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天間明の二日目 その4

荷物を預けると、やっとお昼ご飯になった。

もう三時近いので明はお腹がペコペコだった。

そんな明のお腹を見透かしたように、ケイの連れて行ってくれたお店は食べ放題の店だった。


食べ放題と言っても、どっちかと言えばデザートがメインの店みたいだ。

でもハンバーガーやスパゲティなどがあるので気にならない。

ケイはハンバーガーを一個食べると、その後にケーキを九個お皿に乗せて持って来ていた。


「ここのケーキ美味しいんですよねー」と嬉しそうにケーキを平らげていく。

ケーキは普通より小さいとはいえ、九個をぺろりと平らげていくケイの姿は見ものだった。

ヨガスタジオに来ている生徒はケイがここまで食事制限をしていないと知るとショックを受けるかもしれない。


「ケイさんって、あまり太らない体質?」


「そうかも知れないです。小さいころは細すぎて心配されたくらいで。今はヨガもやっているので運動したカロリーを補わないと駄目ですもんね」


 そう言って、ケイはクレープとワッフルを取りにいっていた。

普通に吸収していたらアシュタンガヨガでのカロリーくらいは十分取っているだろうけどなあ、と明はハンバーガーを頬張りながら思った。

うん、うまい。


明は普通の食事を終えると、ケイの三回目のデザートのお代わりに付いていった。


「ここで自由にトッピングできるんですよ。オリジナルのパフェが出来ますよ。夢のようですよね」


 そう言いながらケイはすべてのトッピングをソフトクリームに掛けていた。

オリジナルと言うか、全部を欲張って掛けているだけのような気がしたが、明も真似して同じパフェを作ってみた。

眼がチカチカするほど派手なパフェが出来上がる。

食べ物と言うよりはデパートのクリスマスツリーのようだ。

食べてみると予想通り甘かった。

疲れているので食べられるが、少し甘すぎるかな。


「ところで犯人捜しの話をそろそろ進めたいのだけど、本当に最近付きまとわれている人とかいないの?」


「ううん。いないですよ。よく話しかけてくるお客様とかはいますけど、付きまとわれているほどじゃないかな」


「元彼とかは大丈夫なの? 未練が残ってそうな人はいない?」


 明はそう言いながら今ケイに彼氏がいないのかどうかが気になって仕方がなかった。

ケイが「元彼ですか?」と言ってから指折り数え始めても仕方がないと明は思っている。

ケイなら男の引く手あまただろうし、もしかしたらもう結婚して旦那さんもいるかもしれない。

『うちのケイを守ってくれているんだってね。ありがとう』なんてとても爽やかで格好のいい旦那が出てくるのだ。

そんな考えが頭中を回り、明は少し気分が重くなった。


「ああ、その点は大丈夫です。まだ彼氏いたことないですから」


「は?」っとつい大きな声が出てしまった。ケイは明の声に驚いている。


「そんなわけないやろ。ケイさんって二十二歳だっけ?」


「そうですよ」


「え? 何が起こって誰とも付き合っていないの? 告白とかいっぱいされたでしょう?」


「あの、私、引き篭もっていたんですよ。十六歳から二十歳まで」


 それを聞かされて、ケイが引き篭もるイメージがまるで結びつかないので驚いた。

とても理由を知りたかったが、聞かないで置くことにする。

簡単に聞いていいような内容ではない気がしたからだ。

 

結局、ケイを狙う犯人捜しは薫子の協力を得てやることにした。

まだケイが個人的に狙われているのか確定はしていないが、明日も送り迎えをする約束をする。

 

食事も終わり、次はケイのバッグを買いに行くことになった。

明の服を買うのにも三時間ほど使ったので、時間が掛かるかなと明は覚悟していたが、意外にもケイは数分迷って前と同じバッグを買っていた。


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