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第2章 32話 僕も・・・おねえちゃん達みたいに・・・。

 「「お待たせしました。」」


 いつもの見慣れた服装に着替えたマリリとセリーが一旦俺の部屋に戻って来た。

 こちらの方がやはり落ち着く。


 着替えている最中に、俺なりに色々考えた。


 何か作戦的な事ものでも練った方が良いかとも思ったが、そもそもは俺がもっとしっかりしていればマリスに誤解を与える様な事にはならなかったので、ここは正直に正面から行くべきだろう。

 それにセリーも言っていたが、やはり半分は誤解でも無いと言えば・・・無いか・・・。


 もしあの状態で俺とマリリ・セリーの3人とも眠気にやられなければ、まぁそのなんというか、確実にその先の行為に発展していたかも知れない。

 いや確実にしていたであろう。

 

 俺だって男だ。

 おまけにアラフォーのおっさんだ。


 マリリとセリーを相手にあのシチュエーション、我慢が出来る自信などハッキリ言って皆無だ。

 こちらの異世界に来てから・・・、いや来る前から色々と溜まっている。

 確かに異世界での生活は毎日が色々と刺激の連続でそれだけでも発散される物は有るが、それと反比例する様にあっちの方の欲求はより増しているのも事実だ。


 ひょっとするとあっちの欲求、もっと直接的な言い方をすれば、下のアレの反応度合いや具合はかなり若返っているのでは無いかと日々感じる。

 勿論マリリ達、女性陣が魅力的過ぎるというのも一理有る。

 

 異世界効果とでも言おうか、ひょっとするとこの異世界から戻って来たばーちゃんが年齢と釣り合わない身体能力を有していたのも、ここら辺にヒントが有るのでは無いだろうか・・・。


 と、少し脱線した。

 マリスの心を傷つけてしまった事への謝罪だ。


 14歳・・・日本で言うならば中学生。

 一番デリケートな年頃だろう。

 男女の事や性に関する様な事なら、そのデリケートさは倍では無く二乗と考えても良い。

 状況によっては、二乗どころか四乗か・・・。


 「よし、行こうか!」


 俺達3人は向かいのマリスの部屋に向かった。


 「マリス居るか? 大地だ。」


 声を掛けつつノックを2、3回行う。

 予想通り反応は無い。

 まぁ想定の範囲内だ。


 「マリス、開けてちょうだい」


 「マリスさん、お願いします」


 マリリとセリーも後に続く。

 返答は無いが、ベッドが僅かに軋む音が聞こえるので確実に居るだろう。


 「マリスそのままで良いから聞いて欲しい。

  さっきの事、マリリとセリーは悪くない。

  本来なら俺がしっかりしていなければ成らない所、お酒のせいでは無いが、俺が自分自身の弱さに負けた結果ああなってしまった。

  反省している。」


 返事は無いがそのまま続ける。


 「只、さっきの様な事の後で信じられないとは思うが、そのなんだ、決して一線は越えていない。

  俺も男だ、正直言うと越えたい気持ちも有ったのは事実だ。

  

  だがそれは無かった。

  

  マリスの心を傷つけてしまった事には変わらない。

  マリス・・・ごめん。」


 再びベッドが軋む様な音が聞こえる。

 するとマリスの部屋のドアがゆっくりと少しだけ開き、その隙間からマリスがこちらを覗く様に様子を伺う。


 「マリス、ごめんなさい。」


 「マリスさんごめんね。」


 マリリとセリーが続く。


 「マリス、俺の事は許してくれなくても良いが、2人の事だけは許してあげて欲しい。

  その為なら俺は何だってする。」


 こんなシチュエーションの経験が無い俺は、情けなくもチープな言葉しか出て来ないが精一杯の誠意を込めた。


 すると僅かに開いたドアが一度静かに閉まる。

 ダメかと思ったが、30秒としないうちにゆっくりと大きく開いた。


 「マリス、ごめんな。」


 俺は改めてマリスに頭を下げた。


 少しの間を置いてマリスが口を開く。


 「・・ううん、僕こそごめん。

  大地の気持ちは分かったよ。 ちょっとショックだっただけだから。

  怒ってなんて居ないから。」


 マリスが俺の瞳を見つめる。

 再び少しの間。


 「うん、僕もう大丈夫。」


 「そうか、良かった。 本当にごめんな。」


 するとマリスが一歩前へ出て俺の服の裾をちょこんとつまむ。


 「ん、うん?」


 「ね、本当?

  さっき大地が言った、何でもするって事。」


 「ああ、俺に出来る事なら。」


 マリスの心を傷付けてしまった償いになるのなら安いものだ。


 「じゃあ僕も・・・おねえちゃん達みたいに僕も・・・。」

 

 頬を赤らめながら呟くマリス。

 

 「「「え!?」」」

 

 ハモル俺とマリリとセリー。

 俺達は互いに顔を見合わせ、昨晩の事を思い出し赤面する。

 

 「やっぱり、ぼ・・・僕はダメなの?」

 

 再び泣きそうになるマリス。

 

 マリリと顔を見合わせ、マリリが覚悟を決めた様に頷く。

 俺も覚悟を決めた。

 一線は絶対に越えないにしろ、昨晩の出来事の様な事をマリスと2人でする事を。

 

 ヤバい。

 この状況にも関わらずちょっと想像しただけで、アレに力が入り出すのをはっきりと感じる。

 一線のその手前で抑え切れるだろうか?

 いや、だろうか?じゃ無い。

 

 抑えなければいけない!!

  

 「ダメじゃ無い。 マリスが良いのなら。」

 

 「やった!じゃ、じゃぁ、今晩さっそく・・・」

 

 嬉しそうに俺の腕を掴むマリス。

 マリスってこんなにもおませさんだっただろうか?

 ひょっとするとこの前、トイレでマリスの裸を見た事が原因かも知れない。

 どっちにしても俺の責任だな。

 

 「・・・今晩さっそく、大地のお布団で一緒におやすみする!」

 

 俺の腕を掴んだまま、満面の笑みで俺の顔を見上げるマリス。

 

 ・・・・・。

 

 「「「へ!?」」」

 

 思わず再び顔を見合わせる、俺とマリリとセリー。

 そしてマリスの言う『おねえちゃん達みたいに・・・』の意味がやっと理解できた俺達3人。

 そしてほっと胸を撫で下ろす。

 

 「よし!じゃぁ今日は一緒に寝ようか!」

 

 「うん!約束だよ!」

 

 単に一緒の布団で寝るだけ。

 勝手にえっちな方向に想像とアレを膨らませてしまっていた、自分が恥ずかしく情けない。

 

 俺はマリスの頭を優しく撫でた。

 

いつもお読み頂きありがとうございます。

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