5話 準備中、そんな装備で
9/20お金の説明とか抜けてたので追加、一番最初のとこです
受付で初期費用の借受申請書を出し、金貨1枚分お金を借りる。
銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚、金貨100枚で金板1枚。食事なら銅貨数枚で定食を食べれるくらいだった。
これが基本の金額であり、国やギルドとしても結構な負担となるが、そうでもしないと冒険者になるものが増えないためであった。
武器や防具にお金がかかるしある程度の強さになれれば簡単に返せる金額である。
こう書くと武器や防具をギルドで配ればいいと思われるが、個人にそれらを合われる調整代よりも、自分の目で見て武器を購入するための鑑定眼や見極め、武器屋や防具屋との交流を考えれば、最終的にこちらのほうがお得となっていた。
そして、もし返済をしないで逃げた場合、魔力波を各ギルドや関所に配信されるのでどこのギルドも使えなくなり、さらに手配書も出されるので町には住めなくなる。金貨1枚に対して過剰なまでの対処をされるとあっては借り逃げは無意味だった。
「装備ってもなお前、防具いるのか?森狼に噛み付かれても傷一つ付いてないし、オークの棍棒くらっても壊れないってのに。
武器だってオークの首落としたのがあれば間に合わないか?」
「傷が付かないのなスキルの『不壊』とかだろうし、攻撃はスキル『骨』だと思うが…使い方が分からん。
とりあえず服だけでもほしいな、裸では格好が付かん…骨だけど」
「とりあえず防具屋で服も一緒に見てみるか。その後武器屋で試しに持ってみて決めるか」
「案内たのみます」
「しかたないねっと、ついてきなっても隣近所なんだけどね」
ジョーの話によると大抵の村は開拓村から普通の村、町に段階を追って成長するらしい
王国では土地を数キロ四方の升目に区切りその交差点を開拓村としている
地図で見ると開拓村の防衛線が2重に引かれ、その内側にぽつぽつと町が建っている、そしてそれを結ぶ街道と宿場町が並んでいる。
開拓村を多く作り数キロ単位で並べるのは隣の村に魔物の襲撃があった場合すぐ駆けつけれるようにしているためらしい
有る程度最前線の村が落ち着くと、内側の開拓村をつぶし資材を更に前の場所へと運ぶ、そうして少しずつ領土を大きくしてきたらしい
ちなみに獣人は種族特性としての身体能力の高さを生かし数チーム合同で森の奥まで入り、気に入った場所の木を倒して更地にし村を立てる、その後に隣の村との街道を作る、生活が安定するまではチームがそのまま残り魔獣に襲われても返り討ちにすればいいと言った安全性の無い方法をしていたりする。
ドワーフはそこまで開拓を必要としないので人が多くなれば他の町に修行に出たりすることが多い。
「エルフはどんな開拓の仕方を?」
「あいつらはその辺公開してないしなー、森国も排他的で人気の無いところだし外に出るやつらは
若い世代かハーフ、ダークエルフといった純血種以外だ」
お前も純血のエルフには気をつけろよと言われた。
とても気位が高く他者に対して高圧的な態度をとるらしい。
自分達を精霊に次ぐ種族で他の種族は下等な物と見ていると。
「おっと話が長かったか通り過ぎるとこだった、ここだ。
ちなみに大抵の町や村ではギルドのすぐそばにあるからな」
つれられて店に入ると、中は色々な服や主に皮を使った防具が飾られていた。
古着が多いのか半分ほどは薄く汚れが残っている。
「とりあえず服かシャツとズボン、ブーツにグローブっと、後はマント…いやローブかコート。
骨が見えないようにそろえるか。とりあえずこれに腕を通してみろ」
渡された長袖のシャツに袖を通してみるが袖口に骨が引っかかる。
うまく通せば使えるだろうが、下手をすれば簡単に破いてしまいそうだった。
「長袖か…だめだな骨が引っかかる、半袖はないのか?あと膝くらいまでのズボンで」
「ならこっちか、どうだ?」
「いいな、とりあえず2,3着そろえるか」
「ブーツは隙間埋めに布でも巻くか?と、なるとおばちゃん襤褸切れか古着ある?」
店のカウンターに座っていた老婆がどっこいしょと言いながら店の奥に入っていく。
暫らくすると奥からかごに入った補修用の古着を持ってきてくれた。
「グローブは…布をつめるために少し大きめにするか」
「ローブはフード付がいいか、色は…アイボリーこれで行くか」
「武器によっては使いにくくないか?」
「そうだな、おばちゃんこれはキープで。お会計いくら?」
暫らく考えていた老婆は銀貨5枚といい、それを払う。
「次は隣だ武器屋で色々試すぞ」
「うーん、どれも並程度か。スカルの世界って魔法あったっけ?」
武器屋の裏を借り各種武器を素振り程度で試してみる。
大剣、ハンマー、メイス等は重さゆえに体重の軽い骨の体では扱いにくく、槍等の長物は経験が無いゆえに扱いにくく、片手剣は何とか扱える程度であった。魔法が使えるのであればそちらを優先に鍛えたほうがよさそうなほどであった。
「いや、ないな。どうしたものか…」
「片手剣とバックラーあたりで練習かな、どうしても合いそうに無かったら別の武器にしてみよう」
店に並んでいる片手剣を軽く振ってみながら確認していく。
その中で明らかに非金属の剣を手に取ると違和感を感じた、それまで触ってきた剣に無かったものを感じる。
「この白っぽい剣は?なぜか手になじむんだが」
「あぁそれは骨剣といって…って、そうかスキルが効いてるのかもな。
魔獣の骨には金属の性質を持ったものがあってな、合金にしたりそのまま鍛冶で剣の形に打ち直したり出来るんだ。物によっては属性を乗せやすかったり、軽かったりするんだが、大抵は鉄以上の金属より硬度が低かったりする」
「これにするか、重さも手ごろだしな。
後はバックラー、木に鉄の補強か…これにしよう」
「あとはナイフだな、採取や剥ぎ取りに使うから切れ味重視か頑丈さで選ぶんだ。
この辺がお勧めで、昨日みたいに、解体の前処理もするなら骨切りに鉈でも買うか?」
「そこまでは必要ないだろ、普通のナイフを」
「他にはっと…やっぱこの装備ならローブよりマントか?」
「とりあえず一度精算して決めるとしよう、すいませんこれでいくらですか?」
隣の防具屋と同じカウンターに座っていたドワーフが計算する。
「あーっと、骨剣は在庫処分だ銀20でいい、バックラーは銀15、ナイフは銀5だな」
「じゃあこれで、意外と高いんだな武器って」
ドワーフにお金を払いながらジョーに聞くスカル。
「そりゃ、防具ってもほとんど古着だしなー」
「さてさて、次は道具屋だ、購入するのは生活雑貨だが……いるのか?」
「…いらんな、とりあえず必要なのは
サイドポーチ、糸、針、袋各サイズ、少々の布、皮…あと板か、染料はまた今度で」
「お?なんか作るのかい?」
「この格好で王都に行けば見世物だからな仮面でも作って顔を隠す予定だ。
が、借金を先に返さないとな」
「金貨1枚分か、がんばれー」
ジョーはスカルの借金が返済され切るのは時間がかかりそうだと思った。
実際辺境に近いこの村で大額の依頼は無い、小額の依頼も数人の冒険者で分け合っている。
定期便はあるも週2,3回、主に食料品が送られてくる、護衛は主に中級や上級の冒険者が引き受けている。
つまり返済にかかる期間は年単位か、もしくは森で魔獣を狩りその売り上げで返すか。
先ほどの武器屋でのことを考えると前者になりそうだと思うもそれは伝えないでいようと考えていた。
カルシウムってググると金属で出てくるんですよね
ただ、骨って焼くと灰になります
モンハンってどうやって武器にしてるんだか