第35話 だ、だ、大地・・・さんの・・え・・えっち・・・
村についた時には21時を過ぎていた。
俺達3人はギルドに直行し、糞犬改め、お犬様を引渡し依頼完了の手続きを終えた頃には既に22時だった。
早朝から動きっぱなし、しかも午後は走りっぱなしだったので、疲れ切った俺達は動く気になれずギルド酒場の一角で少しうなだれていた。
マリリの眩しいばかりの純白パンツが脳裏に焼き付いた俺としては、思い出す度に体の一部のみ元気満タン状態だが。
「今日はもう遅いし、ここで軽く夕食を済ませようか?」
「そうですね、私もちょっと疲れました~。」
「僕もさんせ~い。お姉ちゃんのパンツ見た代として、大地のおごりね~。」
テーブルに伏せたままマリスが俺を指差す。
それと同時にマリリの顔が一瞬で真っ赤になった。
「ちょ、マリスさん?奢るのは全然良いんですけど、むしろ普段2人にはお世話になりっぱなしなので是非といった所だけど、まるで態とパンツ見たみたい言わないで下さいよ?ハプニングですよ?・・・最高だったけど。」
「ハプニングって割には凝視してたけどね~。」
ふとマリリと視線が合うと、マリリはこれでもかと言わんばかりに耳まで真っ赤にし、恥ずかしそうに両手で顔を隠し呟いた。
「だ、だ、大地・・・さんの・・え・・えっち・・・。はぅぅぅ。」
本日2回目のノックアウト。
只でさえ疲労困憊状態なのに、痛恨の一撃過ぎるマリリの反応に鼻血が止まらない。
そして只でされ元気な体の一部は、更なる次のステージへステップアップしてしまいそうな程に熱くなる。
「なんだなんだ、大地、おまえマリリちゃん泣かしてんのか?」
ニヤニヤしながらペティが水を運んでやってきた。
明らかに、弄ると面白そうな対象を見つけたと言わんばかりの嬉しそうな表情で。
「ちょ、ちょっとペティさんまで勘弁して下さいよ。」
「あはは、そう焦らなくても判ってるよ。マリリのパンツ見て興奮した事は。」
「は、はぅぅぅ。」
両手を下しかけたマリリがまた再び両手で顔を隠す。
「ちょ、ちょっとそれじゃ俺まるで只のエロオヤジじゃないですか!?もう勘弁してくれー。」
「事実だしー。僕見たしー。」
マリスが容赦ない追い打ちをかけて来るが、その顔は明らかに面白がっている。
確かにペティさんの言う通り、興奮した事には間違いないが。
それにもう少しマリリの可愛い反応を見ていたい気持ちは勿論ないしょだ。
「で、3人とも注文はどうするよ?時間も時間だし相当疲れてそうだから、手早く食べやすいの適当に作ろうか?」
「あ、はいお願い致します。」
「僕もまかせるー。」
「お、お願いします。」
マリリはまだ両手で顔を隠したまま、指の間からちらっと目を覗かせて答える。
くっそ、可愛い過ぎる・・・萌え死にさせる気だろうか。
「オーケー、じゃ、任せな。大地は性の付く物がいいか?」
「な、何言ってんすか!?ペティさんほんとそこらでご勘弁を。」
ペティは笑いながら厨房の方へ去って行く。
マリリのパンツが脳裏に焼き付いている今、性の付く物なんて食べたらそれこそ我慢出来なくなるのは間違いない。
場合によってはトイレに駆け込む事態に成りかねない。
「はいよー、クレストバードのふわ卵ライスと、角ネギのスープおまたせ。」
ペティが運んで来たのは、塩コショウが効いたチャーハンをふわふわの半熟卵で包んだ、オムライスの様な物だった。
オムライスと言うとケチャップライスのイメージが強いが、こちらの世界ではこれがスタンダードらしい。
クレストバードの卵は、俺の知る一般的な鶏の卵よりも甘みが強いのだが、ここに塩コショウの利いたチャーハンがピリリとアクセントになりベストマッチな組み合わせだ。
角ネギというのは四角い玉ねぎで、味は玉ねぎそのものだ。
「「「いただきます!」」」
腹ペコだった俺達は無言で食べ続け、あっという間に平らげた。
食後の紅茶も頂きそろそろ帰ろうかと言う所で、ギルド職員のセリーが小走りに俺達の所へやってきた。
その表情は珍しく困った様子だった。
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