16 アカデミーでの過ごし方
アンのアカデミー入学が決まった。それにより心配だらけのアンの体調やメンタルを守るためにアーサーとアンとアーサーの両親とも協議をし(なぜかアンはお任せで協議不参加)、
こちらの世界では湯水の如く使える財力をこれでもか!と注ぎ込み、アンとアーサーは入寮ではなく2階建ての別館を新築した。またその別館にはアンとアーサーの研究室と言う名の私室もある。つまり・・・
入学したけど成績良すぎて即飛び級卒業者扱いだけど、
この2人がアカデミーに通学するならアカデミーとしても箔がつくからって言うことと、夫婦であると言う説得力をもたせるために入寮してしまうと、男女別れての入寮になる上、風紀問題としてもいかがなものか・・となったため、いっそ研究室という名の別棟作っちゃおうぜ、なんならエレクトーンもそこで演奏披露するのもありでしょう等々、騒音問題も解決するし、ゆっくり調理も作れるし、侍従や侍女、メイド等々側仕えスタッフも在中出来る。学内ではあるものの全額両家負担で、卒業後は職員の研究棟として寄付することも決まっているため(但し、在学中のアーサー&アンが不利益なことになればそく白紙)と言うなかなかな強火な形での通学条件となったので、
まぁ、これなら快適でしょうと入学することになった。
入学と言えど、即卒業でもあるため、通学なのだが。ここが一般生徒達が勘違いしそうなので、きちんと「飛び級特別生徒である。」「夫婦である。」を学院長には各教師、生徒達によくよく周知するようにと釘を刺した。
正直、アンに至っては別棟にいても、もう通学面倒となれば、
実家に戻っても良いとされていたので、「月1でいいかな?」とアンは言っていたのだが、珍しく強メンタルなアーサーが
「アンと離れていることが異世界だけにどう作用するかわからないので、通学してほしい。出来るだけ一緒にいてほしい。なによりアンのご飯が食べられないのはさみしい」と懇願したので、それはそうだね。となり別棟滞在となった。
アンの実家、レッド家はアカデミーから馬車で40分程、アーサーの実家グリーン家は30分程度なので、別に毎日通学出来るのだが、アンは実は馬車酔いするため、体調によってはその40分、往復80分が堪える可能性があった。なので、アーサーの家に泊まることも視野に入れつつ、日中心置きなく休める態勢と言う意味でも、別棟でもしっかりとした設えがされていた。
準備万端で入学式を迎えることになった。
入学式に向かうとアンとアーサーの前に元気の良い令嬢が待ち構えていた。クララ・ラーク伯爵令嬢!まさか、なんと信じられないことに、なかなかの好成績でクララは入学していて、さらになかなかの美少女に成長していたので羨望の眼差しを受けるほどの人気っぷり。これにはアンとアーサーもびっくり。
ところが、当の本人は母親同様にアンとアーサーのことは、完全なる恩人と認定していたので、クララが丁重な姿勢で接するあの絶世のカップルは何者だ!?状態になってしまっていた。
実はここにグリーン家両親の思惑があった。次期公爵夫人のアンはともかく、アーサーは本当にもう少し社交を頑張ってくれと思っていたゆえのアカデミー通学だった。
いや、社交が不安と言うわけではない。何でも卒なくこなすので本当にアカデミーは不要で、それこそ即公爵の右腕となり、仕事に邁進してもらっても問題ないのだが、それは次期公爵となる上で人間形成として大丈夫か?と思ってのことだったのだが・・・
中身はおっさんなのである。なんなら現世で大企業勤務何十年だ?なおっさんで人間関係で悩んだことなどないという羨ましいほどの鬼メンタルなのである。アンはその辺豆腐メンタルなので人間関係苦労だらけ。社交を鍛えたほうがいいのは寧ろアンなのであるが、心身の不調が心配なので無理はさせられんと言うことなので。
知らぬは親ばかりなのである。いや、本人以外誰も知らんのである。中身がおっさんとおばさんなのはw
「アン様!アーサー様!お久しぶりでございます!一緒に入学出来て嬉しゅうございますわ!クラスも同じなんですのよ!私一緒のクラスになりたくて本当にお勉強も受験勉強も頑張りましたの!成績優秀だと同じクラスになれると聞きまして!これからの3年間が楽しみで仕方ありませんわ!」
「クララ・・そのことなんだけど、、実はね、私たち」
事情説明。
「そ、そんなぁ!!一緒に勉強出来ませんの!?同じクラスでひとりぼっちにならずに済むと思っていたのに!!(ToT)
で、でも、そうでございますわよね、アン様のご体調を優先しないとですし、お二人の優秀さを思うと入学即卒業も視野に入れておくべきでした。盲点でした。」
そりゃ盲点でしょう。創設始まって以来の快挙だ。思いつくはずがない。
「クララ嬢、それでも僕がいないときはアンひとりではさみしいと思うし、僕も心配なのでクララ嬢さえ良かったらアンの部屋に来てもらえますか?アンも体調の良いときはクララ嬢と一緒に授業を受けるといいよ。解っていることでも教師から学ぶこと他の生徒たちと学ぶことでより理解が深まると思うし」
「そうね。クララそうしてもらえると助かるわ。子供の頃と違って私もそこまで気が強くなくなってしまったの。心身がしんどいとどうしてもそこまで気持ちを強く持てないの。だから気が強くなくなってしまったのよ。逆にとても耐え難い腹立たしいことがあれば、手が付けられないくらい激怒してしまうの。」
「それを人は気が強いというのでは・・アン様・・、いえ、こほん・・」
「あら、言うようになったわねwクララ。そうね。でもそこに至るまでにストレスで倒れてしまうので、そうならないようにアカデミーで過ごすことが一番で。嫌になったら卒業してるようなものなので、すぐに実家に帰ってここには来ないわ」
「全力でお守り致します!」
「アン、なんだか元気がでてきたみたいだね!そうだ!せっかくだからクララ嬢にあれ、やってあげたら?」
「あーあれね!クララもここでの生活に不安を感じているみたいだし、幾分気楽になるかもだから入学式が終わったらお部屋にいらして」
「なんですの?もう入学式抜けて今から行きたいです!」




