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第2章 35話 もう少しだけ、このままで居てもいいですか・・。

 昨日酒の勢いに任せて自制心を失いかけ、あわやの所で睡魔により救われ過ち?を犯しかけ『反省』とかなんとか言っていた俺だが、今のこのザマはなんだ?

 そりゃ、今回のは完全なハプニングではある。

 確実に防ぎ様が無かった。


 それに俺が脚が痺れて動けないマリリを無理に起こすと、マリリの脚に痺れ独特の激痛が走る。

 その状況で無理に動く事は出来ない。


 俺の股の間にマリリの太もも。

 押し付けられるマリリの胸。

 完全な不可抗力だ・・・だよな?


 そして思い出される、昨晩のマリリとセリーとの出来事が。

 もう避けようがない。

 はっきりと分かる、力の入ったアレが脈打つように僅かに動く。


 マリリが俺の左手首を掴みながら「あっ・・」とか言った。

 あーあ、完全に気づいちゃってるよな。

 

 「ごめん、マリリ。」


 俺はぽつりと呟く。

 誤りはしたものの、このシチュエーションで反応するなと言う方がどう考えても無理が有る。


 「・・・、大丈夫、ですよ。」


 マリリが応える。

 少し声が震えている。

 俺は申し訳ないと同時に、そのマリリのか細い声に余計に興奮を覚えた。


 ・・・。


 もうこの体勢で3分位はたったんじゃないだろうか?

 恐らくマリリの脚の痺れも引いているはずだが、マリリはまだ動こうとはしない。

 ずっとこのまま居たいが、そんな事をすれば確実にアレが爆発しそうなのでそろそろ起きなくては・・・。


 俺がマリリの体を起こそうとゆっくりと起き上がろうとすると、マリリが掴んだ俺の手首から手を離し、今度は俺の手を握りなおす。


 一瞬、何が起きたのか分からず俺の思考回路は停止する。


 「え、えーっと、マリリ?」


 「・・・このまま・・・もう少しだけ、このままで居てもいいですか・・。」


 聞き間違いで無ければ、『このまま』って言った・・・言った。

 まさか朝から酔っているのか?と一瞬思ったが、それは無い。

 だとしたら、マジなのか・・。


 「ん、いいよ。 俺もう少しマリリを感じていたい。」


 やっちまった・・・。

 つい出てしまった、心の声が。

 俺は朝っぱらから、何を調子に乗った事を言っちゃってるんだ?

 当然だが酔ってなんていないので、今回ばかりは酒のせいにも出来ないよ?


 「ありがとうございます。」


 マリリが俺の耳元で呟く。

 吐息が俺の耳にかかり、思わずビクッとしてしまった。


 何やってんだ俺、いい年こいたおっさんが朝っぱらから。

 しかもちょっと前にマリスに謝ったばかりなのに、なんか言ってる事とやってる事が正反対なんだか。


 「ふふっ。」


 俺がビクッとした反応を見てか、マリリが少し笑う。

 あーもうどうにでも成れだ!


 俺は握り合った手を離さないように、ギュッと力を入れた。

 そして空いた方の右手でマリリの左脇腹を軽くくすぐる。


 「笑ったお返し。」


 「ひゃっ!?あはは、やだ、大地さんくすぐったい!あはは」


 俺の上に乗ったまま悶えるマリリ。

 くすぐりから逃れようと体を起こそうとするが、握った手を引きそれを阻止。


 「もう、こうなったら私もお返しです!」


 そう言いながらマリリも空いた方の手で俺の脇腹を攻めてくる。


 「う、ははは、マリリ、くっ、こそばい、あはは。」


 お互いくすぐり合い合戦。

 もう完全にいちゃつく恋人同士だ。


 マリリが動くと当然、その柔らかな胸が俺に押し付けられる。

 そして股の間の太ももは、俺の固く成ったアレを容赦なく刺激する。

 

 次に俺はマリリの左脇を攻める。


 「はぁ、あん、そこは反則です・・・。ん、あ。」


 より悶えるマリリ。

 脚をバタつかせるものだから、アレに押し付けられた太ももがよりグリグリと激しさを増す。

 これは色々マズイが、男として今更手が止まらない。


 マリリも同じ様に応戦してくる。

 思わずマリリの手を防ごうと右手でマリリの手を掴む。


 「あっ・・・」


 一瞬だけマリリの動きが止まる。


 やっちまったー!


 手が滑った勢いで、俺の手の平がマリリの胸を捉える。

 ぽやん!としたその感触は、俺が今まで感じた事が無い程の至福の柔らかさだった。

 

 恥ずかしそうに俺の手を見つめるマリリ。


 はっきり言って我慢の限界だ。

 このまま続ければ、確実に発射は免れない。

 流石にそれはヤバイ。


 「マ、マリリ、ギブ・・・ギブアップ。 俺の負けだ。」


 「やった!私の勝ちです!」


 マリリは誇らしげに体を起こす。


 くすぐり合い勝負はマリリの勝ちと言うことで、俺達は起き上がりソファーに座り直した。


 「次は俺が勝つよ。」


 「ふふ、次も私が勝ちますよ!」


 言っておいて何だが、次も有る事に俺は心の中で思いっきりガッツポーズを取った。

 勿論、俺のアレはずっとガッツポーズを取ったままだ。


 座りなおしてた俺達は、どちらからと言うわけでも無く自然に手を繋ぎ合う。


 手を握り合った俺達は何度も互いを確かめ合うように手に軽く力を込める。


 鎮まり帰った2人だけの空間。

 この状況、どう考えても次に取るべき行動は・・・

 俺の思考回路にフルブーストがかかる。


 心臓はもうバクバクだ。

 俺はちらっとマリリの様子を伺う。


 マリリも何かを察しているかの様に、頬を赤らめ無言のままだ。

 だが、互いに手は強く握り合っている。


 「マリリ・・・。」


 「大地・・・さん。」


 これ以上の余計な言葉は要らない。

 俺とマリリがゆっくりと向かい合う。


 ・・・・。


 ・・・。


 ・・。


 ・。


 !!!!!


 突然、外から物音が聞こえる。


 俺とマリリは驚き握り合った手を離し、少し離れる。

 そして間髪入れず玄関のドアが開く。


 「ただいまー!大地、お姉ちゃん居る?」


 元気よくマリスが家に入ってきた。


 一瞬にして全てを悟った俺とマリリは、あたかも作業を続けてた風にペンを手に取っていた。


 「あぁ、居るよ、おかえりマリス。」


 「おかえりなさい、ど、どうしたの?」


 「ミトンさんの時間だけ先に押さえといたから、それを伝えに来たよ!

  夕方前くらいなら大丈夫だって!って2人共なんだか顔が赤いけどどうしたの?」


 「そ、そうか? 集中し過ぎて知恵熱かな?

  それよりもミトンさんの予定押さえるの、ありがとう! こっちもだいぶ資料出来たから夕方なら間に合いそうだ。」

  

  取り敢えずありきたりな返し方だが、なんとか切り抜けた。

  俺もマリリも内心ドキドキだ。


 「うんわかった! それじゃ僕は買い物の続き行ってくるね!」


 「行ってらっしゃい!気をつけてね。」


 マリスがドアを閉め走り去る音が聞こえる。

 やがて音が聞こえなくなった辺りで、2人して安堵のため息を付く。


 「だ、ダメですね。 マリスが一生懸命動いている時に私ったら・・・。」


 「いや、俺もまた調子に乗っちゃって・・・マリスに申し訳ない。」


 「もう一頑張りしましょうか?」


 「だな。」


 俺とマリリは再びペンを取り、紙に走らせた。


いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

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