表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/257

第2章 25話 大地さんに魔法攻撃をすれば分かりますね。

本日2回目の投稿です。

宜しくお願い致します。

 「へぇ、これはあっさりしながらもしっかりコクがありますね。」


 「うん、大地がこんなの作れるなんて以外だにゃ。おかわりにゃ!」


 「おお、ありがとう。」


 メリルから器を受け取り、おかわりを注ぐ。

 てっとり早く作った割には喜んで貰えた様で何よりだ。

 時間があればもう少しじっくりと煮込みたかった所だが、まぁ上出来だろう。


 なんやかんやと和やかムードの中、ローテーブルの上の料理も殆ど平らげみんな満腹の様だ。

 おかげさまでポトフは完売状態だ。


 デザートにマリリがリンゴ・・・この世界では何故かアップルという英語名称だったな、を剥いてくれた。

 俗に言うウサギさん剥きなところが、マリリらしくてとても可愛い。


 「大地、アップル見ながら何ニヤニヤしてんの?キモいよ?」


 マリスの容赦無いツッコミが入る。


 「いや、まぁあれだ、気にするな。」

 

 気にするなと言っても俺は気にする。

 流石に『キモイ』の表現は酷いと思う。

 悲しい。


 「にしても大地に闇属性魔法の耐性が有るのには驚きにゃ。

  ひょっとして他の魔法に対しても耐性あったりするのにゃ?」


 メリルが口いっぱいにリンゴを頬張りつつ質問する。


 「どうだろうな。今までに何気に魔法攻撃って、あの時の魔族以外で殆ど無かったしなぁ。

  マリリやマリスのヒールは普通に効果が有るし、そう考えると水系の魔法に関しては耐性は無いんかな?

  それとも回復魔法に関しては、別とか? うーん、わからん。」


 「では、ちょっと大地さんに魔法攻撃すれば分かりますね。」


 さらっと恐ろしい事を言うセリー。


 良く見ると良く見なくても何気に目が座ってらっしゃる・・・完全に酔ってんじゃねーか。

 アルコール度数が表記されていないかと、セリーが飲んでたお酒のボトルに貼られた手書きのラベルを確認する。

 

 やっぱり読めない。

 読めないので、マリリにお願いして読んでもらう。


 「ふえ?えーとですね・・・うーん、お酒の強さは『ランク3』って書いてますねー。 高いですねー、うふふ。」

 

 マリリのこのしゃべり方、確実に酔ってるな。

 

 どうやら俺が何度かポトフのおかわりを入れに席を立ってる間に、セリーに進められて飲んでたらしい。

 という事は、酔っぱらった状態でリンゴをむいていたとか危険すぎる。

 まぁヒールの魔法が有れば大丈夫だろうが、やはり怪我をしたら心配だ。



 「ランク3???つまりそれって強いの?」

 

 「えーと、お酒の強さはですねー、7段階にー分かれてます。 7が最高なのでー、3はー調度中間よりー・・・少し低い位ですねー。」

 

 「ふむふむ、って事は、ランク7を度数100と考えれば、ランク3は単純に計算すると・・・42~43度・・・!?」


 それって確実に一般的なウイスキーと同じ位じゃ無いか。

 いくらこの異世界の法律では16歳からお酒が飲めるとは言え、マリリにはきつ過ぎるだろ・・・。

 下手したら急性アルコール中毒になってしまう。

 

 「ちょ、ちょっとまてマリリ、幾らなんでもこの酒はマリリの年齢にはきつ過ぎる。急性アルコール中毒で倒れる。」

 

 慌てて止めに入ろうとするが、ジェスチャーで大丈夫と訴えるマリリ。

 ダメだ、酔うと完全に人格が変わるタイプか。


 するとセリーがグラスを机の上に置き、右手をローテーブル越しに俺の肩にポンと置く。

 

 「大地さん、大丈夫です。

  マリリさんのおじい様はエルフ族でしたので、当然マリリさんもエルフ族の血が混ざってます。

  エルフ族は古来より非常にお酒に強い内臓を持っていますので、まだ16歳のマリリさんでも普通の人間の大人よりは全然強いです。」

  

 どうだと言わんばかりに自信満々のセリー。

 いや、どうみてもこの酔い方からして、マリリはお酒に弱そうなんだが。

 

 そこの所を突っ込むと「酔った時の反応と、エルフ族のアルコールの分解能力は違う。」とセリーは言う。

 この異世界の住人であるセリーが言うのなら、そうなのかも知れない。

 

 まぁ確かに本物のエルフ族の事なんて知らない・・・ん?

 

 ・・・???

 

 「あれ?マリリとマリスってエルフ族なの??」

 

 「うんそーだよ、言ってなかったっけ?

  正確には、エルフ族の血が混ざってるってだけだから、純粋なエルフ族じゃ無いけどね。」

 

 リンゴを咥えながらマリスが答える。

 

 「そーなのれす!(です)

  私とマリスの魔法力がひゃかい(高い)のは、それも有るんひゃお(だよ)」

 

 自慢げにピースまでしてる上に軽く呂律が回ってない所を見ると、マリリは明らかに酔いすぎだ。

 

 「はい、おねーちゃん、お水飲んで。

  大地が初の指名依頼を受けて嬉しいからって、ちょっと飲みすぎだよ!」

  

 「ひゃい(はい)」

 

 マリスが差し出した水のグラスを素直に受け取り、素直に水を飲み干すマリリ。

 マリスに注意され、ちょっとシュンとした所がまた可愛い。

 今回ばかりはいつもと立場が逆転している様だ。

 

 「エルフ族の血が混ざってるって事は、ご両親のどちらかがって事なのか?」

 

 「うん、そうだよ。

  おばあちゃんは大地も知っての通り、大地のおばあちゃん・・つまり大地の居た世界の普通の人族だけど、おじいちゃんはエルフ族なんだ。

  その2人の間に生まれたのが僕たちのお母さん・・・人族とエルフ族のハーフってヤツだね。

  だからお母さんも生まれつき魔法力が高くて、僕達姉妹の魔法の師匠でもあるんだよ!」

  

 「なるほど、そうだったのか。」

  

 「そ!それで僕たちのお父さんは普通の人族だから、僕達姉妹は、一応エルフ族の血が混じってる程度なんだ。

  だけど魔法力に関してはおじいちゃんのから受け継いだって感じかな。」

  

 まさかこの場でそんな話が聞けるなんて思って無かった。

 それに俺がこの異世界に、マリリとマリスの家に来てから2人の両親がずっと居ない状態だったので、敢えて聞かなかったというより聞けなかった内容だ。

 

 だが次のマリスの言葉を聞いて、俺は更に驚く事になる。

 


いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ