第2章 13話 大地の匂いがする・・・。
『マリリとマリスの会話』
「とりあえず、大地の部屋へ行って確かめよう!」
「とりあえず、大地さんのお部屋に行って確かめてみようかな。」
「大地の部屋は何度も入ってるけど・・・」
「大地さんのお部屋は何度も入ってるけど・・・」
「「なんかドキドキする。」」
『『ガチャ!』』
「「え??」」
「マ、マリス!?」
「え?お姉ちゃん!?」
「ど、どうしたの?こんな夜中に?」
「お、お姉ちゃんこそ・・・。」
・・・・・。
「「あ、あの・・」」
・・・・・。
「やっぱり、誰か居たわよね。見間違いじゃ無かったんだ。」
「そっか、お姉ちゃんも見たんなら確実だね。」
「ええ、でも後ろ姿だったから、大地さんかどうかははっきりと分からなかったけどね。」
「うん、僕も気がついた時は後ろ姿だったから・・・特に武具類は装備して無かった様に見えるけど。」
「もしあれが大地じゃ無かったら・・・。」
「ええ、とにかく大地さんが居るか確かめましょう。」
「うん、賛成!」
「ノックするわね・・・大地さん、大地さん、こんな時間にすみません、起きてますか?」
「大地、居る?起きてる?」
・・・・・。
「返事・・・ないね?」
「だね。は、入ってみようか?」
「う、うん、じゃ、じゃあお姉ちゃんからどうぞ。」
「マ、マリスこそお先にどうぞ。」
「え、ええ、な、なんか恥ずかしい。じゃ、一緒に入ろうよ。」
「わかったわ、そうしましょう。」
「「し、失礼しまーす・・・。大地・・・」」
「居ないね。」
「居ないわね。」
「あ、大地の寝間着、置いてある。じゃあやっぱりあれは大地だったのかな?」
「みたいね・・・。って、ちょ、ちょっとマリス!?な、何してるのよ!」
「大地の匂いがする・・・・。ふふ・・・。」
「・・・・・。ほんとだ、大地さんの匂い。なんだがとっても落ち着く・・・。」
・・・・・。
「おーい、おねーちゃーん。いつまで大地の寝間着に顔うずめてんのー?・・・大地帰ってきたら言っちゃお。」
「ひゃっ!?ちょ、ちょっとマリスな、何言ってるのよ!って、マリスだってやってたじゃない!」
「僕、そんな事してないもーん。」
「も、もう!マリスのいじわる・・・。」
・・・・・。
「大地帰って来ないね。」
「うん、ね、マリスは大地さんのあの力、どう思う?」
「おばあちゃんも大地と同じ様に闇属性魔法への耐性が有ったって、昔お母さんが言ってたよね。」
「ええ、それよりもあの魔族の攻撃を防いだ力・・・いくら私達が身体強化の魔法を掛けたからって、とても反応出来る速度じゃ無かった。」
「うん、それは僕も思ったよ。最初の1撃目だけなら予想でのまぐれも有るかも知れないけど、2回目の下からの攻撃・・・いくらなんでもあれは予想出来ないと思う。」
「そうよね。それにギリギリだったけど、大地さんは確実に避けてた。」
「あれは普通の人間が反応出来る速度じゃ無いよ。」
「私もそう思うわ。大地さんの居た世界の話を聞いた限りでは、あちらの世界も私達の世界も、人間の身体能力には差は無い様だし。大地さん的には、私達の世界の人間の方が身体能力が高いって言ってたけど。」
「うーん、大地を見てる限りそうも思えないよね。剣技の習得も異常に早いし。」
「やっぱりお祖母様についで大地さんまで私達の世界に来て、私達の前に現れたって事は、やはり意味が有るのかも知れないわね。今の所、大地さんが見た『影の人物』が大地さんを私達の世界に転移させたのは確実の様だし、ひょっとするとお祖母様がこの世界に来たのにもその影の人物が関係してるのかも知れないわね。」
「うん・・・ふわぁ・・・。」
「ん、まだ真夜中だし、お布団に戻りましょうか。そのうち大地さんも帰って来るでしょうし。」
「うん、そうだね。」
「じゃ、マリスおやすみ。」
「うん、お姉ちゃんおやすみ。
そして再び2人は再び眠りについた。
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