聖剣達の話し合い
夜になった、約束通り聖剣達を無限収納の外に出す。
【ありがとうな、マスター】
「どういたしまして、皆で積もる話でもあるだろうから話でもしてて。でもこの部屋限定でだよ?」
【分かったぞ、皆も良いな?】
【【【はい】】】
聖剣を出したら、アヤメさん達がびっくりしていた。頭の中に直接声が聞こえるからだ、これは聖剣達の声だからと説明し、何とか納得してもらった。
「納得はしましたが。これは中々に怪しげな会話ですな」
「そうねぇ、私も姉さんに同意だわ」
「姉さん達がそうは言っても、現実に話しているんだしそういうもんなんだよ」
「まぁ、それで納得してください私もかなり不安なんですが、基本的に悪い子達じゃないみたいだから」
【失礼ね、私達聖剣なんだから、悪い子なわけないじゃない】
「でも、使う人で魔剣にもなるんだよね?」
【・・・・残念だけどその通りだわ、そこで私達、リーサにマスターになって欲しいんだけど】
「えっ?それは魔力が欲しいから?」
【それもあるけど、リーサの魔力なら魔剣になる事は無いからかしらね】
「まぁ、魔剣になられても困るからマスターになるのは構わないけど」
【やったー、リーサお姉ちゃんありがとう】
「いえいえ、オメガちゃんも良い子にしててね」
【うん、オメガ良い子にしてるよ】
【取りあえず、魔力は貰ったからこの魔力を登録しますね。そうすれば他の人には使えなくなるので】
【俺がマスターになって貰う時と、随分態度が違わないか?】
「アルファが居たから、皆を信じることが出来たんだよ」
【じゃあみんな、リーサさんをマスターに登録しましょう】
【【了解】】【わかった~】
【【【これからよろしくお願いします、マスター】】】
「皆に聞きたいことがあるんだけど、剣の能力が皆あると思うんだけど、それ以外に精霊の力を乗せても大丈夫?私ね精霊とも仲が良くて、精霊って焼きもち焼きだから、使ってあげないと拗ねちゃうんだよね」
【大丈夫ですわ。私達も精霊と仲が良いですから、精霊の力を使えば更にパワーアップしますわ】
「よかった、それだけが心配だったんだ」
「話もひと段落したみたいでござるし、夜も遅いでござるからそろそろリーサ殿は寝た方が宜しいのでは?」
「あぁ、もうこんな時間か?どうする?皆は私達の頭に話しかけないで話すことが出来る?それなら今日は無限収納にしまわないから気が済むまで話し合えば?」
【出来るわ、私達は今日は色々話をさせていただくわ】
「わかったじゃあ私は寝るね。明日は冒険者ギルドに行かなきゃいけないから、無限収納にしまうから今日はゆっくりお話ししてね」
【ありがとうマスター、マスターのお陰で兄妹に会えた。感謝する】
「はいはいどういたしまして、じゃあおやすみ」
「アヤメさん達も交代で休んでね、明日は出来れば姿を見せた状態で護衛をしてほしいから」
「了解したでござる」
そして夜は更けて行った、聖剣達はかなり遅くまで話をしていたらしい。翌日チョット眠そうだった。
「みんなおはよう、まずは龍聖のご飯だね。おいで龍聖」
「はぁいママ」
「おなかいっぱいになるまで、魔力吸ってね」
「うん、分かった」
「それで、聖剣さん達は朝ご飯いる?」
【できれば欲しいかな、無ければ無いで全然大丈夫なんだけど。マスターの魔力美味しかったから】
「じゃぁ太らない程度に吸って頂戴、4本いっぺんに吸って良いわよ」
【私達にそんなことして大丈夫って、マスター本当に人間?】
「失礼な!れっきとしたドワーフですよ」
【それにしても、良いマスターに巡り合えたものだ】
【そうだな、魔剣時代の暗い気持ちが全然無いのは最高だよ】
「さて今日は冒険者ギルドに行って、そのあとお城に派手に登場しなきゃ」
「なにゆえ冒険者ギルドに向かわれるのです?」
「それは遺跡の封印を解除したからですね。依頼達成ですから。さて、朝ごはんを食べてギルドに行きましょう」
そうしてギルドに着くと、ギルドの人が外まで出てきて感謝してくれた。
「あの、開かずの遺跡の封印を解除してくれてありがとうございます」
「王様から話は伺っております。それでは中で手続きをしましょう」
「あっ、はい分かりました」
「冒険者証を呈示してもらえますか?」
「はい」
「はい、確認が取れました。それでは依頼達成の報酬金貨100枚です、それとランクもアップしました。DランクからCランクになりました。おめでとうございます」
「ありがとうございます。でもランクアップまでしてもらえるんですか?」
「それだけ、あの遺跡が手ごわかったって事ですからどうぞ遠慮なく」
「わかりました確かに受け取りました。では私はこの後王城に行かなくてはならないので、これで失礼します」
「本当にありがとうございました」
「いえいえ、それとチョットギルド前をお借りします」
「ええ、かまいませんよ」
そうしてアヤメさん達とギルドを出る、賞金を狙おうとする冒険者もいるが流石にアヤメさん達もいるしギルド前では襲ってこない。そうして周りを確認してから大型輸送ヘリチヌークを出す。そして機体の下にサーチライトをいっぱい付ける。これで準備は完了だ周りの冒険者は何が起きたのか分からずに、ただボーっと見ているだけだ。
「さて龍聖も、アヤメさん達も中に乗って下さい、王城に向かいますよ」
「分かり申した」
「改めて近くで見ると、凄いわね」
「護衛の際に、見てはいたけど本当に大きいね」
「更に中は面妖な飾りつけが、いっぱいでござる」
「そう?私は綺麗だと思うけど」
「私も私も」
「あっ忘れてた、王様にこれから行くって連絡してないや『召喚魔法』ワシを召喚したので、これの足に手紙を付けてっと、行っといで」
「手紙には何と書いたのでござるか?」
「ん~とね『これから行きます、派手に登場しますので盛り上げるのを宜しくお願いします』って」
「派手な登場になるのですかな?」
「かなりね」
「おっと、スピーカーも付けなきゃ、これで良し」
王城に向かって飛び立つと、ギルド前に居た人達がいきなりの風で転ぶ、そして王城が見えてきた。準備良し、スピーカーからワーグナーのワルキューレの騎行を大音量で流す。そしてサーチライトを激しく動かしながら王城の上空をホバリングする。昼間でもサーチライトの光を知らない人たちには結構なインパクトなはずだ。そして音楽、これで完璧にドーロン王国の人間はびっくりしているはずだ。ドーロン王国の騎士たちが飛び出してくる。そこにラファージャ国の者達が出てくる。
「あれは我が国の者です。我が国の大型輸送ヘリです。乗ってみますかな?」
ホバリングをやめて降りていく。
「王様の車をお持ちしました」
「おおご苦労であった、それとドーロンの王様が輸送ヘリにも乗ってみたいそうだ」
「畏まりました。エゼルレッド王も一緒にお乗りになり色々説明いたしますか?」
「勿論だ、私が説明しなければ誰が説明するんだ?」
「仰せの通りに。では、まずはヘリに乗って空の旅をお楽しみしてください」
それから暫く空の旅を楽しんでもらった。そして真っ赤な車と白のリムジンを出し、真っ赤な車はスピードと悪路走行など。リムジンは冷たい飲み物など色々と悔しがってもらったそうだ。リムジンは売って欲しいらしく、何回も値段交渉されたそうだが、運転できる人がいないと無理だしねぇ。
そしてその日は王宮に泊って。翌日大型輸送ヘリでワーグナーのワルキューレの騎行を流しながら。無駄にサーチライトを照らして帰って行った。
そしてラファージャの王城へ帰ってきた、車2台を駐車場に出して王様にお礼を言って寮に帰った。寮に帰ってローナに聖剣の件を話すると、大変そうだねと言われ多少羨ましがられた聖剣の末っ子オメガちゃんが気になるそうだ。オメガちゃん一応女の子だしねぇ、可愛いよねぇ。
それにしてもこれから、あと20本の聖剣を探さなきゃいけないのはかなり大変だ。一応聖剣と呼ばれるものが有ったら、総当たりで探していくしかないなぁ。あぁ魔剣もか?大変だなぁ。
それから暫くして、隣国エルドーラの姫様エンディアから、ラファージャの王様経由で連絡が来た。国の復興も一応ひと段落したので、リーサとローナにお礼がしたいとの事だった。王様から二人あてに手紙を貰っているぞと言われそれを取りに行く。
「王様、エルドーラの姫様からお手紙を頂いたとか?」
「おう、預かっているぞ。二人の名前が書かれているから学校に連絡をしたのだ」
「ありがとうございます。復興を凄く楽しみにしていたので嬉しいです」
「そうか、早めに連絡をしたのは正解だったな」
手紙の内容は『リーサ、ローナ、元気にしている?私は色々あったけど元気よ。二人のお陰でエルドーラの被害も最小限に抑えられて、復興も早く終わりそうよ。勿論ラファージャ国の騎士たちの働きもあったけれど。エルドーラの国民もローナのお陰で、元気にしていたので復興にも協力してもらえたわ。本当にありがとう。それで復興もひと段落したし、二人にはお礼をしないといけないから、王様と一緒にエルドーラに来てもらえるかしら?王様と2人には最大限の礼をもって歓迎するわ、期待して待っててね。それでは皆さんが無事にエルドーラを訪れる事を祈っています』とのことだった。
エルドーラに来てくれとの内容だったので、それを王様に伝える。王様宛ての手紙もそんな内容だったらしい。そう言う事なので、エルドーラに行く日時と御付きの人数を書いてお礼の手紙を出す。そうして数日が過ぎ、『エルドーラに来てください歓迎します』との内容の手紙が返ってきた。