異能対策委員会ってなんぞや
「よくわかった。これで終わりだ。井戸は三ヶ月の停学処分だ。ちょっと榊は残ってくれ」
金髪もとい井戸はバツの悪そうな顔をしながら職員室から出て行った。
「榊、お前今までに何回能力を使ったことがある?」
「人に使ったことはないです」
おそらくだが、俺が能力を使った点から異能の不正使用を疑ってるんだろう。
「それは知っている。お前の能力は犯罪向きと言えらから、発言した七歳から常に監視していたからな」
「マジすか……」
最悪すぎるだぁ。じゃあ俺の厨二病が発現していた時も見られていたってことかよ。
「別に咎める気はない。なんか中学生の時やけに張り切って使ってたのも知ってるしな」
「……っ、その話はちょっと……」
恥ずかしすぎて死ぬ。くっそあの時のイキリ厨二のせいで俺の能力もキモい名前になっちゃったし、マジで思い出したくない記憶だわ。
「まぁ、そこじゃないんだ。話したいことは。榊、この学校に異能対策委員がいるって知ってるか?」
「えっ、それって能力者のトラブルを解決する人らのことですよね」
昨日パンフ見たらあってびっくりしたわ。本当に大変そうな委員やしかわいそーって思ってたから覚えてる。
「実はな、対策委員……あっ、みんないちいち異能って言わないんだ。だから対策委員な。それでその対策委員ってのは一クラスごとに一人いる訳なんだが、どうだ榊やらないか?」
えぇ……嫌すぎる。これじゃ面倒ごとを避けるどころか、突っ込みに行くことになるじゃんか。よし丁重にお断りだ。
「すみませんけど、自分そうゆうの向いてな――」
「ちなみに、受けてくれなかったらお前も謹慎三ヶ月だ」
被せてくんなよ……何それ、やれってことじゃん。わざわざ食い気味で言う必要ないだろ。はぁ、流石に三ヶ月間学校に来れないのはまずい、これじゃクラスで金髪と一緒に腫れ物扱いだ。甘んじて受け入れるか。
「わかりました。そのなんとか委員会入ります」
「おう、異能対策委員会な。じゃよろしくってことで、ちょうどガイダンスも終わった頃合いだし、ついてこい。説明会が始まるぞ」
「え?なんのですか?」
もしかして異能対策委員会とかじゃないよな。
「何って対策委員以外ないだろ?」
「……そうですね、それしかないです」
……いやいや、おかしくね?ガイダンス終わったばっかで、すぐにこんなめんどくさそうな委員会入るやつなんておらんくね?一人ぐらい代わりモンがいたとしてもさ、一学年のクラスはAからEまでの五クラスで、俺は決定やとしてもE除いただけで四クラスあるわけで、ありえんな。てことは説明って言ってもガチガチのやつじゃなくて、十分ぐらいで終わる顔合わせ的なやつってことだ!そしたら今日はガイダンスしか残ってなかったから帰れる。やべぇ、俺天才かも。
―――
「よし今年も早速新人五人ちゃんと入ったから、第一回異能対策会議を始めるぞ」
なんで……こうなるの…てか先輩っぽい人らみんななんか癖しかないんだけど。新入生側って案内されたけど、なんか新入生も近寄りがたいやつしかいねぇ。どうなってんだ。異能対策委員会、ここやべーやつの温床じゃねーか。