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津谷景子の一日目 その1

これは完結していますので、終わりまで毎日連載していきます。

良ければ読んでやってください。

知り合いから突拍子もない話をされたらあなたは信じるかな? 

私はけっこう信じてしまう。

信じたほうが世の中けっこう楽しい。

人魚も河童も宇宙人もいたらきっと楽しいと思う。

世界滅亡説とかは話半分で聞いているけど、最後の一日は何をして過ごすか考えるのはけっこう楽しいじゃない。

自分の本当に望んでいることも少しわかるしね。


 でも大人になるとそんな信じ難い話をしてくる人はほとんどいない。

オカルト好きの友達が都市伝説を話してくれるくらい。

私は心の底で何か刺激のある話を求めていたのかもしれない。


そして、その想いは不思議なことに叶ってしまった。



吉祥寺駅西口から二分ほど歩いた場所に三階立てのビルがある。

一階のおしゃれな耳鼻科を横目に階段をリズミカルに上がると、お子様用の歯科医院があり、そしてその上に私の勤めているヨガスタジオがある。

そこで私はヨガを教えている。


ガラス扉を開けると藍色の絨毯が敷かれた部屋に受付がある。

私の持ち場の一つだ。

待合室には白いソファーセットにヨガの本が多数、それにミネラル水が飲める給水器が置かれている。

給水器の裏にはプライベートレッスン用の個室があり、別料金でマンツーマンレッスンがそこで受けられる。


その奥にあるスタジオは大きな窓が連なっていて、吉祥寺の駅前を一望できる。

駅前だと言うのに日当たりもよく、またパトカーのサイレンぐらいしか騒音が届かないので私はとても気に入っている。

たまにどこからともなく電子レンジのチンという音が小さく聞こえたりもするが、ヨガを深め、瞑想するにはもってこいの場所だ。


私の勤めるヨガライク吉祥寺店は、男性も通えるヨガスタジオで、少ないながらも男性の生徒さんもいる。

日本では美容効果を大きく取り上げられているためか、ヨガの男性の生徒が少ないのが現状だね。

三十人に一人男性がいればいい方かな。


そんな少ない男性客の一人が天間(てんま)(あきら)さんだった。


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