『この子』
どうも、コトネです!
今回はキキ♡ララさんとゆいかさんを出させてもらいました♪
では、どうぞ!
「んーっと。」
思い切りよく両手を上げ、伸びをする。
「あはは、すごく気持ちよさそう。」
「それはそうよ。」
なんせ、今私は北海道に来ているんだもの。こんな綺麗な空気に、広々とした空と大地。そんな空間にいたら、誰もが伸びをして体いっぱいに空気を吸い込むだろう。
この子も是非やってみてほしい。…ん?あれ?
「じゃ、私もやろっと。んーっ。」
おおお。私よりも伸びっぷりがいい。私より小柄なのに、そんなに伸びるのかってくらい伸びてる。
「んーっ。」
うんうん、とことん伸びをしなさい。こんな素敵な空間なんて早々ないんだから。
「んーっ。」
「…。」
「んーっ。」
…にしても伸びすぎじゃない?長くない?あっ、顔が真っ青!!
「早く息を吐き出しなさいっ!」
「っぷはぁっ!!もう無理!!!」
「当たり前でしょ!」
なんでこの子は普通に伸びが出来ないのだろう。なんで呼吸を止めたんだろう。おかしいでしょ。死ぬ気か。
「普通に伸びして、息を吐けばいいのよ。そんな、呼吸止めたりせずに。」
そう私が言うとこの子は言った。
「だって、こんな素敵な空気、たっぷり味わいたくて。吐き出すのもったいなくて。」
それは、分かる気がする…。
ところ変わって近くの喫茶店に入り、テラス席に着いた。
「私これ!サンドイッチと、オレンジジュース!」
おおう。お子さまな内容だけど、可愛いわね。そんなウキウキした感じでさっきからずっと笑顔。なんかこの子の顔見覚えあるのよね〜。どの人だったっけ?
「ね、注文決まった?」
あっといけないいけない。早く決めてしまわないと。
「えっと、グラタンに、あと飲み物はホットコーヒー。」
「じゃ、店員さん呼ぶね!」
「ありがとう。」
そう言うと、すぐにウェイターを捕まえて注文してる。はっきりと通るいい声してるわぁ。本当にどの人だったっけ?
「ねぇ、あなた。あなたとはどこかで会った気がするの。どこでだったっけ?」
「え?今さら何言ってるのー?私だよ、わたし。わからない?」
「んー…。」
「失礼致します。お待たせ致しました。」
考えていたら、もう料理が出てきた。この子の曖昧な、オレオレ詐欺のような答え方に、大分時間を取られていたようだ。
「んー、いい匂い!食べよ、食べよ!」
「えぇ、そうね。じゃ、いただきます。」
「いただきまぁす!」
さすが北海道とあって、小麦粉やチーズ、牛乳などの食材は良さそう。この子のサンドイッチに使われている卵やチーズも美味しそうね。私のグラタンにも使われてるけど。
「ん!おいひぃ〜。」
口いっぱいに頬張ってるから、ソースが口元に付いてる。子どもかっ。可愛いけど!
そういう私も、グラタンをひとくち。
「ん〜。あっふあふでおいひい!」
「ごめん、なんて言ってるか分かんない。」
この子は、全く。すっごい笑顔で言ってきた。見てわかるでしょ。あっつあつで美味しいって言ったのよ。にしても、本当にクリームが濃厚で、チーズも味わい深くて美味しい。涙出そう。
「ねぇねぇ、ひとくちもらってもいい?」
「ええ、いいわよ。代わりに、私もひとくちもらってもいい?」
「えっ、どうしよっかな〜。」
そこ悩むの?先に頼んだのはあなたでしょ。私はもらっちゃいけないのかい。
「全く意地悪ね、あなたは。そんな子にはひとくちあげれないわ。」
「わーわーわー!ごめんなさい。あげますから、あげますから、ひとくちください!」
そう、そうよ。人にものを頼むときは、そういう態度じゃないと断られるわよ。
そして、お互いにお皿を移動し、ひとくちもらう。その美味しさに、私たち2人は同時に言った。
「おいひい〜!」
はっ!
私の目の前には、部屋の天井がただ見えていた。私は、寝転んでいる。心地よい毛布がかぶさっていて、座布団を二つ折りにして枕にしていた。そして、横から聞こえてくる寝息…。
ゆいかが寝ていた。ベビーベッドに。小さな手足をきゅっと丸めていて、可愛らしい寝姿をしている。
そうだ、私はゆいかを寝つかせた後、お昼寝しちゃったんだ。
「えへへ、可愛いでちゅねぇ。」
私はゆいかのほっぺをぷにぷにとする。ゆいかはかなりぐっすり眠ってるようで無反応。でもまたそこが可愛い。
「えいえい。」
さらにぷにぷにする。さすがにちょっと感知したのか、振り払うように手を動かす。
「あら、ごめんね。」
そして、私はじっくりとゆいかの寝顔を見つめることにした。んー、可愛い。あれ、そういえば…。
「そっか、この子ね。」
私は優しくゆいかの頭をなでた。
読んでいただきありがとうございました!
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