第2章 4話 だ、大地・・・の・・・えっち・・・。
逃げ場の無い大地!
迫りくるピンチの先に待ち構えていたものとは!?
どれ位の時間が経っただろうか。
マリリとマリスが魔法を唱える声が聞こえる。
ドライヤーなんてものがこの異世界に当然有るはずがなく、マリリ達がお風呂上がりに髪を乾かす時は魔法を使っている。
乾燥させる魔法は風属性の魔法なのだが、マリスは当然ながら何気にマリリも風属性の魔法が使える。
マリリが普段、水属性の魔法を主としているのはそちらの方が得意だからと言っていた。
逆にマリスも多少の水属性の魔法が使えるそうだが、いつも風属性の魔法を主としている理由はマリリと同じらしい。
だが今の俺にとっては、そんな事はどうでも良い。
とにかく今は2人がこのトイレのドアを開けること無く、脱衣所から出て行ってくれる事を祈るばかり。
勿論、リビングとかで風呂場方向から来る俺と鉢合わせになれば怪しいにも程があるが、とりあえずそれは次の問題だ。
まずはこの状況を打破する!それが先決だ。
「じゃ、私先に出るわね。一旦部屋に戻るけど、後で大地さんも呼んでお昼寝する前に少しだけお茶しましょ。」
マリリの声だ。
俺は心のなかでガッツポーズをした!
よし、もう少しだ、もう少しでこのピンチを乗り切られる!
だが、現実は非情だった。
「うん、わかった後でね。なんかトイレ行きたくなっちゃったから、僕トイレ済ませてから行くよ。」
終わった・・・。
マリスの声だ。
俺は天に願った、マリスの気が変わりトイレに来ない事を。
しかし天は俺の願いを聞き入れる事は、無常にも無かったのだった・・・
トイレのドアが開いた。
そこにはパンツ姿のマリスが立っていた。
さっき見た縞パンとは違う、可愛らしい小さいリボンの付いた白いパンツを履いて。
固まった、俺とマリスの時間が。
まるで凍結魔法でも発動したかのように、トイレという限られた空間が冷たく凍りついた様だ。
30秒位だろうかマリスが我に返った様に呟く。
「え?だ、だい・・ち・・・?」
「あ、お、おう、いや違うんだ、トイレに来ただけなんだ。そしたら偶然・・・だから別にやましい事とかそんなんじゃ無いからな。」
とりあえず俺は慌てて取り繕う。
だがそこでマリスは改めて自分の格好に気がついた。
そう、今のマリスはパンツ一枚のみで上半身は裸・・・つまり胸も丸見えだ。
マリリの様に服を着ていても大きいと分かる程ではないが、確実に14歳という成長段階のその胸の微妙な膨らみは、逆に途轍もないエロスを感じる。
しかも、まさかトイレの中に俺が居るなんて想像もしていなかったマリスは、当然ながら無防備にも程がある状態で、成長過程の膨らみの先端に位置するそのピンク色の突起を露呈していた。
一気にマリスの顔が耳まで真っ赤になり、慌てて左手で胸を、右手でパンツを隠すようにその場にしゃがみ込む。
それと同時に俺のアレは嘗て無い程に、全力で主張を始める。
「す、すまんマリス。態とじゃない!何も見たけど、何も見て無いから!」
俺は左手で目を覆い慌てて取り繕う。
だが、これでもか!!!と言わんばかりの主張をする俺のアレは、堂々と大型のテントを設営していた。
マリスは胸を隠す様にしゃがみこんだままだ。
これはどうするのが正解なのか、どれだけ頭を回転させても答えは出てこない。
するとマリスが口を開いた。
「だ、大地・・・の・・・えっち・・・。」
普段のマリスからは想像出来ないほどの、乙女のような可愛い恥じらいに俺は鼻血が吹き出そうだった。
しゃがんだマリスの視線の高さと、俺のテントの設営位置が絶妙なポジション過ぎて、思わず良からぬ想像が頭の中を掛けめぐる。
このままでは鼻血どころか、白い別物まで発射してしまいそうだ。
「ご、ごめん、ほんと態とじゃ無いから。」
暫しの沈黙。
この沈黙の時間が苦しい。
するとマリスが胸を隠したまま、ゆっくりと立ち上がりトイレの中に一歩踏み込む。
俺は生唾を飲み込んだ。
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