ツンデレを辞書で引いてみた さ行
「・・・・っ!ばっ!ばかじゃないの?べつにあんたのこと待ってたわけじゃないわよ!」
下校時、校門の前にあかりがいて、顔を真っ赤にしながら怒られた。
不思議だ。
しかも僕のことを待っていたわけじゃないのに僕と一緒に帰ることになった。
・・・・・・じゃあ誰を待っていたんだ???
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「お前を待ってたに決まってんだろ。」
昼休み。僕らは今日は珍しく学食で昼食をとっている。
永山君はカレーうどんだが、僕は今日、またあかりが弁当を作ってきてくれたのでそれを食べている。
あかり曰く、「あんたのせいで二人前作るのに慣れちゃったのよ!いいから食べなさいよね!どうせほっといたらパンとかしか食べないんでしょ!」とのことだ。
実際助かるしおいしい。きっとあかりはいいお嫁さんになるだろうなあ。
「お前それ本人に言ってやれよ。」
永山君が心の声を読んでなんか言っているが当然、こんなこと本人には言わない。
今の時代、そんなセリフを吐いたら最後、セクハラ扱いをうけて女子から侮蔑の目をくらってしまうのだ。
話を戻そう。
「いや、だって僕のこと待ってたわけじゃないって言ってたわけじゃん?」
人の話を聞いてなかったのかこの男は。もしくは人を信じるということを知らない悲しい生き物か?
「でもお前と帰ったんだろ?」
「そこなんだよなあ。」
この話の最大の謎はそこだ。
あかりは校門の前に寄りかかって誰か、もしくは何かを待っていた。
でも僕が来たタイミングで僕と一緒に帰宅。
しかしあかりは僕を待っていたわけではない・・・。
「迷宮入りのにおいがしてきたね・・・。」
「いやそうはならんだろ」
しかし謎は深まるばかりだ。
永山君は全てわかってるような顔をしているがなにも教えてはくれない。