フィオナの記憶
3人を家に送り届けて 王城に戻ると騎士団長が門の前で待っていた 上から見る限りかなりウロウロしている 段々ヘリが降りていくと騎士団長も気づいたのか上を見上げている ヘリを門の前に停めヘリから降りていくと 騎士団長も近づいてくる そんなに急用だろうか? もしかしたらフィオナの件か?
「お待たせしました 騎士団長」
「いや リーサ殿も忙しいところ 申し訳ない」
「それでお話があるという事ですが」
「そうなんです 実はフィオナの事で 今回フィオナは神の巫女に選ばれませんでした なので 今後も うちで養いたいと思いまして ご相談に」
「それは 記憶を操作するって事で良いですか?」
「そうです 今までの特にモンスターに襲われた時の記憶を 重点的に消して欲しいのです」
「分かりました そうすると以前の親の記憶も消さなければ成らなくなりますが それでもかまいませんか?」
「構いません それでうちに引き取った時の記憶も消してください それでフィオナと言う名前と私が父親でうちの嫁が母親っていう 新しい記憶に書き換えて下さい それでフィオナは馬車の事故で頭を打って過去の記憶を無くしてるって事にしてほしいのです」
「そこまですると 一般常識も消えてしまいます 大きな体の赤ちゃんを育てるような物ですが 大丈夫ですか?奥さんともよく話し合いましたか? 騎士団長は仕事に出ますから 基本的に育てるのは奥さんですよ? そのつらさも分かっていますか?」
「わかっています 妻もうフィオナを実の娘のようにかわいがっています もう引き離す事は出来ないのです ですので 宜しくお願いします フィオナの記憶を・・・・・・・・・」
「わかりました 今日の夜騎士団長の家に連れて行って下さい 私と会った記憶もない方が良いです フィオナさんが寝てから記憶の操作をしましょう」
「ありがとうございます」
そして一旦家に帰り事情を説明して 夜に騎士団長の家に行く事になったのを伝える 夜の出歩きは心配されたが ヘリで王城まで向かう事 帰りは騎士の人が送ってくれることで納得してもらった そして夜が来た ヘリで王城に向かい門の前にヘリを降ろす すると門番の待機所から騎士団長が出てくる 馬の準備もされている 車で行こうと思ったのだが 騎士団長が明日の出勤がつらくなるなと思い馬に乗ることにする 私は騎士団長の前にチョコンと座っている それと護衛の騎士がもう二人馬で付いてくる 暫くすると結構でかいお屋敷に到着する 家が近くなるにつれて馬のスピードを落とし 静かに屋敷に入っていく 屋敷には門番がいたが 騎士団長から今日の事を聞いているので 余計な事は一切言わない
「奥様とも会ってお話がしたいのですが」
「それはこれからの確認の為に?ですか」
「それも多少はありますが フィオナさんの記憶に奥様の記憶を残す為に 喋り方やしぐさを知りたいのです」
「わかりました すぐに呼んできます それまではお茶でも飲んでゆっくりしてください」
すると奥からメイドさんが出てきてお茶を入れてくれた それを飲みながら奥様を待つ すると部屋をノックする音が聞こえて部屋に騎士団長と奥様らしき人が入ってきた 優しそうで良い人ってのが内面からにじみ出てくるような人だ
「はじめまして奥様 リーサと申します」
「あなたがリーサさんねフィオナを宜しくお願いします」
「分かりました なるべく普段の生活が困らない程度には性格を残します トイレとかお風呂とか着替えなんかもそうですね チョット難しい記憶の操作になりますので 時間が掛かりますが心配しないで下さい」
「わかりました 宜しくお願いします」
「少し失礼して奥様とフィオナさんのここ最近の 記憶を覗かせて貰ってもよろしいですか? 奥様の額に少し触れるだけです 後から騎士団長もお願いします」
そして二人の記憶を覗いていく 本当にフィオナさんを家族のように大事にしているようだ 仲良く食事をするシーンや 庭で花を愛でながらお茶を飲むシーンなどが流れ込んでくるその他にもいろいろな場面があるが 大体のことは分かった フィオナさんもこの家の子になりたがっている これならそんなに大変な作業にはならなさそうだ
「大体わかりました これなら そんなに問題は無さそうです フィオナさんの部屋に連れて行ってください」
部屋の外から光魔法の改変で強制的に深い眠りにつかせる これで多少大きな音がしても目覚めない
「今魔法でフィオナさんは深い眠りについて貰いました これで多少の音や話し声などは聞こえません」
「そんなことして大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ 私はこれでも神の巫女ですから」
「あなたが今王都で有名な神の巫女なの? 今迄の無作法をお許しください」
「止めて下さい奥様 私はなるべく普通の人と同じでありたいのです ですから過剰に反応しないで下さい」
「これは失礼しました そうよねまだ小さい女の子ですもんね 変に畏まりすぎると嫌よね?」
「えぇ少し不思議な感じがして困ってしまいます ですからそんなに固くならずにいて下さい」
「分かったわ あとはお任せします 神の巫女なら心配する方が失礼ね」
「それくらいで お願いします さてフィオナさんの記憶を覗きますね」
そして寝ているフィオナさんの記憶と夢を覗いていく 記憶は前回ほぼ消したので 親の記憶は残っていない 誰だかわからない人に 色んな生きる知恵を教えて貰った事になっている 今回これを騎士団長と奥様にすり替えていく 全ての記憶の中の情報をいじっていくのだ かなり時間が掛かる だがこれで一つの家族が幸せになるのなら簡単なものだ そして全ての情報をいじり終わった頃には 朝日が昇ってきていた その間みんな一睡もせずに見守っていた そしてどうしてもいじれなかった部分は記憶を消去した そして馬車の事故の記憶を植え付けた そのせいで記憶の一部があいまいになったが 家族は優しくしてくれている と記憶の書き換えをおこなった そして その内容も騎士団長と奥様にも伝えた 二人は喜んでくれた 今までの記憶も残しつつ今まで教わったことは 騎士団長と奥様から教わったことにしたのだ これで奥様が大変な思いをする事は無いはずだ あるとすれば馬車の事故の記憶のせいで 馬車が怖くなる可能性だけ伝えておいた 最悪騎士団長には車をプレゼントするから 講習を受けて下さいとまで言ってある
「これで問題はないはずです あとは私が部屋から出てから 睡眠の魔法を解けば暫くして目覚めますよ きっといい結果が待っているはずです 騎士団長 奥様 それでは失礼します」
部屋の外から魔法を解除する そして足早に騎士団長宅を護衛の騎士と後にする 護衛の騎士からもお礼を言われた 騎士団長が最近ずっと悩んでいたそうだ だがこれで問題は解決したはずだ あとは今日の授業は寝てしまいそうだという事くらいだ 家に帰るとパパンもママンも起きていた 心配してくれていたのだ二人にただいまのハグをして 心配かけてごめんねと謝った 二人はちゃんと終わったの? と聞いてきたのでばっちりと答えておいた
それから私も忙しかった 学校に行って午後は神殿で神の力を使い 暇な時間が出来たら意志を持った聖剣を打って ウオーターソードやシルフソード 家電シリーズや美容関係に 収納ボックスこれらをまた1ヶ月分つくった 最近は1ヵ月分まとめて納品するのが決まりごとのようだ
そして1か月分の商品を持ってギルドを回って行く そして 納品が終わるとやっと自由な時間だ 最近はローナとも遊んでいなかったし ローナを誘って町でお買い物でもするかな? するとローナは今日は忙しいからダメだと言われた チョットショックだったが 普段かまっていないのに自分の都合のいい時だけ かまって貰おうというのが間違いだ 他に誰か誘おうと思って皆に声を掛けたが全滅だった うう日ごろの行いの悪さが祟ってるんだな しょうがない そんな日もあるさ龍聖とアリーナさんと遊ぼう そうしたらアリーナさんが龍聖を鍛えたいからチョット連れて行くぞってなった もう遊ぶ人がいません そうだアヤメさんを呼ぼう
「アヤメさん居ますか~?」
「ここに ちなみに今日はカエデですが宜しいですか?」
「良いです良いです 今日はカエデさんの刀を打ち直してあげようと思って呼びました」
「それは助かります学校の工房を使って直すので その間にキクさんも呼んできてください キクさんの刀もアヤメさんの刀のように打ち直します」
そうこうしているうちに 二人の刀も打ち直しが終わった
「ありがとうございます 輝きが変わりました」
「しなりもかなり違いますね」
「私も久しぶりに刀に触れて懐かしかったです ありがとうございます」
「今日は どうかされたのですか? 私達を呼ぶことなどほとんどないのに?」
「今日は暇だったうえに誰も遊んでくれなかったので 刀の打ち直しの約束を果たそうと」
「随分と寂しい約束の果たされ方ですが 良いです こんな刀になったのは初めてですから 元の状態より良いくらいです」
「何なら話す聖剣にもできますよ」
「そんなに暇なのですか?ご自宅に帰られてリーネちゃんの顔でも眺めているほうがいいのでは?」
「そうだねぇ そうしようかな?」
「刀の打ち直しありがとうございました」
「いえいえ」
そして家に帰ってゆくすると家の前に人だかりができている 何かと思いつつ車をゆっくり進めていくと リーサお誕生日おめでとうと書かれた横断幕が店先に掲げられていた そうか今日は私の誕生日か それでローナは遊んでくれなかったのか そうしたら家にはクラスのみんなや騎士団長と奥様 お忍びで王様まで居る どうやって連絡付けたんだ? まぁその他にも色々いるが まぁそんなに気にしない
「パパンただいま どうしたのこれ?」
「おお リーサおかえりそしておめでとう!!」
「いや だからこの人数はどうしたの?」
「ローナと話してクラスの子に来てもらって 今日の講習の時に王様に挨拶されたから その時に王様も誘ってみたら色々増えた!! まぁ大勢いるって事は良いことだ!! 祝い事だからな!!」
「もう 普通王様を民間人の誕生日に誘わないよ?」
「クラスのみんなも来てくれてありがとう 嬉しいよ」
「リーサにはいつも世話になってるからな 祝い事くらいは顔出さないとな」
「そうよねぇ最近はお風呂タイムがチョット寂しいけど 色々お世話になってるから顔出しくらいはねぇ」
「そうですわ お風呂は寂しいですけれど お世話になった人の誕生日ですもの顔出しくらいはしなくてわ」
そんな感じで皆に祝ってもらって 無事に6歳になることができた こんなに盛大に祝ってもらったのは初めてだ ローナの時も盛大に祝おうローナは確かクラス替えが終わった後の日のはずだ 祝賀会も含めて盛大に祝おう そして 夜は騒がしくも更けてゆくのだった