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第2章 36話 かなり期待が持てそうだ。

 「よし、取り敢えず今回のは、こんなもんかな。」


 「ようやくですね。」


 取り敢えずミトンに色々と説明するに当たって必要となる資料は完成した。

 定規とフリーハンドのみで描いたので微妙な所はあるが、急仕上げの割にはまぁ上出来だろう。

 何度か描き直した所も有ったので、CADがあればもう少し早かっただろうが流石に無い物ねだりだな。


 それと当然ながら、コピー機も当然無いので俺たちの控え用として同じ物を二部作っておいた。


 今回の分の資料製作が終わったついでに、この機会にとマリリにこの異世界の数字について教えて貰った。

 マリリが資料に記入するのを見ていて何となく気が付いていたが、数字の下には全てにアンダーバーが付くらしい。

 成る程、分かりやすい。


 言われてみれば、ギルドで冒険者登録の時に記入した用紙でも、年齢の所は文字変換された後にアンダーバーが付いていたことを思い出す。


 マリスが確保してくれたミトンとの約束の夕刻まではまだ少し有るし昼飯もまだ食べていないので、マリスとセリーと合流すべく出掛ける事にした。




 「あ、お姉ちゃん、大地!」


 中央広場の噴水前で声を掛けられ振り向くと、マリスが小さな荷車を引きながら小走りで向かって来た。


 「マリスお疲れ様。」


 「お疲れ、マリス。

  なんか便利な物使ってるな。」


 「これ?いいでしょ!

  買い物用の小型荷車だよ。前にミトンさんに作って貰ったの。」


 「ちょっと見せて貰っていいか?」


 マリスがその使っている小型の荷車は、例えるなら縦1.5メートル・橫50センチ程の木で組まれた箱に木製の車輪が4輪と引っ張る部分の取っ手付いた、ラジオフライヤーにそっくりな物だった。

 しかも前輪部分は首振りに成っていて、曲がり易い様に配慮されている。

 荷物を乗せた状態なので裏返す訳にはいかず詳しい構造を確認は出来ないが、左右の車輪が連動して首を振るのできっちりリンクしているのは分かる。

 

 あと車体の側面に付いているの三角形のブロック2個は、トラック等で使用されている様な輪留めの小型の物らしい。

 それなりに使用者の事を考えられているのが伺える。

 

 「こういうのって普通に使われてたりするのか?」

 

 「うーん、まぁ有るにはあるけど、どちらかと言うと珍しい方かな。

  そういえば、僕のみたいに前輪が曲がるのヤツは見た事無いなぁ。」


 「なるほどね。」

 

 どうにも気になるので地面に這いつくばり車体の下を覗き込む。

 通りすがりの人達が何事かと驚いた様子ではあるが、マリリとマリスが普通の様子なので敢えて突っ込んでくる人も居なかった。

 

 「・・・マジか!?」

 

 驚いた事に左右の車輪を繋ぐリンク部品は見たところ、色や質感からどうやら金属製の様に思われる。

 耐久性はいま一つの様にも思えるが、それなりに加工精度の高さが伺える。

 

 これはひょっとすると、本当に作れるかも知れないな・・・。

 これをミトンが作ったとなると、これからお願いしようと考えている部品の製作もかなり期待が持てそうだと感じた。

 

 「あれ?大地さん何してるんですか?」

 

 不意に声を掛けられ体を起こすと、訝しげな表情で俺を見つめるセリーが居た。

 

 「あ、ああ、この荷車の構造が気になってね。

  計画書の方も取り敢えずひと区切りついたので、マリスと合流した所だよ。」

 

 「そうでしたか。 なら丁度良かったです。

  実は例のモンスター・ゴムについてですが、つい先日に目撃したという情報が有りましたよ。

  丁度みなさんお揃いですし、早速報告を行いたいのですが。」

  

 「あ、じゃあ僕おなかも空いたし、お昼ごはん食べながらでどう?」

 

 マリスが手を上げ提案する。

 

 「いいですね。 ここの来る道中、合流してから皆でお昼にしようかとお話してた所ですし。」

 

 「マリリさんとマリスさんに賛成です。」

 

 「じゃぁそうしようか。 マリス、例の食材なんだけど見つかった?」

 

 「うんあったよ!無事ゲットしたよ。」

 

 親指を立ててガッツポーズをとるマリス。

 

 「よし、じゃぁ今日のお昼は俺が皆にお礼を兼ねて作るよ。

  まぁ簡単なものしか出来ないけど、一応俺が元居た世界のを」

 

 「「「やった!」」」

 

 喜ぶ3人と一緒に、俺たちは一旦家に帰る事にした。

 


いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

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