6話 予定どうりに行くわけない
戦闘シーン難しい…
イメージは出来上がってるんだけど言葉に出来ない
「それじゃ、装備もそろったし依頼でも受けましょうかねっと」
ギルドに戻り依頼表を確認するスカル達。
掲示板にいくつかの依頼が掲示されているが数が少ない。
「薬草採取に、森や畑周りの角ウサギ狩り、ダンジョン調査、新人用門番…」
「あぁ門番は当番制だから前日に通達が出るよ」
「薬草採取、ウサギ狩りどちらにするか…」
それを聞いたジョーは意外そうに尋ねた。
「ダンジョンは行かないんだな、新人は大抵これに行ってぼろぼろにされるのに」
「それを聞かされて行こうとする奴はいるのか?」
「いるね、ロマンだとか自分は大丈夫とか無駄に自尊心の高い奴が」
特にエルフあたりに多いと答える。
「それよりもこの辺にもダンジョンがあるのか?」
「あぁ近くに一つな。
そっちの世界にはダンジョン無かったっけ?
この世界ではダンジョンってモグラの一種なんだよね」
ダンジョンモール、体高2メートル体長3~4メートルほどで四肢のほかに4~8本の作業腕がある、調査によるとそのモグラは魔獣とも精霊の一種とも言われておりその生態は不明である。
主に魔力の濃い地域に巣穴を掘るが個体によってその巣は多種多様であり洞窟、レンガ、石室、樹海と色々なタイプに分かれる。
たとえばレンガタイプのダンジョンモールは掘った土と己の魔力をあわせレンガにし、それを作業腕で積み上げる、漆喰等の接着剤も土と魔力から作り上げ、乾燥するまで自分で支えるほどである。
巣としてのダンジョンが完成すると一番奥に引っ込みそこで巣に餌の魔獣や動物が入り込み増えるのを待つ、ある程度増えればそれらを食べにダンジョンを徘徊する。
この際ダンジョンから魔獣が溢れたりし、周囲に被害を出すこともある。
ちなみに、樹海タイプはダンジョンと地上を行ったり来たりし植物を運ぶため発見が簡単である。
あと内部が明るいダンジョンは透明度の高い鉱石を使い中まで光を引き込むタイプと、天井部に光るように加工した素材を利用したタイプに分けられる。
あとダンジョンに残したものは組み上げられた際に付与される魔法効果によって分解され、ダンジョン修復に利用されるので必要な素材は早めに回収するように。
「ってなわけだ、昔はダンジョン自体が魔物説とかいろいろあったけどな。
ちなみに地上を歩いてるダンジョンモールを見ると幸せになれるとかもあったな」
「つまり簡単にまとめると凝り性のモグラがダンジョンを作ると……」
「そういうこった、で行くか?」
「やめておこう、薬草とウサギ狩りにしとこう」
採取する薬草の種類を確認し、さらにウサギの討伐数と買取部位の確認を済ます。
依頼表の番号を確認しカウンターでカードに登録する。
「さて、初依頼行ってみますか」
「薬草はとりあえず集まった」
スカルは封印の森の浅いとこで切り株に腰を掛け休憩し、ジョーは少し離れた木に背を預けている。
「最初の1枚を見つけるまでは長かったけどな」
「どうも普通の目と違うようで…波長というのか、そういったものが見える。
似たような葉っぱでもオーラが違う?」
「ふーん、で、こいつらも昨日の森狼たちだと…」
オークと対峙した時にいた森狼が群れでスカルの周りに集まっている。
大きな親達は寝そべりながら周囲を警戒し、小さな子供はスカルの足に噛り付いている。
本気で噛んでいる訳ではなく甘噛みでじゃれ付いている。
「なんか、なつかれてますね」
「なつかれてるって言うか…かじられてるな。大丈夫か?」
「痛みとか全く無いです。
どうしようか…ウサギ狩りも残ってるし」
「グゥオフ」
群れの長であろう4メートルほどの体長の大きな狼の一声に若い狼が数匹、森の奥に入っていく。
「ん?成体が数匹どこかに行くな…子供おいてどこ行くんだ?」
暫らくすると森狼が何かを咥えて戻ってくる。
「おいおいおい、何で森狼が角ウサギもってくるんだよ、ありえねぇ」
咥えていたのは角ウサギで喉元のみが血で赤い、他の部分は汚れていないことから一瞬で喉元を噛み切ったようだ。
「何なんでしょうね、仲間だと思われてるんでしょうか」
じゃれ付いてくる子犬のような森狼の子供を相手しながら答えるスカル。
「とりあえず言っとくとな、自分で倒さねえとカウントされねえから」
「グルゥ?」
「やっぱりそうですか、本当にギルドカードってハイテクですよねー」
腰につけたナイフで皮を剥ぎ取り、角を抉り取って肉を狼達に渡す。
狼達に皮を見せても反応を示さないことから、いらない物と判断してカードに仕舞いこむスカル。
ウサギの肉を食べ終わった若い狼がまたどこかへ走り去っていくのをボーっと眺める。
暫らくすると長が一声吠え残っていた狼達が子供を咥えてどこかに去っていく。
そして最後まで噛み付いていた子供を長が咥えその後についていった。
「もう帰るんですかね?」
「さぁな、俺たちはウサギ狩らないとな」
スカル達がそう話し合っていると後ろの茂みから物音が聞こえてきた。
「くまぁ?!」
「鎧熊か!くそっ不味いね、準備してきてねえぞ」
血の臭いに引き寄せられたのか、体のあちこちが甲殻になっている熊が茂みの奥から現れる。
こちらに気づいた熊が後ろ足で立ち上がり威嚇してくる。
「とりあえず抑える!」
スカルが剣を抜いて切りかかるが、あっけなく腕の一振りで吹き飛ばされ、そのまま鎧熊に押さえ込まれる。
「ぐあぁああ」
「くそっ、大丈夫かスカル!」
ガッ…ガッ
押さえ込まれたまま手に持った剣を熊の胴体にたたきつけるスカル。
しかし名前の通り鎧のように硬い甲殻部がそれを簡単にはじく、甲殻以外のところに当たっても毛皮が厚くそれを貫くことが出来ない。
「がぁぁ…くそっ、刺さりやがれ」
「闇雲に刺しても無理だ!腹や首を狙え、そこなら装甲が薄い!
畜生、こいつには矢がほとんど効かないってのに」
そう言いつつもジョーは急所を狙って矢を放つが、甲殻に邪魔され刺さらない。
近づくにしても一撃でも食らえば致命傷になるため、これ以上近づくことも出来ない。
「どうすりゃいいんだっての……」
本来なら落とし穴と杭を使って倒すべき魔獣だが、今はそんな物を用意することも出来ない
『不壊』のスキルがあるといっても噛り付かれた状態で頭と胴体を強引に引き剥がされてはさすがに危険だと思われるため、なんとしてもスカルを助けなければならないと思うが打つ手が無いことに、ジョーは愕然としながら矢を放つのをやめない。
ワォーーーン
どこからとも無く狼の遠吠えが響き渡り、数匹の森狼が熊の後ろから現れ後ろ足に噛み付く。
熊は急に現れた敵にスカルを押さえながら振り向こうとする。
その隙を突いてかスカルの振り回していた剣がわき腹に刺さり血が噴出す。
痛みに気がそれたのか狼を無視しスカルを押しつぶそうとするが、他の狼が背中から襲い掛かり爪と牙で攻撃する。
無視しきれなくなったのか立ち上がり背中に上った狼を払い落とそうとするが、その瞬間長が猛スピードで駆け寄り熊の喉元に噛み付き、食いちぎった。
ブチッ…ブチィ
そしてそのまま押し倒す形になり仰向けに倒れる熊、最後の足掻きか爪を振り回し暴れるもすでに狼達は離れており、足に当たったスカルが軽く吹っ飛ばされている。
さすがに首からの出血がひどく、暫らくすると動かなくなる。
それを見届けてからか狼達が警戒を解いた。
完全に死んだのを確認し座り込んだジョーがぼそっとつぶやいた。
「助かった……」
そう簡単に主人公は強くなりませんし
そんな予定は当分先になります
狼さん強い。主人公弱い(笑)
あと薬草採取飛ばしました
オッサンと骨がしゃがんで薬草探すのって見ていて楽しいでしょうか…