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1話 零れ落ちた少年

何とかSideって魔法の言葉が使いたかった。

初投稿です。

「なんでこんなとこにいんの?」


「……え!?」


 僕は、僕しか居ない世界に現れたナニカに話しかけられて驚いた。誰も訪れることはないと思っていたのにいつの間にか黄色い人型のナニカが話しかけられたから。


「私はある世界を管理しているんだけど、あんたみたいな感じで他の世界から流れてくる存在があるから暇つぶしになるんだよねー」


 ナニカの話では僕は別の世界に渡ってしまった様だ。もしかしたらあの世界で起こったことが原因かもしれないけれど。


「そうそう! 運良く私に会えたんだから願いを3つ位叶えてあげるわよ。その上で私の管理する世界に転生させてもあげるわ。その代わり私は暇つぶしにあなたの生活とかを覗かせて貰うわ」


 気まぐれのように舞い込む幸運なのか、不幸なのか。元居た場所から異世界に渡り、さらに願いを叶えてくれるという。


「僕は、僕は消えたい。何も残さず魂ごと消し去って欲しい」


「それはむ……というか、もっと前向きな願いをしなさいよ! 元居た世界に戻すってのはできないけど、それ以外なら大抵できるから!」


「前向きって言われても、記憶が殆ど残っていないから特に浮かばないんだけれどどうしたらいいのかな?」


「あー、世界間を移動した弊害かもね。それじゃ、私がいくつか能力を見繕ってあげるから、私の暇つぶしを手伝ってよ! 手伝ってくれたら、あんたの来世が終わってからもう一度願いを聞くから、その願いを叶えてあげるわ」


 舞い込んできたのは幸運では無かった。ただの面倒事に巻き込まれる感じだ。そして恐らく拒否権が無さそうだ。

「分かった。で、何を手伝えばいいの?」


「そうね……あんたとは別に男の転生者っていうのがいるから、そいつが勇者として一丁前になればいいわ」


「具体的にはどうなればいい?」


「う~ん。ハーレムパーティを結成して、仲間と共に必殺技で魔王を倒して、魔王を倒した後は魔族と人との共存を願って実現させるぐらいはしてほしいな~」


 ハーレムパーティというのは女性だけしか入れてはいけないのなら転生者には男性との接点を無くしつつ女性との強い接点を持てるように工作する必要がある。

 仲間と共に必殺技を使うためにもハーレムパーティとなった者と転生者には相応の技量を高めて貰う必要があると思わえる。最低でも一回分の能力は必要だろう。

 魔族の王と予想できる魔王を倒した後に共存を進めるためには、共存のメリットを世界中、特に転生者に強く印象づける必要があるだろう。最悪魔族の女性に興味が出るだけでもいいかもしれないが、達成させるためにはそれだけでは少ない気がする。


「まあ、そう考えすぎなくても良いよ。失敗することもあるだろうし、うまくいかないこともあるだろうね。でもそれを気にしないで生きていくのが人間の良い所なんだから、あんたもそんなに気にしなくて良いよ」


「やれるだけやってみる。だから、また会うときは願いを叶えてほしい」


「はいはい。またその時になったら聞いたあげるから頑張っておいで~」


 そう言われて僕は異世界に生まれ落ちることになった。誰も居なくなった暗がりに包まれながら今までの事を思い出す。


 世界が滅んで、僕だけがそこに取り残された。そこから異世界に流れ着き、ナニカの手伝いをすることになった。

 だけれど僕は、世界と一緒に消えたかった。あの世界のことが好きだった。涙を流しても泣き叫んでも、もう何も思い出せない。もう記憶も無くしてしまったから、何かを失った悲しみしか思い出せない。それが転生したからなのか、それ以外なのかは分からない。




 私の突然目の前に現れた少年に対して条件反射で声を掛けた。


「なんでこんなとこにいんの!?」


「……!?」


 聞いたことのない言葉で返事を聞いた。恐らく私の管理する世界以外の場所からやってきたのだろう。とりあえずテレパシーで思念のやりとりで少年に気付かれないように会話をしよう。私は慌てたり困った姿を見られたくないからな!


「私はある世界を管理しているんだけど、あんたみたいな感じで他の世界から流れてくる存在があるから暇つぶしになるんだよねー」


 最近では余り見ないけれど、まれに異世界から渡ってくる漂流者のような存在が居るんだ。今回は珍しく2人も短期間で訪れた。


 まあ、それはどうでもいいけど、何か答えてよ! 私のテレパシーがちゃんとできてるか不安になってくる。


「そうそう! 運良く私に会えたんだから願いを3つ位叶えてあげるわよ。その上で私の管理する世界に転生させてもあげるわ。その代わり私は暇つぶしにあなたの生活とかを覗かせて貰うわ」


 さらっと本音が出たけど、願いを言えと聞かれたら何か答えるでしょう。

 もし、テレパシーが通じていなければかなり恥ずかしい気がするけど、私がそんな失敗するはずがないし、大丈夫。

 少年はしばらく考えていると、私に応えた。


「僕は、僕は消えたい。何も残さず魂ごと消し去って欲しい」


 よかった、通じた。

 ……って思ってたけれど何で消えたいって願いなの!? 願いっていったら『俺Tueee』したいとか、生産系チートで『種強化おいしいです』とか、『最強の魔力と力と、あと良いの全部』とかじゃないの!? 理解できないわー。

 そもそも、魂ごと消すのは私にも無理だけど。


「それはむ……というか、もっと前向きな願いをしなさいよ! 元居た世界に戻すってのはできないけど、それ以外なら大抵できるから!」


 本音が出かけたわ。

 それはともかく、もっと前向きな願いをして良いじゃない! 消えたいだなんて、そんなの寂しすぎる。ハーレム体質でも不老でもいいから前向きな願いをちょうだい!

 さすがに元に居た世界に戻すのは出来ないわー。無数にある世界の何処から来たのかも分からないのに、元の場所を探し出すのは私じゃ無理。


「前向きって言われても、記憶が殆ど残っていないから特に浮かばないんだけれどどうしたらいいのかな?」


「あー、世界間を移動した弊害かもね。それじゃ、私がいくつか能力を見繕ってあげるから、私の暇つぶしを手伝ってよ! 手伝ってくれたら、あんたの来世が終わってからもう一度願いを聞くから、その願いを叶えてあげるわ」


 記憶が無いのね。好都合かもしれない。悲しい記憶が強く残っていれば来世で克服しきられないかもしれなかったから。

 とにかく無理矢理にでも私の世界に送って生きてくれれば消えたい思いも無くなるはず。

 私には立場上できないけれど、私の愛した世界なら、この少年を癒してくれるはず。……癒してくれるといいなー。


「分かった。で、何を手伝えばいいの?」


「そうね……あんたとは別に男の転生者っていうのがいるから、そいつが勇者として一丁前になればいいわ」


 実際目的なんてなんでもいいのよ。私の世界の子どもじゃなくても悲しい願いを持つ少年には明るくなってほしい。


「具体的にはどうなればいい?」


 しまった、適当に思いついただけの願いにつっこまれた!

 ここで何も考えていなかったと言ったら幻滅されるかもしれないわね。でもそれは女神としてのプライドが許さないわ。こうなったらアドリブでそれっぽい事をいってみるわ!



「う~ん。ハーレムパーティを結成して、仲間と共に必殺技で魔王を倒して、魔王を倒した後は魔族と人との共存を願って実現させるぐらいはしてほしいな~」


 言ってて無理じゃないかって思ってきた。


 ハーレムパーティ(笑)とか難しいだよ! 相手が特定の性別を操ったり魅了してくる相手が現れたら全滅必死! もし七英○みたいな敵が現れたら全滅ね。


 仲間と必殺技を使うって戦隊物でのロマン溢れる技だけれど実際使おうとしたら隙だらけでしかも消費がデカく、さらに回避されたら士気が落ちそうね。最悪なのはどっかの究極魔法みたいに跳ね返されたら全滅必死2! そして逃げられないってこともありそう。


 魔王を奇跡的に倒せても魔族と共存って無理だわ。そもそも私の世界の魔族には、魔物を作り出す瘴気を生み出すし子どもを成すこともないし魔族特有のあれがあるからついていけるとは到底思えないわね。


「まあ、そう考えすぎなくても良いよ。失敗することもあるだろうし、うまくいかないこともあるだろうね。でもそれを気にしないで生きていくのが人間の良い所なんだから、あんたもそんなに気にしなくて良いよ」


 むしろ出来たらあんたはすごいわよ! あんたこそ真の勇○って言ってあげるわ。

 まあ、無理でも仕方がないわ。だって適当にでっち上げた目標だしね。


「やれるだけやってみる。だから、また会うときは願いを叶えてほしい」


「はいはい。またその時になったら聞いたあげるから頑張っておいで~」


 その時は良い意味で変わっていることを期待して私の管理する世界に送り出した。

 

「さってと。少年が良く変われるように、それにあの転生者の願いに沿って目的が叶うように、少年の能力を考えないとね」


 今回は良い暇つぶしになりそうね。


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