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第2章 20話 作業場所の確認

 食事を終えた俺達4人は、午後のミーティング場所に向かう。


 午後のミーティング場所は、俺達の家の予定だ。

 ギルド酒場だと周りの声など雑音により集中出来そうに無いからだ。

 それに一般公募に出ていない指名依頼の内容を関係者以外に聞かれるのも、その内容にも寄るが余り良いとは思えない。


 セリーは何度か俺がこの異世界に来る以前から家に遊びに来た事が有るそうだが、なんだか少し嬉しそうだ。


 家でミーティングをしようと決まった時、『異世界人である大地さんのお部屋を確認する必要があります!』なんてちょっと意味不明な事を言っていたが適当に流しておいた。


 路地を抜けギルドの前に位置するメインストリートへ出ると、傍らから俺達4人に声を掛けてきた人物が居た。

 シャオの部下のミン・レイトだった。


 俺達を探していたらしく、ギルドに来たがセリーも当然居なかったのでこれら探しに行こうとギルドから出てきた所だったらしい。


 「えっとミンさん?(妹の方だったよな・・・) どうかしましたか?」


 ミンなのかユンなのか若干自信が無かったが、どうやら合っていた様でほっとした。


 「この度、皆さまにお引き受け頂きました『スペシャルな荷馬車』の製作にご利用して頂きます場所ですが、段取りが整いましたのでそのご連絡に参りました。」

 

 流石シャオ、仕事が速い。

 にしても、今ここで『スペシャル』を強調する必要って有るのだろうか?

 

 「ありがとうございます。今から確認って出来ますか?」

 

 「はい、皆さまのご都合が宜しければ、そのつもりで伺いました。では早速ご案内させて頂きます。」

 

 俺達はミンの後に付いて、製作作業場所の確認に向かった。

 

 

 

 「こちらの棟になります。 どうぞ、中へ。」

 

 案内された製作作業場所・・・製作現場とでも呼ぼうかは、この村の南東の端に位置する倉庫区画に設けられている。

 規模に若干の大小は有るもののほぼ同じ造りの棟が20棟並んでおり、その内の1棟、建坪としては60坪ほどの大きな棟に案内された。

 部分的に2階になっているその建物は、レンガ作りの壁に赤い三角屋根、正面の屋根付近の丸いガラス窓がなんとも可愛らしい建物だ。

 

 「やあ、来たね!待っていたよ!」

 

 案内され中に入ると、シャオとユンが待っていた。

 

 「ここは我々レープ商会が年間契約で借りている倉庫ですが、今回、大地殿に『スペシャルな荷馬車』を製作して貰うのに調度良いかと思って、どうかな?」

  

 毎回こうもスペシャルと強調されると、そこはかとなくプレッシャーを感じるのだが、なるべく気にはしないでおこう。

 確かに今この異世界に存在する様な、言っては悪いが普通の荷馬車を作ろうとは思ってもい無いので。

 

 「どうも何も、想像以上に良い所ですね。 なんだか申し訳無い限りで・・・有り難く使用させて頂きます。」

 

 「それは良かった。 

  業務上必要とは言え、以前からただ倉庫としての利用だけで寝かしておくには少々勿体無いと思っていたのでね、今回はレープ商会としても良い機会だよ。

  ああ、それと、荷馬車の修理に使用する工具類はある程度あそこの箱の中に有るから、自由に使ってくれて構いませんよ。」

  

 シャオの言う大きな箱の中を確認する。

 ざっとだけ見たが、そこそこの数の工具が揃っている様だ。

 とは言え、流石にというか当然というか、電動工具やエアー工具はやはり存在しないがそれは仕方が無い。

 

 「他に必要な物が有れば、遠慮なく言ってくれて構わないよ。

  恐らく大地殿の居た世界に比べたら、こういった物は種類が少なすぎて色々と不便が有ると思うからね。」

  

 「何から何までありがとうございます。 早速、今日からこちらを使わせて頂きます!」

 

 

 打合せに使えるようなテーブルも椅子も有るので、早速このまま午後のミーティングを行う事になった。

 

 セリーが些か残念そうではあったので、今日の夕食はセリーも交えて家で食べる事にした。

 


いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

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