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聖剣ゼータの切れ味

王都に着くと、辻斬りにやられたが、命のある人たちをローナが回復していく、傷はみるみるうちに消え、重体だった副団長も回復した。回復した副団長から事情を聴くと、どうも魔剣が絡んでいるらしい。暗闇に怪しく光る刀剣に、見た事も無い体術。どうもおかしい、こうも魔剣や聖剣が私の周りに出てくるのは誰かの作為的なものを感じる。最初のアルファも、偶然神殿の扉が開いていたというおかしな状況・・・神様は私に何か隠していることがあるのだろうか?それとも別の何者かに踊らされているのだろうか?


聖剣達に状況を話すと、ゼータが魔剣には強いらしい。元々の魔力が高いので、普通の魔剣や聖剣には力負けしないとの事だった。なので今回はゼータを所持し、剣術魔法と反応速度超過付与を使って魔剣らしき物を倒す事にした。


副団長によると、辻斬りは夜に現れるらしい、そのせいか夜の街は静まり返っている。それだけ辻斬りの噂が広まっているのだろう、剣術魔法も、騎士団長や競技大会優勝者のリフレッド先生との戦いの経験値が蓄積されている。並みの使い手なら問題ないだろう。 


だが騎士団長も心配して付いて来てくれている。やはり病気で亡くなった自分の子と私が重なるのだろう。これが魔剣なら、騎士団長の剣では太刀打ちできないはずだ、かと言って他の聖剣を貸すわけにもいかない。全ての剣が私の魔力でマスター登録されているからだ。登録された剣はマスター以外を認めない、持つこ事も許さないのだ、もし仮に今回の辻斬りに魔剣が絡んでいるとして。持ち主にマスター登録されていても私には『魔剣屈服』のスキルがある。そのスキルを使い、魔剣を握り一気に魔力を流し込み、聖剣に変える事にする。 


魔剣に取りつかれた人は下手をしたら助からないだろう。全ての魔力を魔剣に吸い取られ体の自由を奪われている可能性が高い、だからこの辺では見た事も無い体術を使うのだろう、もしかしたらアルファの回復の魔法で助かるかもしれないが。罪のない人間を切り捨てた記憶は消えないだろう、元々殺人を快楽として求めていたのなら別だが。そうではない普通の冒険者が魔剣を見つけ装備してしまったのなら、罪の意識で生きていくことをためらってしまうだろう。 


そう言えば話は変わるが、いつも騎士団長と呼んでいて、騎士団長の名前を聞いたことが無かった、今更だが聞いてみよう。


「騎士団長、今更何ですが。お名前を聞いてもよろしいですか?」


「はは、確かに今更だな。私も騎士団長と呼ばれる事に慣れていて、自己紹介をしていなかったなすまなかった。『ハーフェズ』だ騎士団長でも、ハーフェズでも好きな方で呼んでくれ」


「ハーフェズさんですね、今までの癖で、騎士団長と呼ぶこともあるかもしれませんが、これからはハーフェズさんと呼ばせてもらっても構いませんか?」


「本当にどっちでも構わんぞ、好きな方で呼んでくれ」


「でもなんか照れ臭いですね、やはり今まで通り騎士団長で呼ばせてもらいます」


「そうか、ん?血の匂いが?こっちだ」


「はい『剣術魔法付与』『反応速度超過付与』これで良し、あとはゼータ宜しく」


【分かった、任せておけ】


「ゼータ、兄妹かどうかってどうやって見分けるの?やっぱり形?」


【そうだな、形と剣本来が持つ魔力だ、俺たちが神様に作られたのは知ってるな?その時に使われた魔力で見分けがつくんだ。だから人間が作った聖剣とは一味違うんだ】

 

「リーサ気を付けろ、匂いがきつくなってきた」


「分かりました、剣術魔法付与、反応速度超過付与をかけたから大丈夫です。騎士団長の動きも入ってるやつです」


「そうか、気を抜くなよ」


【近いぞ、マスター気を付けてくれ】


「いた!闇に輝く剣、辻斬りで間違いないね」


【ああ確かに魔剣だ、だが兄妹ではないな叩き折っても問題ない。俺を全力で振れ!叩き折ってやる】


「分かった、全力で行くね、騎士団長そいつは魔剣持ちです。普通の剣では対抗できない下がって下さい」


「大丈夫か?無理はするなよ?」


「平気ですよ、騎士団長の動きをトレースしてるもの」


『はははは、獲物が自分から飛び込んできた。切る切る切る切る~~~~』


【切られるのはお前だ、魔剣よ】


パキ~ン、ゼータが魔剣に触れた瞬間魔剣が折れた・・・と言うか斬れたその瞬間魔剣から禍々しいオーラが出る、それをゼータが吸い取る。そして人は倒れた・・・まだ息はあるみたいだ、そこに騎士団長が駆け寄る


「大丈夫かリーサ?」


「大丈夫です、魔剣ごときに私の聖剣が負けるはずないですから。そこの人まだ息があるみたいだし、騎士団の方で確保をお願いします。できれば魔剣の入手先も聞き出せると嬉しいんだけど・・・・」


「任せておけ、それも騎士団の務めだからな」


「お願いします。それでは騎士団の詰め所までトラックで送ります。そのあと私は寮に戻ります」


「助かる。人を担いで詰め所に戻るのは中々に骨が折れるからな」 


その後無限収納からトラックを出し、騎士団長と辻斬り?もしくわ魔剣に操られた人を乗せて、更には折れた魔剣も念の為無限収納にしまって、騎士団の詰め所に行った、二人を降ろし、私はトラックで帰るから大丈夫と伝え寮に戻る。 


「ただいまローナ、龍聖見ててくれてありがとう」


「お帰りリーサ、龍聖ちゃんは今寝たところだよ。チョット寂しそうだった」


「やっぱり連れて行った方が良かったかな?でも魔剣相手の戦いだしな~、龍聖がもう少し大きければ連れていけるんだけどなぁ」


「あっそうだ、ゼータさっき魔剣のオーラ吸いこんでたでしょ大丈夫?」


【あれくらいは大丈夫だ、あのまま負のオーラを町に漂わせるわけにもいかなかったしな。だが、万が一という事もある、我を浄化してくれるか?】

 

「いいけど、じゃぁ魔力流すよ」


【ああ、満たされる、そして美味い】 


「チョット待ちなさい、私の魔力吸いたくて負の魔力吸った?確信犯?」


【そんな事は無いぞ、負の感情をそのままにして置けば、誰かの体に入り悪さをしたであろう、だから吸ったまで、その後の浄化はオマケだ」


「でも私の魔力も吸いたかった?」


【吸いたかったです・・・】


「やっぱり、まぁ魔力はいっぱいあるからいいけどね」 


「ねぇ、リーサの魔力はかなり増えたの?」


「うん増えた、聖剣をいっぱい持ってるからかな?かなり増えたよ」


神様に増やしてもらったとか言えないし・・・


「私もかなり増えたけど、リーサには及ばないしな」


「伊達に毎日龍聖にご飯あげてないもん、最近は聖剣にもご飯あげてるしね。魔力枯渇の心配はなくなったけど、今は人外になりつつある気がしているよ」


「まぁ私もリーサも、龍聖ちゃんの鱗を飲んでから人外の傾向は強いね」


「だねぇ、成長はエルフみたいになるみたいだし、ある程度成長したらそこで止まって、そこからは魔力がどんどん溜まっていくみたい」


「私もリーサも、魔力量は通常の魔法使いの何倍もあるもんね。しかもリーサは毎日増えてるし」


「うん、かなり増えてる。それこそ魔法使いが何百人集まろうと勝てないくらい増えてる。それにしても魔剣使いは何処から来たんだろう。魔法使いは何百でも勝てるけど、魔剣使いはどうなるかわからないしねぇ。明日エゼルレッド王に確認に行かなきゃ」


そして夜は更け二人は眠りにつくのであった、翌日シフォンが昨日の魔剣使いに対して聞いてきた、町で噂の魔剣使いが捕まったとの話はあっという間に王都中に広まっていた。そしてシフォンは興味本位から魔剣使いを倒したリーサに声を掛けたのであった。


「ねえねえリーサ、魔剣使い倒したって本当?」


「えぇ本当です。魔剣使いと言うより、魔剣に使われていたみたいですが」


「えっ!どういうこと?」


「魔剣を壊したら人の方は倒れてしまったので、魔剣が本体で人が器だったのでしょう」


「そうなんだ~、怖いね~、私幽霊とかオカルト系は苦手なんだよ」


「意外ですね?」


「何だよ?確かに似合わないけどさ、怖いものは怖いんだよ・・・だって使っていたら体を乗っ取られたんだろ」


「そうですねぇ、多分使っていた人は魔剣とは知らずに使っていたんだと思いますよ」


「だろ?知らない間に自分が自分じゃなくなるなんて、私には怖くて・・・」


「でも大丈夫ですよ、シフォンさん剣を使わないじゃないですか?」


「それもそうだね。じゃぁカナタ、貴女は気を付けなさいよ」


「私は、自分の剣しか使わないから大丈夫だ」


「まぁ、今日の授業が終わったら王城に行って、詳しい話を聞いてきますよ」


そして授業が終わると、リーサは龍聖を連れて王城に向かうのだった。


「エゼルレッド王に会いたいのですが、今日もナンパですか?」


「昨日の今日ですからね、流石に城で仕事をしていますよ」


騎士の人もチョット困った感じで答えてくれた。だっていつもいないんだもん。


「王様、昨日の魔剣の事を詳しく聞きたくて来ました。騎士団長から何か話は聞いていますか?」


「おうリーサか、聞いているぞ、あの魔剣は遺跡で発見したと使用者は言っているらしい。そして使用し始めてからの記憶が無いみたいだ。遺跡で装備してからの記憶が無いから、なぜ王都に居るのかもわからないらしい、城門の門番も魔剣の餌食になっているから、そこから侵入されたんだと思うが・・・なぜ王都に来たのかは分からない」


「王様、つかぬことをお聞きしますが。この城に魔剣もしくは聖剣はありますか?」


「あるぞ、魔剣も聖剣も何本かあるぞ、厳重に保管されているがな」


「王様、私は今アルファシリーズと言う聖剣を集めていまして、この前の遺跡で見つけた兄妹がアルファシリーズなんですが。あったら古代の遺跡から出た財宝とかと交換してもらえませんかね?」


「そうか、あの聖剣はアルファシリーズと言うのか、財宝よりワシは大型輸送ヘリが欲しいぞ」


「交換するのは構わないのですが、操縦できる者がいませんよ?」


「そこは魔力石でどうにかならんか?」


「ん~それでは、風魔法で空を何度も飛んだ経験がある人が居たら差し上げます。それでも暫くは私と講習会ですよ?」


「わかった、それでは空を飛んだ経験のある魔法使いを王都中から募集しよう。面接はリーサがしてくれ」


「わかりました、面接は私がしましょう。実技試験も込みで面倒見ましょう」


「おぉ、ついに大型輸送ヘリもワシの物になるのか」


「それと、サーチライトや音楽は、別の魔法使いが乗っていないと使えませんからね」


「それは、大変だが仕方がないか」


「では、魔剣と聖剣を見せて下さい」


「ああ、今からか?」


「早いに越した事は無いので」


「分かった、準備をしよう」


そして、王城の宝物庫に向かった、聖剣と魔剣が一緒に複数本封印されていた。流石に歴史の長い国、扱いは若干雑だが、聖剣も魔剣も複数本あるのは凄い。私はアルファを出して聖剣と魔剣を確認してもらった。だがアルファシリーズは無かった、王にそれを告げ魔剣を聖剣に変えるか聞いてみた。そうすると魔剣は魔剣で使い道があるからそのままで構わないとの事だった。何に使うのだか・・・・?

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