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天間明の一日目 その7

ケイはタコライスを美味しそうに食べていた。

五十鈴のお気に入りの店だったが、それなりにケイも気に入ってくれたようだ。


さて、これからが本番である。何せ、予知能力なんてものを信じてもらわないといけない。

ケイは怒り出すような性格ではないと思うけど、本気にしてくれない可能性は高い。


「これから言うことは冗談ではないから、そのつもりで聞いて欲しい」


「はい」とケイはやや緊張した表情になる。


「実はね。俺がこんなに真剣にヨガをやっていたのは失っていたある力を取り戻すためなんだ」


「へ?」


「その力って言うのが予知能力なんだよね」


「予知能力?」

 

ケイが怪訝そうな顔をする。

明は信じてもらうために、グッと力を入れて言った。


「そう予知能力。未来がわかるっていうやつやね」


「はあ」


 ケイは反応に困ったような顔をしていた。

信じてもらえないのはわかっていたことだが、もっと上手い説明を考えておくべきだったかもしれない。


「それでさ。今日ケイさんが死んでしまうのがわかってるから、それを食い止めようと思って今日食事に誘ったわけやねんな」


「へえ」


 急にケイの眼が輝き出す。

それから明の話をケイはノリノリで聞いてくれた。

信じているかどうかはわからないが、ケイはどうやら不思議な話が好きみたいである。


「予知ってどんな感じで見れるんですか?」とケイは嬉しそうに聞いてきた。


「俺の場合は予知夢で未来のことが断片的にわかるねん。例えば明日のニュースの記憶があったりする。だから、ケイさんの情報もニュースを見てわかるようなことだけなんだよね。犯人とかはわからんねんな」


 明は東京に来てからは、出来るだけ標準語で話そうと心がけている。

郷に入れば郷に従えの精神だが、五十鈴からはアクセントが関西のままだといつも言われていた。

今日は緊張のためか、ぽろぽろと関西弁がでる。

私服のケイさんと一緒にいるのがこんなに緊張するとは思わなかった。

恋心とは恐ろしい。


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