封印
十年前、これが最後と思っていた恋愛に敗れた時のことを詩にしました
なにを
喚こうが
嘆こうが
貴方は帰ってこない
若さも返ってこない
丸抱えで持っている
若かった貴方との日々
歯ブラシをバスタオルをマットレスを買う
大人の女気取りが楽しくて
料理をすればアイロンをかければ
頭を撫でてくれる
子供扱いが嬉しくて
溜息も涙も漏らすことなく閉じ込めた心に
思い出が渦を巻く
けれどこの間貴方からのSNSの友達登録を
躊躇いと戸惑いを隠すことなく削除した
現実が顔を出して
現実に過去を戻したところでなにになろう
さすればたちまち酸化して見るに堪えぬ姿に
過去は後ろ髪を捕まえて
心の中に封じ込めるの真空パックに
私が消えるその日まで
美しいまま鮮やかなまま
読んで下さりありがとうございました