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16 始まりの少女5

「修平さん、どうします?」


 遠藤修平は困っていた。元々荒事が得意な

訳ではない。みんなもそうだ。但し、結城高

弥が単なる頭脳労働派の極みではなかったこ

とは少し心強かった。


「多分彼女は隣の民家を勝手に通って裏通り

を抜けているんだと思います。」


「そうなのか、解ってるんだったら早く言っ

てくれよ。」


「そうとしか考えられない、という根拠しか

ありませんが。」



「じゃあ、そっちだけ張ってあとは捨てる。」


「大丈夫ですか?」


「表は反社が見張ってくれているさ。」


 二人が当たりを付けたルートで隠れて待っ

ていると、一軒家から彩木瞳が出てきた。家

人のふりをして怪しまれないようにしている

ようだ。


「どこに行くんだろう。とりあえず、跡をつ

けるぞ。」


 徒歩の彩木瞳に対して、結城高弥は同じ徒

歩、遠藤修平はバイクで追う。


 彩木は荻窪駅から電車に乗った。修平はバ

イクを置いて高弥と合流し、跡を追った。新

宿で乗り換えするときに見失いかけたが、な

んとか見付けられた。


 本郷三丁目駅を降りて、そこからは徒歩だ

った。


「帝都大学に向かっているようですね。」


「なんでだろう。確か高校生だったはずだが。」


「確か、探しているグループに大学生が居ま

したたね。もしかしたら彼の字の方から接触

しようとしているのかも知れません。」


「なんでだ?」


「なぜ自分が追われているのか、知りたくな

るのは当り前です。追っているグループの中

で女性がいたのは一つだけでしたから。」


「なるほど、そういうものか。」


 瞳の後をつけていると、帝都大学の構内中

に入っていった。


「しまった。」


「どうした?」


「IDがないと中に入れません。」


「そうか。じゃあ彼女はどうして中に入れた

んだ?」


「あの中の一人、または複数が帝都大学生だ

ったんでしょうね。一緒に入れは問題ありま

せんから。」


「そうか。とすると俺たちには無理だな。ど

うする?」


「少しだけ時間をください。」


 そう言い残すと結城高弥はどこかへ消えて

いった。なんとかするだろう、と疑わない修

平だった。

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