコイの仲間が多く、これにナマズとウナギの仲間が加わっている。他にはザリガニ、サワガニ、タニシ、ドジョウが売られていた。

 カリグラが店主に聞いてみる。

「ラーラル湖で何か問題が起きたそうですが、その湖の魚って今は売っていますか?」

 店主が口をへの字に曲げて答えた。

「いや。漁民集落から届いてねーな。でかい魚ばかりなんで、人気なんだけどな」


 長さ五十センチメートル以上あるマスや、バラマンディー、川カマス、無毒の淡水フグなどがラーラル湖で獲れるそうだ。

 淡水の手長エビも、胴体の長さが三十センチメートル以上あるとか何とか。

 ラーラル城下町の住宅街に住む上流階級の人たちが、それらを買っているらしい。他にはレストラン向けだ。

 ここでも鮮度保持の魔法処理が施された木箱が活用されていると知り、上機嫌になっているグルバーンである。


 店主が肩をすくめた。

「そんなわけで、今売ってるのはどれも小さな魚ばかりだな。売り上げが落ちそうだよ」


 少し雑談を交わしてから、ウーザー建設について聞いてみた。軽く肩をすくめる店主だ。

「あの建設会社は止めとけ。ぼったくり商売で悪名高いんだよ。木こりも報酬が少ないって文句を言っててな。ウーザー建設の仕事をしなくなってきてる」

 カリグラがメモをとりながら、ファビウスと視線を交わした。

「そうなんですか。情報ありがとうございます。お礼に何か買いますよ」


 ナマズの干物を買った。食べてみると、意外に気に入った様子である。

「へえ。白身の肉だからかな。酒のツマミに合いそうだね」

 他の三人も試食して、ご機嫌になっている。


 そんな三人を嬉しそうに見ていたカリグラだったが、客の一人に目を奪われた。若い女である。

(あれ? あの服って、大陸服だよな)

 その大陸服を着た若い女と目が合った。怪訝そうにカリグラを睨みつけてくる。

「何アルカ。アタシの顔に何か付いているアルカ?」


 カリグラが内心で確信した。

(あー……この言葉遣い。間違いないな)

「いや、何となく。うちの傭兵団の本部で働いてくれている、女シェフに服装が似ているなと思っただけでして……」


 大陸服を着た若い女の視線が鋭さを増した。

「何アルカ、その女。アタシはこの城下町の食堂でシェフしてる、張アルネ。その女も料理人アルカ? 今日アタシは、これからコイの清蒸に挑戦するアル」


 カリグラが孫シェフのつくる料理を思い出しながら、目元と口元を大いに緩めた。さすがにヨダレまでは垂らしていないが。

「はあ……美味しいと思いますよ。何度か食べました。孫という女シェフです」

 張が激高した。

「キー! アタシより上手い大陸料理人いるの我慢ならないネ。アンタ、どこの傭兵団アルカ!」

 カリグラが内心で後悔し始めている。

(しまった……怒らせちゃったか)

「オーガン地方の黒き狼団です」

 張が拳を頭上に突き上げた。

「黒き狼アルネ。探し出して料理対決スルネ!」

 そう叫んで、ダッシュで魚屋から飛び出ていった。


 後ろ姿を見送ったカリグラが、ナマズの干物をかじりながら肩をすくめる。

「やれやれ……面倒な事になったな。一度狼団の砦へ戻ってみるか」

 即座にファビウスが反対した。

「アルコール中毒から回復したばかりですよ。今日明日は、体に負担のかかる馬車旅は無理です」

 事実上の主治医にそう言われると、従う他にない。

「分かったよ、ファビウスさん。おとなしくする。あー……干物が美味いなー」


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