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はじまり

【序章】

自分が何者か分からない、不安定な世界。私は誰で、ここは一体どこなのか。それでも歩き続けていれば、どこかにたどり着くらしい。私を不審そうに見つめる人間から逃れるように入った路地。誘われるように足を進めて行くと、WELCOMEと書かれた看板が目に入った。植物の匂い・・・。

「あんた誰ネ?訳ありネ?」

ガサガサという音の後に、木の陰から女の顔が現れた。笑っている・・らしい。大きな口を大きく開けて、笑いながらこっちへ近づいて来る。不気味な女だ。怯えて騒がれるような事になるよりはマシだ。女は、足元に咲いている花を避けるように進む。痛んでいそうな固く結ばれた明るい色の髪、日に焼けた印象のそばかすのある肌、・・・太陽と友達、そんなことを言いそうな雰囲気だ。

「アタシ、高坂涼香。ここの店主。すーちゃんでいいネ。で、アンタは?誰ネ?」

どうやらこの敷地の主人らしい。見た目の印象通り、遠慮がなさそうだ。

「分からない」

「・・・それならアタシの所で暮らすといいヨ。ちょうど家をあけるとこだった。助かるネ」

「暮らす?それはどういうことだ」

「そのままの意味ネ。家を貸してやるネ。住めばいいヨ。家賃いらない、代わりに家の中を綺麗にしてくれればいいネ。あと、花の世話」

「何故だ?貴方にメリットはない」

「メリット?面白いこと言うネ。確かにないネ。でもこれも縁ネ」

「・・・理解できない」

「アンタ、神ネ?アタシもそう。困ってるなら助けるが信条ネ。そういうものネ



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