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第4章 24話 メデューサのペンダント

本当に申し訳ありません、余りにも長期間更新を止めていました。

毎日、16時間以上(休憩1分もなし)状態で会社に拘束され、死にかけてました。

奇跡的にGWが取れましたので、なんとか更新致します。

 捉えた盗賊達を拘留所へ収容した後、ギルドにて集まる。

 拘留所へ向かう際には念には念をということで、マリリが認識阻害に加えて人払いの魔法を施しての搬送を行った。

 勿論、小型の荷車に載せた盗賊団は動けない様に徹底的に縛り挙げてだが、余程スタンバトンが効いたのか目を覚ます事は無かった。


 普段入る事は出来ないギルドの2階の応接間に通される。

 と言っても俺達は何度か入った事はあるが、普通の冒険者はまずこの部屋に通される事は無いそうだ。


 2階に上がる際にセリーがマリリにアイコンタクトを取り、マリリが認識阻害の魔法を密かに無詠唱で展開。

 ギルドの動向を探る為に、盗賊団の仲間が冒険者に紛れ込んでる可能性もなきにしもあらずだ。



 「さて、ゆっくりしている暇は無いな。

 マリリ、行けるか?」


 ザウルの問いかけに頷くと、マリリがアクアフィールを広範囲状態に展開する。

 村の中は勿論の事、村を中心とした半径約15キロ圏内。 村の中だけでも凄い人数な上、村の外も当然ながら普通の冒険者やモンスターも居る。

 それら全ての反応を処理し怪しい者を見極めるのは流石、魔法に長けたプラチナクラス冒険者と言った所か。


 「居ました、この反応は恐らく当りです。」


 1分としない内に敵と思わしき反応を探り当てる。


 「まず明らかに急いだ感じで村の正門に向かって居る反応が一つ。 大通りでは無く迂回する様に倉庫区画を通り抜けてます。 それも定期的に止まっては動きだす・・不自然ですね。 明らかに人目を避ける動きの様に思えます。」


 ビンゴだ。 やはり敵はあの3人だけでは無かった。

 恐らくマリリが探知したそいつは、連絡係りみたいなものだろう。

 一定時間連絡が無い場合は外の仲間に知らせに行くとか、そんな決まりか。

 更にマリリが眉間にシワを寄せる。


 「村の外、街道から2キロ程外れた所に3名の反応が有りますが、ちょっと不自然ですね。」


 「不自然とは?」


 「この感じは馬・・だよね?お姉ちゃん。」


 マリスが答えた事に驚いた表情をしていた俺に、気が付いたマリスが答える。


 「あれ言ってなかったっけ? 僕とお姉ちゃんはアクアフィールとか、こういう系の魔法の感覚をある程度共有出来るんだよ。 勿論、術者本人ほどハッキリしてる訳でも無いんだけどね。」


 「な、成る程。 魔法士って便利だな。」


 感心しているとセリーが少し呆れ顔で口を開く。


 「いえ、大地さん、そこ勘違いしちゃダメです。 マリリさんとマリスさんが例外なだけで普通は出来ませんよ。」


 「そ、そうなのか。成る程。あぁゴメン話そらした。元に戻そう。

 で、馬が不自然?」


 改めてギルドランクでは計り得ないマリリとマリスの規格外な凄さをまた1つつ知った気がする。


 「はい。街道を外れていても人だけなら単純に冒険者の可能性が高いのですが、馬の頭数が不自然です。

 3名に対して馬の頭数が7頭、ある程度1ヶ所にじっとしているとこからすると手綱を木か何かに固定しているのでしょう。

 位置的に多少の岩場や木々が有る場所てすが、滞在するにしてもどうも中途半端な場所ですね。」


 「なるほど。しかしクムリ村の守備って他の街や村と比較しても強固なのは割りと有名なんだよね?

 だとしたら、盗賊どもがそれを知らない事も無いだろうし、7名程で攻め込んだ所で返り討ちに出来る事も明白。

 それでも尚やつらがこの村に来たと言うことは、何か特別な目的が有る・・という線が濃厚だな。」


 「その可能性が高いな。 勿論、只の窃盗目的の線もゼロでは無いが。

  メリル、素早さと隠密性に長けたお前たちの出番だ。」


 ザウルの命令にメリルが待ってましたと言わんばかりにネコミミを立て敬礼ポーズで応える。


 「連絡役のそいつを仲間の所まで游がせて、一網打尽だにゃ。」


 「ああ、だが油断はするなよ。」


 「了解にゃ! みなは正門近くで隠れて待機させてるから早速行動開始にゃ!」


 そう言いながら颯爽と部屋を飛び出すメリル。


 「ん?あれ? 入ってきた扉と違う扉じゃ無い??」


 俺の問にセリーが答える。


 「あっちはギルドの裏口から出る非常通路に繋がってるんですよ。

  まだ冒険者のフリをして盗賊の仲間が居る可能性もありますからね。」


 「さて俺達だが、セリーはギルド本部への連絡を頼む。 俺は村長に連絡し正門で待つ。

  大地、マリリ、マリス、頼めるか。」

  

 「ええ、そのつもりですよ。」

 

 「まぁ盗賊相手ならメリル一人で十分過ぎるけど、念には念をだね。

  さて僕たちも早速行こう。」

  

 「では改めて認識疎外の魔法をかけますよ。」

 

 

 

 

 俺とマリリ・マリスの3人はメリル達の加勢に向かう為、正門前まで来ていた。

 認識疎外の魔法のおかげで、当然ながら正門の見張りに俺たち3人の姿は見えてはいない。

 ザウルも後から正門で待機なので別に見張りの彼らに姿を隠す必要は無いのだが、俺たちが気付いていない敵の仲間がまだ待ちの中に居るかもしれないので念の為というやつだ。

 

 「にしても毎度思うけど、この認識疎外の魔法って不思議だな。」

 

 「どうしたの?大地、改まって。」

 

 「ああ、だって今俺たちの姿や声は、俺たち以外には見えも聞こえもしてないんだよね?

  けど、俺たち自身は多少透けてる様に見えるだけで普通に認識し合えるし、会話もできる。

  科学的に考えると、いったいどういう仕組みなんだろうな・・・と。

  いや、魔法にそれを求める方が間違ってるか・・。」

  

 俺の問いにマリリとマリスが困った様に悩む。

 

 「そ、そうですね。私達も認識疎外はこういうものって感じで理解していたので、あまり深くは考えた事なかったですね。

  何か気になる事でも?」

  

 「あぁ大した事じゃないけど、仕組みが分かれば敵のそれを無効化したり見破ったりする事も可能なのかと思ってね。」

 

 「確かにそれは便利ですね。

  けど、大地さんはそもそも闇属性魔法が効かないのと同じ様に、敵の認識疎外魔法を見破れるじゃないですか。

  私たち魔法士からすれば、それの方がよっぽど不思議で仕方ないですけどね。」

  

 「・・・それも、そうか。 うん、忘れてたわ。」

 

 「取り敢えず急がない? メリル達だけで問題は無いだろうけど、中途半端に距離も有るし歩いてだとちょっと時間かかっちゃうよ?」

 

 「それもそうね。じゃぁ・・。」

 

 マリリが肉体強化の魔法を施す。

 

 「よし、じゃぁひとっ走り行こうか。」

 

 「「はい」」

 

 

 

 「お、3人とも遅かったにゃ。敵ならもう捕らえたよ!」

 

 目的地に到着するなり、メリルとその部下たちが俺たちを出迎える。

 彼女らの後ろには、手足を縛り付けられ身動き取れない状態の、盗賊共が地面に突っ伏し気絶している。

 人数は4名。 マリリのアクアフィールによる探知通り、ここで待機していた3名と連絡役として村から出て行った1名だ。

 

 「おつかれ、流石だな。敵はこれで全部?」

 

 「うん。付近一帯も捜索したけど、他には見当たらなかったにゃ。」

 

 改めて半径5キロ圏内をマリリがアクアフィールで再度探知を施すが、特に怪しい反応は見られなかった。

 となるとこいつらの目的は、本当に単純な強盗目的だったのだろうか。

 どうも今一つ、しっくり来ない感が無いわけでは無い。

 

 「ん?これは?」

 

 気を失っている盗賊共の一人が、首からなんとも趣味の悪いペンダントをぶら下げているのに気が付く。、

 六芒星の中央に気味の悪い悪魔の様な装飾・・というか、どこかで見たような・・!!

 

 「メデューサか!?」

 

 俺の反応にマリリとマリスもそのペンダントを確認する。

 

 「たしかに、あのメデューサににてますね。」

 

 「うん似てる・・というか、メデューサだね。 六芒星の周りの輪も蛇だし。

  てか他の奴も同じもの付けてるね。」

  

 マリスに言われて見てみれば、確かに他の3人も同じ物を身に着けている。

 

 「これはどうも嫌な予感しかしないな。」

 

 そういいつつ俺がそのメデューサを象ったペンダントに触れた時だ。

 

 「うおお!?!?!?」

 

 勢い良い破裂音と共に、俺が触れたメデューサのペンダントが弾ける様に粉々に砕け散る。

 

 「だ、大地さん、大丈夫ですか!!」

 

 「あ、ああ、ちょっとびっくりしたけど、特になんともないよ。

  にしても、これはいったい。」

  

 メリルが徐に別の奴のペンダントに手を伸ばす。

 

 「あ、おいメリル危ない。」

 

 「んにゃ、大丈夫、見てて。」

 

 そう言いつつメリルが他の奴のメデューサのペンダントに触れるが、特に何も起きない。

 

 「さっきこいつらを捕まえた時にも何となく触れたけど、何も起きなかったにゃ。

  だからさっきのは、大地特有の異世界的な何かに反応したんじゃないのかにゃ?」

  

 異世界的な何かってのはなんなんだがって感じだが、これについてはメリルの推測が正しいのかもしれない。

 となるとこれもまた余り嬉しくはない厄介ごとの発端だろうか・・。

 それとも、俺と異世界を関連付けさせる真相の一片だろうか。

 

 ・・・俺と血の繋がったマリリやマリスが触れた場合はどうなる?

 いや、流石にそんなリスクを冒してまで・・・って!!!

 

 「ちょ、マリリ、危ないって!!」

 

 気が付くとマリリがメデューサのペンダントに触れようと手を伸ばしす。

 

 「多分・・ですが大丈夫ですよ。 私自身にアクアウォールで防御膜をはってますし、私の半径50センチにもアクアウォール張ってますから。」

 

 「そ、そうか、便利だなアクアウォール。マリリ専用の魔法の鎧みたいなもんだな・・・・って、いや本当に大丈夫なのか・・。」

 

 まぁなんの防御もなかった俺がケガするほどでも無かったんだから、大丈夫とは思うが。

 

 ・・・・・。

 

 「どうやら私が触れても、何も起きない様ですね。」

 

 その様子を見て思わず胸をなでおろす。

 

 この世界の人間ではない俺と、この世界のエルフの血が混じったマリリでは反応が違う。

 アクアウォールの効果によるものとも考えられなくは無いが。

 

 「どちらにしても、コイツらから直接聞き出すのが一番早いし、寧ろそれしか無いな。

  とりあえずはこいつらを搬送するには・・ん?あの馬車は?」

 

 「こいつらのみたいにゃよ。あれに乗せて運んだらいいんじゃない?」

 

 「そうだな、ちょうどいいし使える物は使うか。」

 

 念には念を重ね、マリリの魔法で手足を凍らせ拘束し村へ戻る事にした。



誤字、修正しました。

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