第45話 見えない襲撃者
間一髪の所で敵の襲撃を退けたアラフォー大地達に、再び敵の手が襲いかかる!?
⇒人物名に一部誤りがありましたので、修正いたしました。
馬車の左側に居るのは、マルベでは無くカチートです。
「あれ?マリス?来る時、こんな道通ったっけ??」
なんとなく違和感を感じた俺が呟やくと、マリリとマリスが何かに気が付いた様に辺りを見回す。
「おねえちゃん・・・」
「ええ、油断したわ・・・というより全く察知出来なかった。いえ、これ自体が敵の目的・・・ケルバウルフは囮だったのかも」
マリリとマリスは後続に合図を送り、馬車を停車させ用心深く辺りを見回す。
スコッパ達も状況に気が付いたらしく行商達には荷馬車から降りず幌内に隠れる様に指示し、剣を抜き行商の馬車を囲む様に左右と後方に陣形を組んだ。
俺達3人も馬車を降りる。
マリスが馬車の右側、俺とマリリが左側に構えた。
「ひょっとしてモンスター?いや、もっとヤバいなにか・・・か?」
俺と行商達のみが状況を理解できていない。
俺はマリリに小声で確認を取った。
「モンスターだと良いのですが、恐らく・・・後者です。」
今まで一緒に戦ってきた中で、マリリとマリスがここまで緊迫しているのは初めてだ。
ただ事では無いのは分かった。
プラチナクラスの2人でこの状態だ。
ブロンズクラスの俺なんかが戦える相手なのか?
やるしかない。
自然と体に力が入る。
『だめだ、だめだ、力を抜け。強張ってしまっては、感覚も反応も鈍る。』と自分に言い聞かせる。
一つ深く息をし、呼吸を整える。
何かは分からないが、例えようの無い違和感を感じる・・・来るか!?
最初に動いたのはスコッパの仲間、最後尾を見張っているマルベだ。
さすが彼もスコッパと同じゴールドクラス、いち早く敵を発見し斬りかかったか!?
だが現実は違った。
次の瞬間、地面に横たわるマルベの姿が有った。
意味が分からなかった。
何が起きたか全く分から無かった。
地面に横たわるマルベは、手に握ったままの剣を振りかぶる事すら無く静かに地面に倒れたのだ。
だがそれだけでは終わらなかった。
終わるハズが無かった。
スコッパのもう一人の仲間、カチートも膝から崩れ地面に倒れた。
訳が分からないまま、一瞬にして見えない敵に2人がやられた。
死んだのか!?
冷や汗が頬を伝い落ちるのを感じる。
今まで感じた事の無い恐怖感に襲われる。
カチートは俺やマリリと同じく、馬車の左側だ。
俺は警戒をしつつも地面に倒れているカチートに視線を向けると、僅かにカチートの体が動いているのが分かった。
血は・・・出ていない?
微かに苦しむような唸り声が聞こえるが、意識は無い様だ。
一体、何で攻撃されたんだ?
敵の姿が分からない上に、何故やられたのかも分からず、対処の使用が無い。
ただただ、不安感だけが積もって行く。
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