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淑女魔王とお呼びなさい  作者: 新道ほびっと
第二章 四国同盟編
79/110

78 閑話 夢からさめてしまわぬように

短めです。


 ここはどこだろう。オレはだれだろう。

 ここはどろどろ、ここはゆらゆら。オレは――

 オレは、シオン。オレはスライム。スライムってなんだっけ。

 スライムはどろどろ、ここはどろどろ、ここはスライム?


 なんかいもおなじことをかんがえてぐるぐるしている。

 ぐるぐるしすぎて、きぶんがわるくなって、そうするといつもみみをすませるんだ。

 とくんとくん、とおとがする。

 そのおとをきいているとほっとして、でもなみだがとまらなくなる。

 いまのオレには、なみだなんてながせないはずなのに。


 オレは、オレのことをスライムだとおもっていた。きみがそうだといったから。

 でもたぶん、ほんとうはちがう。まざってしまったいまならわかる。

 きみがあのひあつめてくれたオレのかけらは、バラバラすぎてけんじゃのいしのちからをつかってもオレになれなかった。

 だから、じかんをかけることにしたんだ。ほんとうのオレになるために。


 オレにあしがあれば、きみのところへはしってゆけるのに。

 オレにてがあれば、きみのなみだをぬぐえるのに。

 オレにくちがあれば、もっときみとおはなしできるのに。

 

 ほんとうのすがたになれたら、なにをしようかな。ほんとうのオレはどんなすがたかな。

 いつもまもられてばかりだから、きみをまもれるようなつよいすがたがいいな。

 あのひ、しろへやってきたおおきなドラゴンみたいなすがたなら、きみをまもれるのかな。

 せなかにはおおきなつばさ、てにはするどいつめ、あらゆるものをかみくだくギザギザのは。

 もしスライムではなく、そんなすがただったなら。

 

 かなわぬゆめをいだきながら、オレはふたたびまどろみのなかへとけこんでゆく。

 そう。スライムがドラゴンになりたいなんて、そんなありえないゆめをいだきながら――

 

今年の投稿はこれで終わりです。

来年から第三章に入りますのでよろしくお願い致します!

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