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第14話『Q.お昼ご飯は美味しいですか?』

 時刻は午前十二時十分。俺はこっちの世界に来て初めての同性の友達のテューと二人でお昼を食べる……と思っていた。それがどうだろう。何故かユナとその友達らしき女の子が平然と……いや、友達の方は意外と平然としているが、ユナは何と無くだが恥ずかしそうに迎えの席に座っている。


「あの〜テューくん?」


「なんだい? とおるくん」


「これは一体どういうことかな?」


「何が一体どういうことかな?」


 流れるように返してくるテュー。ーーどう考えても主犯はお前だろーー。俺が呆れた顔で頭を抑えていると、ユナの友達が事情を説明してくれた。


「初めまして。ウチはティナ・ティンゼル。ユナとは幼馴染よ。宜しくね!」


 腰まで伸びている茶髪のストレートヘア。顔立ちも綺麗で、輪郭がスッとしている。ユナと違って美人系女子だな。類は友を呼ぶというが、可愛い女子というジャンルでもそうなのかもしれない。ーーと、世間の男子たちは思っていると予想するが、どう思う?


「テューに誘われて四人で食べようって話になってたんだけど、聞いてなかった?」


「うん。コイツは何も言ってませんでしたねっ」


 俺はそう言いながら左に座るテューの脇腹に肘鉄を入れる。テューは謎の反射神経でそれを左手で抑えると、いててー。と言わんばかりに振っている。後でステータス見せろ。反射神経だから……敏捷性のAGIかな?


「だってさぁーーその方が面白そうじゃん?」


 何が面白いんだか……。

 テューの言葉に俺がため息をついていると、次に口を開いたのは意外にも今まで緊張した様子で黙り込んでいたユナだった。


「ーー迷惑だった?」


「え、いや……そんなことないよ?」


 なんだなんだ! なまら可愛いじゃねぇかよちきしょー! って叫びたい。でも叫んだらさらに嫌われる気がする。あの謎のバイバイキン以降一言も話してないが、やはり今も嫌われているのだろうか……。

 俺は興奮と不安を押し殺し、拙いがなんとか返事をした。


「そ、そう? わ、私はテューがどうしても一緒に食べようって言うから、しょうがなく来ただけなんだけどね!」


 急に少し声が大きくなったユナ。腕を組んで顔をプイッと向けながら喋るその姿は実に可愛い。なんかいじりたくなる。テューによると、覗きのことはもういいって言ってたらしいし、この様子だと普通に話しても大丈夫そうだな。良かった良かった。

 そうか、テューに誘われると来てくれるのか。


 会話は基本俺とテューのボケ合いツッコミ合いと、ティナは意外と俺にグイグイ質問をして来た。テューは何と無くだがユナによく話を振っていた気がする。さては狙ってるな? 俺はもちろんユナにたくさん話しかけたつもりだったが、帰って来る返事が何故か怒り気味だったのは何故だろうか。やっぱまだ許してもらえてない? でも諦めないもんね! 俺は絶対ユナちゃん落として見せるもんね!

 はい。キモいですねすみません。


「今日の一限の先生いるじゃん? あの先生の黒板に文字を書いてる時の左手の動きがさ……」


 カラーンカラーン


 テューの話を金の音が遮る。お昼休みが終わる合図だ。話は途中だったが、俺たちは食べ終えたお弁当をしまい、次の講義の準備をし始めた。



 ■■■


 三限は技術観察学だったが、生徒には基本を抑えているものから、俺のようにど素人もいるため、今日は基本を抑えているものが素人に分かりやすいように伝えるという時間となった。もちろん俺たち素人もその説明を真剣に聞き、知識を深めようとした。


 そしてついに四限。

 この学校のメイン授業が始まろうとしていたーー。

とおるA.「授業中に炊いた米はとても美味しいですね。あ、もちろん怒られましたよ」

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