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この世界の仕組みとハードボイルド()ミカン農家

少し硬い宿屋のベットで目を覚ますと枕元に置きっぱなしだったソフト帽のレイモンドが話しかけてくる。



『おはようございます』


「ああ、おはよう」



俺はそう返すと一度思っ切り伸びをして体をほぐす。

ふと、壁を見ると時計が掛けてあり針はちょうど朝の8時くらいを指していた。



(昨日寝たのは何時か確認してなかったな………)



そう考え俺はレイモンドに問いかける。



「なあレイモンド、俺は昨日何時くらいに寝たんだ?」


『この世界の時間で午後5時32分02秒です』



(このくらいの質問ならスキルはいらないのか、そして俺は半日以上寝ていたっていうのか………)


妙に体が硬い理由に納得しながら俺はこれからの事を考える。


先ずはこの世界の詳しい仕組みについて、

この世界に何人の人間がいるのか、

通貨などは存在しているのか、

あるのだとしたら通貨は何処で手に入るのか、

装備はどうやって整えるのか、

この世界では歳をとるのか、

そして…………死んだらどうなるのか。


俺はこれらの事を調べる方法に一つ心当たりがあった。


ダンジョンの中でスキルを調べている時に見つけた《説明》と言うスキルだ。


俺はそのスキルを得る為にステータスを開く。



「ステータス」



俺がそう唱えると半透明なウインドウが目の前に現れる。


スキル欄に変える為ウインドウを操作しようとするとある事に気づく。


俺のステータスに変化があったのだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




名前 井上 滉太


レベル 3


魔力 67/67


スキルポイント 30


ジョブ ミカン農家


基本スキル


固有スキル

ミカン生成::古今東西ありとあらゆるミカン オレンジ と名のつく柑橘類を作り出すことができる消費MP1


ミカン加工::ミカン、オレンジと名のつく柑橘類を好きなように加工できる消費mp2


ミカン生産::ミカンの種を植え好きな大きさまで成長させることができる

1mにつき消費mp5 1本につき消費mp5



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「成る程」



レベルアップしている。

おそらくダンジョンの中で倒したスライムの分の経験値のおかげだろう。


他のパラメーターはスキルが足りない為確かめる事は出来ないが、少しは上昇しているのだろう。


スキルポイントはこの増え方から察するに一つレベルが上がるたびに10ポイント貰えるのか。


RPGのセオリーから考えるとレベルが上がるたびにレベルアップに必要な経験値が増えていくだろうから無駄使いは出来ないな。


俺はウインドウを操作してスキル欄に変更する。



「レイモンド、スキル検索したい」


『検索ワードを指定してください」


「《説明》、《ステータス》」



すると目が痛くなるほどにズラッと並んでいた多くのスキルが減っていく。


すると、一つのスキルがウインドウに残った。



「《説明》………このスキルだけか。ならこれに賭けるしかないな」



そう言い俺はウインドウの取得をタッチする。


〈このスキルは5ポイント消費します。宜しいですか?〉


俺はそんなウインドウの問いにイエスを選択する。


するとステータスの基本スキル欄に《説明》のスキルが追加された。


このスキルの効果はこうだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《説明》

ナビに問いかけると答えてくれる質問の幅が広がる。

専門的な知識以外は回答可能。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし!」


俺はガッツポーズをとるとすぐにレイモンドに質問を始める。



「レイモンド、質問がしたい」


『どうぞ』


「まず、この世界には俺以外に何人の人間がいるんだ?」


『現時点で56人、この後チュートリアルダンジョンにて1000人まで追加予定です。』


「通貨は存在しているのか?」


『はい。最初の街以外の拠点で物の売買などをする場合必要になります。単位はゴールドとなり、ギルドでの依頼の達成や店に物を売る事によって手に入ります。』


「地図は手に入るのか?」


『拠点内であればウインドウからその拠点のマップを閲覧する事ができます。ただダンジョン内のその他の場所では特殊なスキルが必要になります』


「死ぬとどうなる?」


『始めの10階層まではチュートリアルダンジョンに戻されるだけですがそれ以降の階層では死にます』


「蘇生の方法は?」


『特殊なスキルにより可能です』


「力や体力などのステータスは存在するか?」


『あります』


「それを調べる方法は?」


『スキルが必要です』


「スキルのリセットは可能か?」


『特殊なスキルが必要です』



こんなものか。

他に質問が思いつき次第レイモンドに質問をしよう。


だがスキルリセットにも特殊なスキルが必要になるのか……………。


ますますスキルポイントは大事に使わなくては…………。


先ずは残り25ポイントのスキルポイントを何に使うかだ。


これから100階層まで突破しなくてはならない。


限られたスキルポイントを有効活用する為には相手がどんなモンスターであろうと使えるか末長く使用できるスキルを選ばなくては……………。


俺はそう考え、先ずは隠されているステータスを調べる事にした。

体力やHPを知る事が出来ればどの階層まで進んでも良いかの指針になるはずだ。


俺はレイモンドに話しかける。



「レイモンド、スキル検索、検索ワードは《隠し》《ステータス》」


『了解しました』



するとウインドウに3つのスキルが表示される。


ステータス拡張、スカウター、HP表示の三つだ。


必要ポイントはそれぞれ、10、500、5だ。


先ずはスカウター、これは某漫画に出てくる戦闘力を測定する機械だろう。


確かに相手のステータスを調べる事が出来るのはかなりのアドバンテージだがいかんせんポイントが足りない。


次にステータス拡張、とHP表示だ。


これはおそらくステータス拡張が隠しステータスをウインドウに表示するもの、

HP表示がそのままHPをウインドウに表示するものだろう。


どちらもとると残りスキルポイントは10となり寂しくなるがこの2つのスキルはこれからも使い続けるだろう。


俺は《ステータス拡張》と《HP表示》のスキルを取得した。


効果はこの様になっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


《ステータス拡張》

ウインドウのステータス欄に隠しステータスを表示する。


《HP表示》

ステータスにHPを表示する。

HPは健康な状態を100として心身に異常が出るたびに減少する。

0になると戦闘不能。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


予想した通りだ。


俺は自分の予想に満足しながらウインドウをステータス欄に移す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 井上 滉太


レベル 3


HP100/100


魔力 67/67


力 10

守備 9

体力 11

知力 16

素早さ 9

幸運 16


スキルポイント 10


ジョブ ミカン農家


基本スキル


説明

ステータス拡張

HP表示



固有スキル

ミカン生成::古今東西ありとあらゆるミカン オレンジ と名のつく柑橘類を作り出すことができる消費MP1

レベル1


ミカン加工::ミカン、オレンジと名のつく柑橘類を好きなように加工できる消費mp2

レベル1



ミカン生産::ミカンの種を植え好きな大きさまで成長させることができる

1mにつき消費mp5 1本につき消費mp5

レベル1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「スキルにもレベルがあるのか」


予想していなかった情報に驚いてしまった。


今までは運良く予想が的中していたがこれからもそうであるという保証はない。


気を引き締めよう。


そう考え、壁の時計を見ると朝の9時をまわっていた。


俺はスキルのレベル上げと食事の為にスキルでオレンジを2つ作り出すと皮を剥き、食べる。


皮を部屋の隅のゴミ箱に捨てつつベットの上のレイモンドを頭に被る。



「レイモンド、装備を整える事のできる場所と現在地をマップに表示してくれ」



そう言うと俺は街の中へと足を進めていった。

スキル案募集してます。

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