王様の受難 前世も異世界も 携帯を持つと忙しくなる
せっかく携帯が出来たのだからぜひ持ってもらいたい人がいる。 放蕩息子ならぬ放蕩王様、あの人に持ってもらおう、今嫌な予感がしたんだけどアドレス全部女の子の名前で埋まりそうな気が・・・・でも、まぁ先に私とジョルジュ大臣の魔力を登録すれば問題ない。一度登録した魔力を消せない設定にしているからだ。
これでもし100台登録して更に登録したければもう一台買わなければいけない。王様には絶対に必要な機能だった。あっ、騎士団長の魔力もあらかじめ登録しておこう。私と大臣と騎士団長、これで問題ない。
王様の着信画面には誰からかかってきているか分からない。特別使用にしてあるから着信拒否も出来ない、何せ女の子からの電話かも知れないからだ、はっはっはこれで王様がどこにいるかすぐにわかる。早く王城に行ってジョルジュ大臣に教えないと。それから久しぶりにトラックに乗って王城に来た、門番も慣れたものでもう顔パスである。ジョルジュ大臣に用があってきましたって言ったら、どうぞお通り下さいってなもんだ。お城に顔パスの5歳児、さすが私伊達に2度目の人生をチートで送ってない。さて、ジョルジュ大臣に朗報だ早く知らせねば。
「ジョルジュ大臣、ジョルジュ大臣いらっしゃいますか?」
「おおリーサかどうした。そんなに慌てて」
「良いものを開発いたしました。王様がどこに居ても連絡が取れる魔道具で御座います」
「何?まことか?」
「本当で御座います。馬車で3日の距離であれば確実に!!これで御座います。携帯と言って相手の魔力を認識して連絡を取る道具で御座います。こちらに使い方を書いた説明書を用意いたしましたのでどうぞお読みになって下さい」
「なるほど、あらかじめ私達の魔力を登録した物を王様に渡し、連絡が取れるようにするのだな?」
「そうでございます。ジョルジュ大臣、騎士団長、私と3人の魔力を登録しそれを王様に渡すのです。そして王様が彼女にも渡したいと言ったら、彼女の分にも私達の魔力を登録し用意するのです、そうすれば誰からの連絡か分からずに。携帯に出ないわけにはいかないのです」
「でかしたぞリーサ。今すぐに私とリーサの魔力を登録するのじゃ、そして騎士団長の元に行くぞ」
「ハーフェズ!ハーフェズ騎士団長は居るか?」
「ジョルジュ大臣どうなされたので?」
「ハーフェズは居ないのか?」
「今すぐにお呼びします」
「お呼びですか、ジョルジュ大臣」
「ああ、今すぐにこの携帯と言う魔道具に、お主の魔力を登録するのじゃ。そして我らもこの携帯を持つのじゃ、そうすれば王にすぐに連絡が付く、我らの携帯にも王の魔力を登録し。さすれば馬車で3日の距離を離れていても連絡がつくそうじゃ。なぁリーサよ」
「はい、問題があるとすれば王が我らの考えを読んで、魔力を登録させてくれない可能性ですね。でもそれも、直接王様に逢いたい女性が来ている時に連絡を取りたいので、とか、何とか理由を付けて登録させてもらいましょう」
「まずは我らどうしの魔力を登録じゃ。この登録ボタンを押して名前を言うのじゃな?」
「登録したい相手に、携帯を向けるのをお忘れなく」
「おお、これで我ら3人はこの携帯でいつでも連絡が付く。試しに使ってみるか」
「上下ボタンで名前を選び、通話ボタンで会話が可能になります」
ぷるるるるるるるるるるぷるるるるるるるるるる
「これが呼び出しの合図の音で御座います。騎士団長通話ボタンを押してください。そして携帯をこのように耳に当てて下さい。大臣何かお話を」
「ハーフェズ聞こえるか?」
「はい。大臣の声が耳元で聞こえます。これが馬車で3日の距離を離れていても繋がると?」
「呼び出し音があるので隠密行動には使えませんが。それ以外の使い方であれば軍でも使用可能かと」
「それはまことかリーサよ」
「はい。まずは修練場の両端の壁にに移動して、小さな声で話してみて下さい」
「どうじゃハーフェズよ聞こえるか?」
「聞こえます聞こえます。これは愉快、そして軍にとっては何と便利な」
「登録は100人までですので、その範囲以内であれば何人でも登録が可能です。ですがまずは王様です」
「そうだな、まずは王にこれの登録をしてもらわねば。今王はいずこに?」
「また、いつもの悪い癖だ」
「強制的に呼び出しますか?」
「強制的にとは?」
「例えば召喚魔法で鳥を大量に出して その足に手紙を括り付け 『ヘリコプター壊されたくなければ帰ってこい』とかですか?」
「携帯よりその方が効果ないか?」
「私がいないときには使えない技ですので」
「そうか、それではしょうがないな・・・・」
「ジョルジュ大臣、ジョルジュ大臣、王様がお戻りになられました」
「まことか?それは好都合、リーサよ金は後から払う、今のうちに我らの名前を登録した携帯を何台か用意しよう」
「はい、畏まりました『練成』まずは10台用意しました、これに私達の魔力の認識をそうすれば王が見つからなくても、王の彼女を見つける事は容易かと・・・彼女を見つけその携帯を借りて王に連絡することも可能です」
「その他に、我らの魔力を認識させた1台を王に渡して持っていてもらえば。まずは我らの携帯にエゼルレッド王の魔力を認識させねば、それが1番の大仕事かと、取りあえずは『他国とも彼女とも連絡の取れる魔道具が出来ました』と、新しいもの好きな王の心を刺激しようかと」
「そうだなそれがよい。リーサよ任せたぞ」
「畏まりました。王様の場合名前だけでは不遜に当たりますので『エゼルレッド王』で構わないはずです。それでは参りましょう」
「王様。お久し振りで御座います。今日は王様が彼女や他国と連絡の取れるような魔道具を用意してまいりました。これで御座います、名前は携帯と申します。これを耳に当てると声が聞こえてまいります。まずは使い方ですが、このように使います。ジョルジュ大臣、騎士団長お願いします私も登録しますので」
皆でエゼルレッド王と呼び登録を済ませる。これで第一段階クリアだ。
「使い方ですが、例えば王様の携帯の上下のボタンを押していただき。私の名前が出てきましたら、通話と書いてあるボタンを押してください。そうしましたら携帯をこう耳に当てていただきチョット待ちます」
ぷるるるるるるるるるぷるるるるるるる
「これが呼び出し音です、これが鳴ったら相手側、つまり私も通話ボタンを押します。そして私も携帯を耳に当てます。王様聞こえますか?」
「おお、これは凄いな耳元で声が聞こえる」
「距離は最大で馬車で3日の距離は確実に通話が繋がります。それより離れる場合はアンテナを伸ばすと 多少マシに聞こえます。更に今王様の隣にいる彼女の登録をしてみましょう」
「ほう、それはいいな」
「まずは王様の携帯を相手に向けて、登録ボタンを押しながら名前言って下さい。これで登録は完了です、そして彼女には新しい携帯を渡します。彼女さん王様に携帯を向けながら、登録ボタンを押しエゼルレッド王と言って下さい。はい結構です、そうしたら少し大変ですが部屋のはじまで行き。王様の名前を見つけたら通話ボタンを押し、小さな声で王様に話しかけてみて下さい」
ぷるるるるるるるるるぷるるるるるるる
「王様通話ボタンを押してください。相手の声が聞こえますか?」
「おぉ、はっきりと聞こえるぞ!!これは凄いな」
「魔力石が常に少量の魔力を吸って魔道具を動かしています。常に携帯もしくは1メートル以内に置いて下さい。そうしなければ効果が切れてしまいます。これがあれば、夜中に彼女の声が聞きたくなった時に会話する事も可能です。登録は100人までですが王様が新しい彼女が出来ましたら、その彼女にも携帯を渡し登録いたしましょう。そうすれば王様からだけではなく、寂しくなった彼女たちからも連絡があり。その場に駆けつける事も可能です」
「ふむ。寂しくなった彼女と言うフレーズが心を躍らせるのう」
「そうですかそれは良かった。それではお王様、一度彼女たちを王城にお招きください。携帯の登録と注意点を書いた説明書をお渡しいたします」
そうしてリーサ達は王様を。見事罠にはめることに成功した。王様の携帯の電源が切れた時様に、私達の魔力を登録した携帯を何台か用意して魔力石と一緒に保管してある。そして王様は寂しい彼女達からの電話が多くて更に忙しくなるのだった。勿論大臣や騎士団長からの呼び出しもある、携帯を持つと忙しくなるのは前世でも異世界でも一緒だな・・・・
そして隣国エルドーラの姫エンディアにも携帯を渡している。なので今度遊びに行っても良いか聞いてみた。勿論いいわよローナも連れてきてねとの事だ、優しい姫様だ。なので姫様にはアルファシリーズが9本揃った事など伝えたいことが沢山ある。実は実家に4本もあった事などだ。