第2章 23話 なら、捕まえるしか無いな!
いつも通り午前中に投稿したかったのですが、少しバタバタしてしまい時間が取れませんでした。
「はい!先生、質問です!ゴムの樹って事は、あのゴムが木になるの?どういう事??」
マリスが挙手をして質問する。
「マリス君、良い質問だ!といい言いたい所だが、そもそもゴムが逃げるとか素速いとか意味がわからん。」
どうもマリス達の話から察するに生き物らしい。
セリーが『冒険者が遭遇』と言った事から、モンスターか動物の一種なのだろうか。
考え憎いが、そもそも魔法やモンスターや魔族やらが普通に存在するこの異世界なら、あり得なくも無い話だ。
「質問に質問で返してすまないが、ひょっとしてゴムってモンスターか何か??」
「そうですよ。王都でも存在はしているものの、加工された物はまず手に入らないと聞きます。
以前に王都にマリスと行った時に聞いた話だと僅かながらお城に有るという話を聞きましたが、かなり厳重に警備されていてお城に勤める人でも実際に見た事がある人も殆どいないとか。
なのでゴム自体は有るには有るのですが、手に入れるのはかなり難しいかと思います。」
質問にマリリが答える。
「それは絶望的に入手出来そうに無いな・・・
だとしたら、モンスターであるゴムを捕獲するしか無いか。
でも、そこまで希少価値が高いのなら一般人がモンスター・ゴムを捕まえるのとか扱うのって、法律とかで規制されてたりするの?」
「それは無いとギルドの資料にも記されていました。
何せ殆ど入手も捕獲も不可能に近いそうなので。」
「ふむ・・・良し、なら捕まえるしか無いな!」
「「「ええっ!?」」」
3人が驚いた様に立ち上がる。
「お、おお!?そ、そんなに驚かなくても。」
「だって、幻のモンスターなんて二つ名があるモンスターですよ!驚きます!」
「ええ、それに、実態を持たない幻影・・・なんて噂まで有るほどです。」
「うーん、でもマリスは実際に一度見た事があるんだよね?」
「う、うん。でも黒かったし。それこそセリーの絵の様に、大地が言う潰れた饅頭みたいのだったから、自信が無いと言えば無い・・・かも。」
潰れた饅頭表現に、またしても軽くショックを受けるセリー。
「ふむ、潰れた饅頭はさておいて、ギルドの資料にも記載はされているんだよね?
で、尚且つ、この村の冒険者の目撃情報も一応は有る・・・と。
それに王都・・・見れる見れ無いは別として、お城に保管されているんだよね?」
マリリとセリーが頷く。
「なら、居るんじゃ無いかな? そのゴムというモンスターは。
とは言え納期・・・製作期限の関係も有るから捕獲に掛ける事が出来る時間も限られているけど、試してみる価値は有るかと思う。
どうかな?」
「そうですね、もしかしたら・・・って事も有りますし、何事もやってみないと分からないですよね!」
マリリに続いてマリスとセリーが頷く。
「よし、じゃぁ満場一致という事で、後日『ゴム』の捕獲作戦実行と行こうか!」
「「「はい!」」」
「じゃぁ、次の項目だね。次はそうだな・・・」
「はい、先生!いいですか?」
「まい、マリリさん、どうぞ。」
マリリまでマリスの真似をして先生とか言ってくる。
中高生程の年齢の美少女に先生と呼ばれるのも悪くない、いやむしろ何かこう、そそられるものが有る!
「日差しと雨風は、女の子の大敵です!」
「はい、先生、マリリさんに続いて私もいいですか?」
何故か少し低いトーンでセリーが手を上げる。
「あ、はいセリーさんどうぞ。」
と言いつつも、少し身構える俺。
「鼻の下伸びてますよ・・・それは良いのですが、私はたまにしか同乗しないですが、荷室の暑さも同上者として女性としてなんとかして貰いたいものです。」
それは良いと言いつつも、しっかり言う辺りが厳しい。
軽くダメージを喰らいつつも2人のコメントに応える。
「それについても考えは有る。
イメージとしてはこんな感じで操舵者の前に風防を・・・日差しについては格納式の幌を・・・幌の骨部分は折りたためる様にすればイケると思う。」
なるべく分かりやすい様に、斜め視点の立体図に加えて、正面と側面からの構図も描いて説明をする。
「はえー、やっぱり大地、絵が上手だね。」
「ええ、凄いですね大地さん。」
「大地さんは前の世界では絵も描いていたのですか?」
「いや特に絵を描いていたとかじゃ無いんだけど、仕事上、打合せで簡略図とか描く事が有るからある程度慣れているだけだよ。」
「はー、凄いですね。」
そんな感じで3人の希望をもっと聞きつつ、絵に加筆を繰り返していく。
ふと時計を見ると時刻は既に18時に差し掛かろうとしていた。
「良い頃合いだし、今日はこの辺にしてそろそろ夕ご飯にしようか?」
「「「賛成です!お腹すきました。」」」
という事で俺達4人は、家に移動する事となった。
いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。