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「素敵な夢を見る前に御伽噺話をおひとつ、どうぞ。」

作者: narumushi88

此処は一体何処なのかしら?

何故、私は閉じ込められているの?

それにしても酷い匂いだわ。

嫌だ!気持ち悪い虫もいっぱいいる。

誰か助けて。

あぁ、何て事だろう。

声を出せない。

「んー!んー!んー!んー!んー!」

「いやあ。やっと気がついたのかい?お嬢さん。ははは。」

「んー!んー!」

「あぁ。声を出せない様にされたのか。可哀想に。だが、心配するな。それはもうすぐ切れるから。せいぜい、あと1時間位だろう。」

「んー!んー!んー!んー!」

「なぁ、お嬢さん。1つ頼みがあるんだが。聞いてくれるかい?そんなに悪くない提案だと思うんだがな。」

「んー!んー!んー!」

「それじゃあ何を言ってるのかわからんな。お嬢さんを助ける代わりに、俺も助けてくれないか。簡単な事だ。その首にかかっているネックレスを貸してくれないか。何、戴こうって訳じゃあないんだよ。

暫く貸して貰いたいんだよ。」

「んー!んー!んー!んー!」

「じゃあ、YESなら、んー。を2回言ってくれ。どうだ?」

「んー!んー!」

「よし!交渉成立だな。待ってろ。今、開けてやるからな。」ガチャン。ガチャン。

「んー!んー!んー!んー!んー!」

「ははは。何だ凄い喜びようだな!」

「違うのよっ!後ろ!後ろ!」

「何っ!うっ!よっと。それっと。」

ザクッ。ガシッ。ガキンッ。グサッ

「フーッと。いやあ。危なかったな。助かったぜ。お嬢さん。礼を言うぜ。俺はヴィンセント エリオットJrだ。ありがとうよ。これで1つ借りだな。そら、牢屋の鍵を開けてやろう。」ガチャン。ガチャン。ガチャン。ドサッ。ギギギ。バタン。

「ほらよ。お嬢さん。ん!何だ!凄い匂いだな。仕方ないよな。ずっとそこに幽閉されてたんだからな。上に行けば綺麗にして貰えるからな。それまでの我慢だよ。お嬢さん。」

「私はルクセンバーグ伯爵の娘、ステファニー ルクセンバーグよ。」

「そうかい。それはそれは。だが、それは違うんだがな。まぁ、今はそれでいいさ。

さて、約束だ。そのネックレスを貸して貰おう。」

「その前に質問させて貰えないかしら。何故、私はこんな目に遭っているの?」

「あのな。ステファニーさんよ、それは今は聞かない方が身の為だよ。まだ、どうにもならないからな。ほらっ。早く貸してくれ。」

「じゃあ、あなたは私の味方なの?」

「あぁ。どうだろう?俺はただの通りすがりだよ。だが、さっきの借りがあるしな。

暫くはお前さんを守ってやろう。」

「そうなのね。わかったわ。よろしくお願いします。ヴィンセントさん。」

「あぁ。ヴィンスでいいぜ。さあ、そいつを貸してくれ。そうだ。よし。どれどれ、

うん。おーっ!本物だ。よし。これで用意は整ったな。さて、ステファニーさんよ、

今のあんたには、これが何かなんて想像もつかないだろう。だがな、これが俺たちを救う鍵なんだよ。」

「それがそんなに大事な物なの?でも、私にはそれが、何なのかサッパリわからないわ。でも、あなたを少しだけ信用するわ。

とりあえず、身体を綺麗にしたいの。お願い。」

「わかった。ついて来い。こっちだ。」スタスタスタ。ドンドン。

「いるか?ジョセフィーヌ。」

「ハイハイ。待ってたわよ。さあ。いらっしゃい。まぁ、酷いわね。さぁ、服を脱いで。ヴィンス!何してんのよ!さっさと出て行きなさいよ。」

「ははは。悪かったな。じゃあ、よろしく頼むぜ。ジョセフィーヌ。後でくるからな。」バタン。スタスタスタ。

「全く、アイツらときたら。さあ、まずは、頭からね。」、、、。

「フーッ!終わったわね。さぁ、これを着て。」

「ありがとうございます。ジョセフィーヌさん。とてもサッパリしたわ。」

「いいえ。いいんですよ。それから、このネックレスをしてね。はい。」

「これは?先程貸したけれど。」

「それは精巧に作られたイミテーションよ。それでも、してないとあなたが危険なのよ。詳しい事はまだ言えないけど。」

「えぇ。つけたわ。何か私には言えない事が多いのね。」

「いずれヴィンスが話してくれるわ。安心していいのよ。ああ見えて信用出来る男だから。」

「あなたはヴィンスさんと長い付き合いなのかしら。もしかして、彼女だったの?」

「嫌ね、まさか。私のタイプじゃあ無いわよ。それより、早く着て。もうすぐヴィンスが戻ってくるわ。」ガサガサ。ガサガサ。

「ドンドン。どうだ?ジョセフィーヌ。終わったか?」

「えぇ。入っていいわよ。」ガチャン。バタン。「おーっ!やはり、美しいな。ステファニーさんよ。ちゃんとネックレスもしてるな。よし。じゃあ、これから、この城を出て行く。裏から行けば人目を避けられる。さぁ、行こう。」

「はい。」

「よし。ジョセフィーヌありがとな。向こうで落ち合おう。」

「わかったわ。ヴィンス、そろそろ魔法が切れる頃よ。奴らに気をつけて。じゃあね。」スタスタスタ。

「さぁ、行こう。ちっ。もう来やがったか。急ごう。こっちだ。」パタン。スタスタスタ。、、、。

「ふーっ。どうやら、撒けた様だな。もうすぐ仲間もやってくる。おっ!来たぞ。」

「ヴィンスさん!危ないっ!」ブスッ。

「くそっ。もうすぐだってのに。しょうがない。ここで、援護が来るまで耐えるしかないな。ステファニーさんはここに隠れていてくれ。」

「ヴィンスさん!肩から血が!」

「あぁ。こんなのはかすり傷さ。大丈夫。

さて。一丁やるか。」スタスタスタ。

「さぁ!かかって来い。魔物共め!」ガシッ。ザクッ。ガキン。バサッ。

「さすがに多いな。まだまだ。それっ!」

カチッ。バンバン。バンバン。

「くそっ。キリがねぇ。」グサッ。グシャッ。ザクッ。

「ヴィンス!大丈夫かぁ!」バンバン。バンバン。バンバン。ドーン。ドーン。

「おーっ。助かったぜ。そろそろ、ヤバいとこだった。ステファニーは大丈夫か。」

「はいっ。ここにいます。」

「よし。粗方、片付いたみたいだ。船に戻るぞ。」

「嫌。ヴィンスよ。船はまだ、飛べないんだ。思ったよりやられててな。もう少し時間がかかる。すまんな。」

「しょうがないさ。今も船からの攻撃が無かったら、ヤバかったんだからな。とりあえず船まで行こう。」、、、。

「よし。みんな、助かったぜ。ありがとうな。さて、ネックレスが手に入った。これで、あの伯爵とやり合える。準備は出来てるか?」

「はいっ。いつでも大丈夫です。」

「よし。みんな、少し下がっていろ。行くぞ。」ガチャン。ギーン。ギーン。ギーン。ギーン。ギーン。ギーン。ギーン。

「あぁ。全てが1つになる。これが、魔銃

ランティスギークか!よしっ。行くぞ!」

「おおっ!行けー!今までの借りを返してやるぞー!」

「さぁ、お前の力を見せてみろ!ランティスギークよ。」ドンッ!ギューーン。ギュリギュリギュリ。ギュリギュリギュリ。

ドカーン。ドカーン。

「ギャーァ。グワッ。」バタッ。

「ンガーッ。ぐぐぐっ。ウーッ。」

ドサッ。

「よーし!やっつけた様だな。まだこいつの本当のチカラは出てないみたいだが、

とにかく凄いな。さて、船の方は修理は終わったのか?」

「おぉ。ヴィンスよ。今、終わったぜ。いつでもOKだぜ。」

「よし。みんな、船に乗り込むぞ。さぁ、

急げ。」

「はっ。了解ですっ。早く乗り込んで、持ち場につけぇ!」

「おーっ!」、、、。

「ステファニーさん、これからあなたの父親と戦う訳なんだが、嫌なら船を降りても構わないぞ。どうする?」

「よくわからないのよ。どうしたらいいのか。もう暫くここに居させてくれないかしら。」

「あんたが、したい様にすればいい。そうだな。戦いまでは少し時間がある。これまでの経緯を簡単に説明しておこうか。」

「はい。私には何が何だか、サッパリわからなくて。お願いします。」

「まず、事の始まりは王家の圧制だった。

エクセシウス王子が亡くなって、王家の、

跡取り問題の中、シニエスタ王女が跡取り代行に決まった途端、国王が謎に満ちた最後を迎えられた。当然、シニエスタ女王が誕生したのだが、この女王が最悪だった。

税金を何にでも高く取り、民衆の自由を無くし、まるで奴隷のごとく扱ったのだ。各地で反乱が起きたが、ことごとくルクセンバーグ伯爵率いる最強の軍隊に倒されていった。残った者達は地下に潜りレジスタントとしてこの圧制に抵抗していた。その中で俺達、宇宙義賊、まぁ海賊なんだがな

、は故郷であるエルシスト王国を守ろうと立ち上がった訳だが、かなり苦戦を強いられる事になってな。そして、戦いの中で

潜伏してたスパイからの情報から、どうやらルクセンバーグ伯爵は魔法使いガレスティンの様だと、そしてガレスティンを倒すには失われた3つの国宝を集めて作られる魔銃ランティスギークが必要なのが、わかったのだ。2つは揃えたが、3つ目が何処か、わからずに途方に暮れていると、

魔女ジョセフィーヌからステファニー伯爵令嬢が身につけているネックレスだとわかったのだ。その後はあんたも知ってる通りさ。だから、本当のあんたの父親は多分

ガレスティンに殺されていると思われている。だが、何処かにあんたと同じように

幽閉されているかもしれない。それはまだ

誰にもわからないのだ。」

「そんな。でも、何で私は幽閉されていたの?私は何かしたの?」

「実はあんたは本物のシニエスタ王女、いやシニエスタ女王なのだ。今いるシニエスタ女王はガレスティンの娘のシルエリルが魔法のチカラで化けているだけだ。どうだいわかったかな。女王様。」

「私が女王なの?でも、私はステファニー伯爵令嬢だと思っていたわ。」

「それはガレスティンの強力な魔法のせいさ。奴を倒せば魔法も解ける。だが、そのネックレスをしてないと奴を倒せる魔銃ランティスギークが俺達の手にある事がばれちまう。それにネックレスのおかげで、あんたはあの牢獄の中でも死なずに済んできたんだ。ガレスティンを倒せばランティスギークをまた3つに戻して、女王様にお返ししますよ。どうかな?おわかりいただけたかな。」

「わかったわ。後はガレスティンを倒すだけなのね。じゃあ、さっさと倒しちゃいましょう。」

「そういう事だな。だが、まだ1つ駒が、

足らないんだよ。この魔銃ランティスギークを使いこなせるという勇者様がいる筈なんだが。まだ、俺達の所に来ていないのだ。」

「あなたが勇者じゃないの?てっきり私はあなたが勇者だと思っていたわ。」

「俺はさっきも言った通り、宇宙海賊だよ。勇者様になんかなれないさ。勇者様は

誰が見てもすぐにわかるさ。その身から溢れ出てくるオーラでな。そして魔銃ランティスギークを手に取った瞬間から無敵になるのさ。そうなれば誰にもかなわない最強の戦士になるのさ。だからさっきの戦いでは、まだこの魔銃ランティスギークのチカラは最高には発揮されてなかったんだよ。俺にはわかった。こいつはもっと凄い武器になる事がな。」

「そうなのね。じゃあ、その勇者様を待ってるのね。」

「そうだ。此処が待ち合わせの場所になってるんだが、約束の時間は過ぎたんだが、

未だに現れてないな。だが、俺達には、もう勇者様しか頼れないのだ。もう、ガレスティンとマトモに戦う戦力は残っていないのだ。だから、待つしかないのさ。」

「そうなのね。でも、早くしないと、此処もガレスティンにバレるのも時間の問題じゃないのかしら?」

「もしかたら、もうバレているかもしれん。だが、此処は魔法結界と言って、魔法では破れないこの国では唯一の場所なのだ。まぁ此処に居れば、魔法のチカラでは

手出しは出来ないのさ。物理的には手が出せるから、絶対、安全って訳じゃないがな。」

「そうね。どうやら、相手も痺れを切らしたみたいね。やってきたわよ。物理攻撃がね。」

「お前ら!勇者様が来るまで、死に物狂いで戦うぞ!いいなっ!行けー!」

「おーっ!やっちまえ!」

「おりゃあー!」

「では、女王様。俺も行きます。此処で待っていてください。では。」スタスタ。

「そりゃあ!ランティスギーク!行けー

!」ドンッ。ギューーン。ギュリギュリギュリ。ギュリギュリギュリ。

「グワッ。グォー。」バサッ。

「ガーッ。ウウウッ。」バタッ。

「これでもかなり強力なんだが。まだ、本当のチカラではないな。一体、こいつの真のチカラはどれだけなのか?恐ろしくなるな。」

「ヴィンス!勇者様が着いたぞ!」

「何だ?それが勇者様だってのか!嘘だろ!そいつはただのクマの子供じゃねーかよ。」

「見た目はそうだが、これは、あ、失礼しました、この方が勇者様なんだよ!ヴィンスよ。」

「そ、そうなのか。何かオーラも感じないんだが。大丈夫だよな。じゃあ、勇者様、

これが魔銃ランティスギークです。

どうか、お使いください。魔法使いガレスティンを倒してください。お願いします。」

「うむ。わかった。礼はあの女王様でいいのだな。」

「あ、いや、いえ、あの他にも綺麗な娘はいますので、この国の女王様はちと、勘弁してください。お願いです。」

「そうか。では私は帰るとするかな。では、さらばだ。」

「あぁ、お待ち下さいませ。しばしお待ち下さいませ。」

「どうした?女王はダメなのだろう?ならば、此処には用は無い。」

「いいわ!でも1つ条件があるわ!」

「私が国を治める邪魔はしないのならば。

それなら、結婚してもいいわ。あなたは

国王にはなれないけど。それでもいいのかしら?」

「ははは。元より国王なぞに成る気は無いわ。お前が私の嫁になれば良いのだ。その美しいお前が、私は欲しいのだからな。」

「そうなの。では、いいわ。でも出来れば、あなたが私の尊敬出来る様なお人ならいいのですけれど。」

「そうか!確かにそうだな。私もお前に尊敬されたいからな。では、そこで見ておれ。私の真のチカラを。何処にいる?その

魔法使いガレスティンとやらは?出てこい

!」

「うははは。何だ!その子熊は?そんな奴が、勇者様だと?笑わせてくれるなぁ。」

「馬鹿な奴め。人を外見で判断しおって。

だから、お前はダメなのだ。まぁ、せめて

苦しまずに殺してやろう。そら、かかって来い。魔法使いよ。」

「おいっ!後で吠え面かくなよ。行くぞっ!えいやっ!」グオーーーッ!

ドカーン。ガシャーーン。ズドーーン。

ぶぉーーーん!ぶぉーーーん!

「ん?それだけか?」

「何ぃー?何故効かないのだ。何故だ?」

「私には魔法は効かないのだ。ましてや、

今私には、この魔銃ランティスギークがある。お前には最初から勝ち目は無いんだよ。じゃあ、行くぞ。言い残す事は無いのか?」

「ふん!やれるものなら、やってみるがいい。」

「では、参るぞ!ほれっ。」

ドッカーーーーーーーーーーーーーーン!

「うっ!」

「す、凄いっ!」

「マ、マズイ!みんな、隠れろ!」

「わーー!」

「どうだ?やったのか?」

「いや!まだだ。足が見える!」

「いや、違う。ありゃあ、足だけだな。」

「だが、再生してるぞ!ダメだ!復活しちまうぞ!」

「めんどくさいの。ほれっ。ほれっ。」

ドッカーーーーーーーーーーーーーーン!

ドッカーーーーーーーーーーーーーーン!

「あぁ!凄すぎだよ。もう、何にも無いよ。何だか、少し可哀想になる位強いな。

この子熊、いや、勇者様は最強だな。

怖すぎるよ。恐れいりました。」

「ふん。やっと、わかったのか。まぁ、良いか。では、王女よ。一緒に遊ぼうな。ほれっ、こっちへ来い。」

「何か、王女様が可哀想な気がするな。」

「馬鹿!声がデカいぞ。ヴィンス。」

「今何か言ったか?」

「いえ、何にも。ははは。勇者様ありがとうございました。これで、この国も平和になります。本当に良かった。」

「あのさぁ!それは無いと思うけど!」

「ん?誰だ?貴様は?」

「俺だよ!俺。」

「誰だ?みんな、こいつ知ってるか?」

「さぁ?誰ですかねぇ?見たこと無いですが。」

「そうだよな。ずっと、隣のフェリース国の森で暮らしてたしね。多分、僕の事知ってる人はいないよね。」

「もしかして、そのオーラはでも、そんな筈が!」

「ははは。じゃあ、自己紹介しよう。僕が本当の勇者。アルフリード ベルセウスですよ。」

「えーっ!何だって!じゃあ、この子熊は

誰なんだよ!」

「はっはっはっ!決まってるじゃないか!

そいつが、魔法使いガレスティン、その人だよ!なぁ、ガレスティン君。」

「ちっ!本物が来ちまいやがったか。」

「そうさ、来ちまったんだよ。どうする?

僕とやり合うのかい?」

「いや、それはしない。すまん。私の負けだ。これも返す。命だけは助けてくれ。」

「あぁ。そうだね。僕は寛大だから、許してあげるよ。そうやって、謝る人にはね。

じゃあ、二度と僕を騙る事はしないでね。

行っていいよ。バイバイ。」

「すまなかった。では、失礼しました。」

スタスタ。

「何か、呆気なさすぎだろ!」

「こんな終わり方でいいのか?」

「だけど、それって事は、この人が本当の勇者様で、あの魔法使いガレスティンよりも圧倒的に強いって事なんだよね。」

「そうだね。僕は半端無く強くて、容赦ないのを彼は知ってるからね。」

「何か凄過ぎて何も言えないよね。」

「あぁ。でも良かった良かった。」

「それで王女様は何処?」

「あっ!居ないぞ!王女様は何処だ?」

「さっき、魔法使いと行きましたけど。」

「何だって!マズい。下手すると殺されるぞ!」

「大丈夫よ。ガレスティンは女王様にメロメロだから。」

「ジョセフィーヌ!本当なのか?じゃあ!

もしかして、これは総て女王が仕組んだって言うのか?」

「えぇ。そうよ!でも、あれは女王じゃ無いのよ。あれは魔法使いの娘、シルエリル

たったのよ。」

「な、何だって?本当かよ!じゃあ、本物の女王様は?無事なのか?ジョセフィーヌ

よ。」

「えぇ。お城に幽閉されてたのを、お救いしたから大丈夫よ。」

「そうか。なら良かったぜ。じゃあ、これで本当に終わりなんだな。まだ、何かありそうで怖いな。」

「さすがに、もう無いだろ。」

「そうね。もう御免よね。」

「さて、とりあえず城に戻るか。行くぞ!

船に乗り込むぞ。」

「おいっ!船が無いぞ!船は何処だ?」

「何処にもありませーん!」

「畜生!またガレスティンか!ジョセフィ

ーヌ。今、奴は何処だかわかるか?」

「えぇ。まだ、お城には着いてないわ。」

「悪いが、勇者様をお城に連れて行ってくれるか?」

「いいわよ。じゃあ、勇者様行きましょう。」

「勇者様。奴らの事は、あなた様にお任せ致します。よろしくお願いします。」

「うん。わかったよー。今度こそ、倒しちゃうね。じゃーねぇ。」ピューッ

「あーあ。やっぱり、倒すんすね。何だか、少し可哀想っすね。」

「しょうがねぇだろ。やり過ぎなんだよ。

あそこで、辞めときゃ良かったのによ。」

「それで、うちらはやっぱり馬っすかね。」

「あぁ、もうすぐ連れてくるだろう。」

「ヴィンス!連れて来たぜ!」

「よし。行くぞ!急げ!」

「よーし!城まで一気に行くぞー!」

「おー!」パッカパッカ。パッカパッカ。

、、、。

その頃!、お城ではガレスティンとその娘

シルエリルが、何やら悪巧みの最中でした。一体この様な事態になって、どんな策があるというのでしょう。

「シルよ。さて、こんだけの娘で足りるだろうか?本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫よ。お父様。勇者の唯一の弱点は

若い可愛い娘には眼がないって事なのよ。

まぁ、これではお父様と変わらないわね。」

「何だ。わしは、それだけでは駄目なのだよ。それに高貴な香りがしないとな。ふふふ。」

「もう!娘の前でそんないやらしい顔をしないでよ!」

「あぁ。すまん。許しておくれよ。シル。

お前にそんな事を言われると、わしは堪らんのだよ。なぁ、シルよ。」

「いいわ。許してあげる。さぁ、お父様。

これで、準備は整ったわ。今度こそ、小生意気な勇者を倒して頂戴ね。絶対なんだからね!」

「うむ。わかった。お前の期待に必ずや答えてみせるよ。なぁ、シルや。」

「えぇ。じゃあ、私はお家に戻ってるわね。お母様が、美味しいシチューを作ってくれてる筈なの。じゃあ、よろしくね。」

チュッ。

「おーっ!!お前を愛しておるぞ!シルよ!」

「もう!お父様ったら、娘なのよ。変態なんだから。ふふ。」

「そ、そういう意味では無いぞ。親子としてだな。うむ。」

「駄目よ。顔に出てるもの。いいわ。倒してくれたら、サービスしてあげるから。」

「大丈夫だよ。私は大魔法使いガレスティン様だからな。任せておきなさい。」

「じゃあ、頑張ってね。」ピューッ。

「ふふふ。勇者など、私にかかれば、赤子の手を捻る様なものだ。さて、さっさと来い。馬鹿な勇者様よ。」

そんな事になっているとも、知らずに勇者様とジョセフィーヌはお城を目指して、箒に乗って飛んでおりました。

「ねぇ、ジョセフィーヌちゃんは、いくつなのかな?」

「えっ!えっと今年22才になりますけど。」

「そうなんだ!僕の好みなんだよねー。こう、何て言うかな?そう、お姉さんタイプな感じがね。少し僕を叱ってくれないかな?」

「あ、あの、もしかして勇者様って、女好き?」

「んー?どうなのかなぁ?でも、この胸にはそそられるなぁ!ははは。」

「あっ!この助平!えいっ!」

「あーっ!助けてー!」ヒューッ。

「あっ!いけない。落としちゃったわ。」

ビューーーン!

「あぁ。酷いなぁ。ジョセちゃんは!もう少しで死ぬとこだったよ。ははは。」

「すいません。でも、勇者様がいけないんですからね。いきなり胸を触るんですから

。」

「ごめんね。どうも、大きいのがあると、

触りたくなってね。ははは。」

「だから、森で暮らしてたんですね。やっと、わかりましたよ。」

「まぁ、そう言う事かな。ははは。」

「さぁ、そろそろお城に着きますよ。」

「うん。さっさと倒してジョセちゃんと遊びたいからねぇ。」

「えっ?誰も遊ぶなんて言ってませんよ。

「いいじゃないか。少しくらい。それとも

決まった人でもいるのかい?」

「いませんけど。だって、いきなり言われても。困りますよ。」

「恋ってのは、いつもいきなりなんだよ。」

「んー?どうしよっかなぁ。少し考えさせてください。」

「じゃあ、ちょっとだけだよ。だって早くしないと眠くなっちゃうからねー。」

「勇者様って、何時に寝てるんですか?」

「うんとね。いつも8時位かなぁ。」

「早っ!それは早過ぎですよ!いくらなんでも。」

「寝るのが好きなんだよね。女の子の次に。」

「今、認めちゃいましたよ。女好き。」

「そう?まぁ、事実だからねぇ。隠してもすぐ、バレちゃうでしょ。」

「あぁ。勇者様にも弱点があったんですね。何か嫌な予感がするんですけど。」

「おーっ!着いたね。じゃあ、さっさと倒してジョセちゃんと遊ぶのだー!」

ホイッ。ヒューーーッ。

「あっ!勇者様ー!全く困った人ね。」

「何処にいる?ガレスティン!出てこーい!」

「はっはっはっ!此処だよ。勇者様よ。」

「おっ!そこか!めんどくさいから、さっさと殺してあげるよ。じゃあ、いくよー!

せーの!」

「おいっ!勇者よ!ほらっ!下を見てみろ!」

「ん?何だい?下?ん?おーっ!!!

こ、これは!何という事だ!楽園ではないか!うぉーーー!」ピューッ。

「おぉ!こんなに可愛い娘ばかり沢山いるではないか!正にこの世の楽園だ!あー!

幸せだなぁ!」

「誰でも何人でも選り取り見取りですぞ。

勇者様。楽しんでくだされ。これは私からのプレゼントですぞ!」

「そ、そうか!うむ。お前はいい奴だったんだな。すまんな。ははは。」

「あーっ!ヤッパリ!ガレスティンの奴め。勇者様の弱点を突いてきたわね。このままでは、勇者様は骨抜きにされてしまうわ。ヴィンス。早く来て頂戴!」

「ふははは。ジョセフィーヌよ。もう勇者は使い物にはならんさ。さぁ、どうするかな?」

「畜生っ!ガレスティン!汚い手を使って

ズルいわよ!」

「ははは。とんな手を使ったって、勝てばいいんだよ!負けては意味が無いんだよ。

だから、いつまでたっても、お前は私に勝てないんだよ。」

「くそーっ!お前なんかに負けてたまるもんですか!」

「それが負け犬の遠吠えって奴かな?さて、じゃあ、そろそろ負けて貰おうかな?

行くぞ!それっ!」ギュワーーーーン!

「キャーーッ。」ピューーーッ。

「さて、邪魔な魔女も勇者も消えたな。

もう、この国は私たちの物だな。はっはっはっ!」

「何が、私たちの物なのかな?」

「ん?何だと!貴様!何故だ!若い娘が、

大好物ではないのか!」

「ははは。そりゃあ、大好物だよ。本当に眼がないんだけどね。でもね、無理矢理の娘たちは可哀想でね。さすがに食指は動かないよ。だからさ、あの娘たちの為にも、

お前だけは倒しちゃうからね。」

「く、くそう!こうなったら、仕方ない。

みんな死んで貰おう!えいっ!」

ギュワーーーーン!ギュワーーーーン!

「ふっ!おんなじ手は2度は通じないんだよ。じゃあ、さよならだね。えいやっ!」

「ギャーーーッ。ウウッ。く、くそう!

あぁ。死にたくない。ち、畜生っ!シルよ。すまない。」ドサッ。バタッ。

「さてと、誰かこの勇者様と遊びたい娘はいるかなぁ?」

「わー!凄ーい!キャーーッ♡勇者様ー♡

格好いい!私と遊んでー!」

「駄目よー!私とー!勇者様ー♡」

「はっはっはっ!いいよー!みんなで遊ぼうねー!はっはっはっ!」

「キャーー!キャーー!」

「キャーー!勇者様ー♡」

「あらら!大変な事になってるわね。

まぁ、良かったわ。これで私は用無しね。

何か頭来たから、ホストクラブでも行こうかしら?」

「おーい!ジョセフィーヌー!どうだあ!

勇者様はー?」

「あらっ!やっと着いたのね。もう、倒しちゃったわよー。」

「そうかー!やったなぁー!」

「やったのかしらね。何だかねーって感じだけど。」

「何だよ!ブツブツ言ってよ。どうしたんだよ?」

「いいえ。何でもないのよ。ガレスティン

は倒したわ。後は娘のシルエリルだけど、

どうするのかしら?」

「ガレスティンさえ倒せば後は大丈夫だよ

。娘はあんな魔法は使えないからな。」

「そうね。じゃあ後は大丈夫ね。私は帰るわね。もう、疲れたわ。じゃあね。」

「あぁ。ジョセフィーヌ、色々とありがとうな。今度、お前の好きなフルーツを持っていくからよ。」

「ふふふ。まぁ、あんまり期待しないで待ってるわよ。じゃあね。」ピューッ。

「あーあ!まぁ、終わったんなら仕方ないかな。さて、腹も減ったし、飯でも食うか?おーい!みんな!飯にするぞー!今日は好きなだけ、飲んで食え!俺の奢りだ!

女の子たちとも楽しんでくれ!」

「オーーッ!さすが!ヴィンスさんだ!楽しもうぜー!ヤッホーー!」

「ヴィンス。どうでもいいが、疲れたよな。」

「あぁ。疲れたな。俺はちょっと王女様に挨拶してくるぜ。お前も来るか?」

「そうだな。1度ちゃんと会いたかったんだよな。行ってもいいのか?」

「あぁ。スルー。お前たちも顔を憶えて貰わないとな。一緒に行こう。」

「なぁ、ヴィンス。この七面鳥だけ食べながら行こうぜ。」

「じゃあ、俺はワインを持っていこう。」

グビグビ。ムシャムシャ。

「あぁ。旨いぜ!ヴィンス。はっはっはっ!」

「どれどれ!」ムシャムシャをグビグビ。

「おーっ!旨いな!はっはっはっ!確かこの辺りの部屋だった筈なんだがな。此処かな?」ガチャン。バタン。

「お。当たりだな。女王さん!ガレスティンは倒しましたよ!はっはっはっ!」

「あっ!ヴィンス。そ、そうなの?よ、よくやったわね。ヴィンス。お礼を言います。あ、ありがとう。」

「はっはっはっ!どうって事ないさ。それでよ、こいつらもよろしくな。俺の仲間たちなんだよ。」

「あぁ。皆もこの度はよくやってくれましたね。ゆっくり休みなさい。ありがとう。」

「あぁ。感激です!女王様!こちらこそ、

ありがとうございます。では、失礼します。」

「じゃあ、女王さん。また何かあったら言ってくれな。じゃあな。」ガチャン。バタン。

「うーっ!お父様を。何て事なの!許さないっ!ヴィンスに勇者にジョセフィーヌめ!いつか、必ずお前たちを倒してやる!

絶対に!」

こうして、ガレスティンが倒された事で

一応の幕引きになったのですが、ガレスティンの娘シルエリルの復讐が、新たに始まったのでありました。

この先に待ち受けているのは、一体どんな事なのでありましょうか?

その物語はまたの機会と致しましょう。

今回は、ここまで。

またお会い出来る事を楽しみにしております。

では、皆さん、ご機嫌よう。



         The End

















ファンタジーな世界を楽しんでいただけたら、とても

嬉しいです。

自身のアメブロ投稿作品です。

アイリス恋愛F大賞、応募作品でもあります。

初めてのコンテスト参加なので、ドキドキ、ワクワクです。


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