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津谷景子の一日目 その7

明さんはまた水を一口飲むと、じっと私の目を見つめながら言った。


「この力を取り戻せたのはケイさんのおかげだからね。ヨガで下地は出来ていたのもあると思う。それにケイさんが殺されたショックも加わって眠っていた力が戻ってきたんだ」


その明さんの言葉に違和感があった。何だろう、日本語がちょっと変?


「殺された?」


「ああ、ちょっと言い方が変だったか。何で俺も過去形にしてるんだろう? まあ、身近な人にそう言う危険が迫っていたから俺の力が復活したんだと思う。ともかくケイさんのおかげだからそのお礼をしないとね」


 何だか納得したような、しないような微妙な気持ちだったが、助けてくれるのはありがたい。

私は素直にその好意を受けることにした。


「ケイさん、明日休みやろ? 予定あるの?」


「人に会う予定はないですね。ヨガをしたり、買い物したり。かなあー?」


「なら明日は犯人捜しとボディーガードをかねてデートでもしよう。ちょっと行きたいところあるしね」


 デートと言われて、少しどうしようか考えた。

今日は一緒に食事をするだけと軽く考えていた。

でも本格的なデートはどうしよう? 

明さんは自分の生徒だし、生徒との付き合い方や距離感は難しいのだ。

でも今回は事情が特殊だし、明さんとは昨日今日の間柄ではないので別にいいかな。


「はい、わかりました。でもボディーガードってやっぱり必要ですか?」


「そう。今日からは一人で外を出歩かんほうがいいな。誰かと一緒に行動したほうがいい」


「そうですか。明日は朝ヨガに行くつもりなんですけど……」


「朝ヨガって何時から?」


「荻窪のスタジオで七時からやるつもりです」


「七時? はや! ヨガのインストラクターも大変やな。休みの日も練習か」


「いやまあ、休日のヨガは趣味みたいなものですし」


「そうか。じゃあ、明日は六時にケイさんのマンションまで迎えに行くわ」


私は明さんと明日の約束をすると、電話番号を交換してから店を出た。


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