第65話『Q.今の自分を動物に例えると?』
すいません。今回短いです。
「はい。審査員からの確認も取れました。G級冒険者への昇格おめでとうございます」
ギルドに戻った俺たちはすぐに報告を済ませた。ギルドのお姉さんからの祝福の言葉は定型文であるが、しかし本当に俺を祝福してくれいてるようでとても素敵な笑顔で祝ってくれている。間違えて惚れてしまいそうだ。
「あ、ありがとうございます」
まずい。動揺が隠しきれていない。落ち着け俺、落ち着くんだ。こんな時こそクールに、そうクールに行こう。
「すぐにFランクに上がってみせますよ」
決まった。渾身の俺のイケボが炸裂! とおるはお姉さんのヒキ顔を手に入れた。
なぜだ、なぜなんだ。完璧だと思ったのに……。まぁいい。俺には心に決めたメインヒロインがいるんだ。MPの影響でぶっちゃけこれ以上何をどうしようと思えないし、そろそろガイのところに戻ろうかな。
俺は歩いた。のっそのっそと。亀のように。亀って本当は足速いらしいけどね。まあそんなことはどうでもよくって、ガイのもとにたどり着いた俺だったが、死んだ目の俺にガイは心配しっぱなしだった。違うんだよガイ、君は何も悪くないんだ。悪いのは俺のクソステータスなんだ。
「本当にどうしちまったんだ? 目が開いてないように見えるぞ」
「いや、これでも開いてるよ。ドラえもんが浮いてるくらいには開いてるよ」
「ごめん。ちょっと何言ってるかわかんない」
くそ。国民的アニメキャラが分からないだと……。
「この世界、何かおかしい!」
「おかしいのはトールの頭だ」
特殊スキル。ガイに突っ込まれるを手に入れた。
脳筋ガイに突っ込まれるなんてそろそろ俺も末期な気がする。とりあえず帰って寝たい。
「トール、帰って休んだ方がいいぞ」
「ああ。そうさせてもらうよ」
この後ガイに別れを告げた俺はゆっくりと椅子から立ち上がり、足を引きずるように歩き出した。一歩、二歩、三歩。ひと休憩。四歩、五歩、階段に突入。一段、二段、こけて一瞬で一階へ。再びゆっくりと立ち上がると歩き出す。最後の地面を踏みしめるかのように一歩ずつ確実に。ノシ、ノシ、ノシ。なんだか以前より活力が失われている気がする。ヒールの魔法ってそんなにMP使うの?
俺は結局数時間の時を費やしピースへと戻るのだった。
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「おかえりトール……また腑抜けたつらしてんなぁ」
「あ、ダグラスさんただいま〜」
ピースに戻って最初に見たのはタンクトップの姿で床掃除をするダグラスさん。頭に巻いたタオルがとてもお似合いです。
「またやりきり過ぎたのか?」
「いえ、今度は疲労困憊っすね」
「今日は仕事いいから寝な!」
「あざまるすいさん」
ようやくたどり着いたベットはまるで天国のように心地よく気持ちの良いものだった。俺が夢の中にたどり着くまでに有した時間はおそらく三秒もなかっただろう。
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結局、俺のMPが完全回復したのは夏休み最終日だった。
「ああ……やっちまった」
どうせもうクエスト受けても昇格まではいけないだろうし、最終日くらい何か遊んで過ごしたいな。
「学校行ったら誰かに会えないかな?」
俺は意味もなく、ただ少しばかりの期待を胸に学校へと出発した。
夏休み最後の一日はこうして始まった。
とおるA「ケッキング」





