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5 異世界でたこ焼き三昧

 あれから異世界にいる間はもんのすごいチートな状態に嬉しくなった我々は、まず何をしたかと言うと、食べたいものを異世界で作りまくって食べた。主に粉もんだ。


 リアルでは中年な我々は私が一度倒れたこともあり、かなり食生活には気を遣っていたために、好きなものを好きなだけたらふく食う。ということが出来ない日々を送っていた。


 特にひもじい思いはしていないが、自炊をするにしても塩分も糖質や糖分も配慮して作るのは、ただ自炊をするだけでも面倒な上、倒れてから体調体力が復活してない私は料理そのものやその為の買い物も大変なのに味付けにも配慮するのは、気を遣う点が多くその分の負担が大きく周りが思う以上にしんどくくたびれることなのだ。


 それが!異世界では何を食べようがくたびれないわ、太らないわ、健康優良児。

 最初は持参したい物は寝室に持ち込んだり、何かしら札を貼ったりやらロープで自分たちと繋ぐことで異世界持ち込みしていたが、そのうち異世界で思い浮かべたら我々にしか見えないタッチ画面が出てきて、そこに思い浮かべたものが表示されタッチすると異世界に出現し、「しまう」ボタンを押せば消える、又はリアル自宅に戻ることがわかると、もう簡単に出したりしまったりをして、我慢してきたたこ焼きやお好み焼きを作っては夫=宏樹=アーサーと食べまくっていた。まだ子供なので口の周りにベッタリとソースや青のりをつけまくりながら。


 不思議なもので食べたい欲求が異世界で達成されれば、リアルでは然程あれ食べたい!欲求が抑えられ、普通のたんぱく質、脂質、食物繊維のバランスの取れた質素な食事で十分満足になり、身体の疲労感も減り、作る量も減り、結果自然と健康的に痩せていったことは、嬉しい誤算といえた。


 こうなると、マクドが食べたい、ケーキが食べたい!となると購入し、それを持って異世界に行き、異世界でマクドやケーキを食べて戻って来ると言う荒技な裏技もするようになると異世界にも自然と順応し、当初心配していたような異世界ならではの負担やストレスもまだ感じることなく楽しく過ごせていて、私とアーサーの家のスタッフ達も「生まれたときからの許婚とはいえ、あんなに仲良しな許婚や婚約者(生まれながらの許婚ではなく成長してから組まれた主に政略結婚の婚約者)はなかなかいない!」と微笑ましく見てくれる。


 そして、侍女や侍従がソースの匂いにたまらない顔をするので、たこ焼きやお好み焼き、焼きそばを皿にのせて「食べる?」と差し出すと遠慮しつつも皆んな嬉しそうに手に取り、ふうふうとしながら頬張ると

「んんんんんん〜〜〜〜!!!!!!!なんですか!?この絶品料理は!!」

と驚愕で恍惚の表情をする。純粋に嬉しい。そして、やはりよくある異世界飯テロ作品のようにリアル世界の料理や調味料は、こっちではこうなるのだな、異世界の味付けは悪くないけどリアル世界ほどではなく、未知なる味付けや料理になるんだなと思った。


 でも、ソースばかりじゃそろそろ飽きるから明石焼き風にたこ焼きを出汁につけて食べたいので簡単に出汁を作ることにする。地元では明石焼きではなく玉子焼きと言うのだが、卵焼きと紛らわしくなるので、明石焼きでいかせていただく。


 そして、そのたこ焼きを真剣な顔で作っているのはアーサーだったw

神妙な顔つきでたこ焼き用の粉ではなく我が家はお好み焼き用の粉でたこ焼きも作る。

タコを切って、天かすを入れて、紅しょうがも散らして、竹串でひっくり返して。

その間に小鍋に水を入れ温めたところにほんだしを入れ、あまり濃い味付けにならないように隠し味程度の薄口醤油を気持ち垂らして、決め手は三つ葉。ネギではなく三つ葉。


 三つ葉を入れるだけで味が決まる。これでソースなしのたこ焼きもソースつけたたこ焼きもとても美味しく頂ける。


 アーサー(宏樹)はとにかくほんだしを使っていれば間違いないのだ。


 その出汁に入ったたこ焼きもスタッフにもお裾分け。


「な!なんと!先ほどのとは違いさっぱりとでも味わい深くいただける!ソースのこってりさを洗い流してくれて、お腹がいっぱいと思っていたのにこの薄味なのに深いスープで食欲復活しましたわい!」


 侍従のほうがほんだし出汁は気に入った模様。たこ焼きにチーズ入りや餅入りも入れると若いメイドたちはキャイキャイ言いながら仕事も忘れてパクついている。


「胃袋を掴むと違うわね…最初無愛想だった侍女も今はメイドらとニコニコしてる」

「やっぱりさ、こうやって大げさじゃなく普段からちょっとずつ労って、誠意を持って家来に接することは異世界でも同じなんだよ。特別も大事だけど日常が大事で、ここぞという時物を言うんだろうね。まぁ、俺は人に期待しないから俺自身も鍛えないととは思ってるよ」

「こういう時に小難しいこと言わずにぃ〜食べな食べな〜!」

「おお!こっちも返さないと!竹串竹串!羽奈…ううん、アンさんも」

「あんさん?」「アンちゃん」「私の名前紛らわしいなw」


 異世界は人間関係も良好で居心地がいい。リアルも良いけどやはり色々抱えてるから

 異世界のほうが楽しいかもしれない。

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