遺跡の封印解除後に・・・
アルファは一応魔剣ではなく聖剣らしいです。そして夜遅くまで話し合った結果、どこかの遺跡に行き封印を解いたらマスターになるって事で落ち着きました。アルファは自信満々です、翌日リフレッド先生とエドモンド先生に、どこかの遺跡で封印が解かれていない場所は無いか聞いてみた。そうしたら二人とも有名な場所があると教えてくれた。ローナング遺跡。発見されてから数百年遺跡の門が開いたことは無いらしい。訪れる冒険者はもういなく、だが廃墟になる事も無くその場所に鎮座している。
アルファはいつから封印されていたのかもう覚えていないそうだ。だが見た事の無い景色ばかりだから、数百年は立っているのではないかと、自分でも言っている、そしてもう一つ問題がローナング遺跡は他国なのだ。別に王様に一筆書いて貰えば良いのだが、王様は自分も行きたいそうだ。車を見せびらかしたいのと、封印が解かれるのを見て見たいそうだ。だがそうなると面白くないのはその国の王様だ、他国の王に数百年開いたことのない封印を解かれることになるのだ、しかも車の自慢も含めて・・・一応冒険者ギルドには数百年塩漬けになった封印解除の依頼が出ている。しかもランク問わずだ、流石にランクどうこうでいつまでも封印が解かれない方が困りものなのだろう。
そんなわけで王様にドーロン王国へ一筆書いて貰い。クルマと言うものを見せたいのと、ローナング遺跡の封印を解けるかもしれないアイテムを手に入れたから、我が国ラファージャの冒険者を送り込みたいと書いて貰った。そしたら、もし遺跡が開いたあかつきには我が国の冒険者も同行させてほしいと言うのだ。基本遺跡は開けた者に権利がある、だから王様はそれを断った。そうしたら冒険者の入国を拒否するとの返事が来た。
王様はじゃぁそれで構わない、一生開かない遺跡に思いをはせろと突っぱねた。それに困ったローナング遺跡のある国ドーロンの王様は、しょうがないから遺跡を開けてくれと頼んできた。探索しても全部は探索しきれないだろうと高をくくって・・・・後日冒険者を派遣すると約束した。今回は王様の車を2台を無限収納にしまい。
大型ヘリチヌークで騎士を10人、リムジンの運転手が一人メイドが5人、エドモンド先生と龍聖、騎士のうち4人は遺跡の門の外で番人。他の冒険者が入ってこないようにする。リムジンの運転手とメイドはドーロンの最高級の宿に泊まっている。そしてメイドたちは、私についていた護衛のアヤメなどが護衛することになっている。王家からの書状もある、私達が探索終わるまで入りませんと。これを見せれば冒険者は帰っていく。王様も探索に入るので、騎士が6人一緒についてくる、勿論騎士団長も一緒だ。そして私の無限収納には食料や飲み物がたくさん入っている。それこそ半年はここに籠れるくらいの食料だ、まぁサーチを使いながら中を探索するのでそんなに時間は掛からないはずだが。
さてさて、問題は最初の封印が切れるかどうかだが。アルファは【任しとけ】の一点張りだ、王様も任しとけって言うんだから信じようと楽観的だし。私は切れなかった時の恥ずかしさを考えると今にも逃げ出したい感じだ。そうこうしているうちに遺跡の前に来た。遺跡の前に来たらエドモンド先生が、こことここの間に封印の結界が張られていますと教えてくれた。
「さぁ、アルファちゃん出番ですよ」
【任しとけ】
「私は普通に、結界が張られているところを切るだけで良いんだよね?」
【ああ、あとは俺が何とかする】
「じゃぁ行きますよ、てぃ」
『パリーン』と音がして結界が切れた。遺跡が音を立てて開いていく
【なっ俺が言った通りだろ?これでリーサは俺のマスター決定な!!】
「分かったよ、約束だもんね」
【やった、最高のマスターと契約できた】
「嬉しいのは分かったから、落ち着いて」
「リーサまずは遺跡が開いたのだから、中に入ろう」
「分かったよ王様、今からサーチの魔法を使うからちょっと待ってて・・・この近くに罠の類はないみたい。奥に進むね、門番さんあとは宜しくお願いします」
門番として残った4人に声を掛け、任しとけと心強い返事を貰い、サーチを掛けておくに進みます。ですがサーチを掛けていくと迷路になっているわけでも、隠し部屋があるわけでも、罠も無くただただ長い地下への坂道でした。地下に下りて行く事一時間、エドモンド先生と騎士団長に話、そろそろ休憩を取ることにしました。ただただ長い坂道を歩いているだけで、皆が疲弊するわけでも無いのですが今回は王様が居ます。さすがに一時間も歩けば疲れます。私は栄養ドリンクを練成し皆に渡します。皆が、何だこの冷えた飲み物はと不思議がっていますが私は気にせず体力を回復する飲み物です。と説明し皆に飲んでもらう。そして瓶はちゃんと回収する、今後入ってきた冒険者が、瓶を宝物と勘違いするのも癪だからです。栄養ドリンクは3000円くらいするものを練成したので、みんな無駄に元気「何だこの飲み物は不思議と力が湧いてくる」と評判は良い。
さてこの先ですが、分かれ道も無くただただ一本道だよ。それを伝えると王様は詰まらなそうにしていました、ですが先は長いのですまだ数キロ坂道が続いています。昔の人がなぜこんな場所を封印したのか分からないのですが。それでも数百年開かなかった封印です。奥の財宝には興味が湧いてきます。休憩もそこそこに元気になった皆が歩いて行きます。心なしかさっきより速いペースです、そして奥の扉に着きました此処にも封印がなされています。
「アルファちゃん出番だよ」
【はいよ】
「てやぁ!!」
気分で声を大きく出してみました。じゃないと切った気がしないんだもん、封印が解かれるとそこには金銀財宝が眠っていました、そして奥に一本の剣がありました。
【ベータ、ベータじゃないか?】
「ん?知り合い?」
【俺の妹だ】
「まだ、眠ったままみたいだね」
【リーサ、魔力を注ぎ込んでくれ】
「分かった」
因みにこの会話は皆に聞こえていますから。皆少し後ろで見ています。そしてベータを握り魔力を注ぎ込むと剣が虹色に光っていきますそして・・・・
【何?何が起こったの?】
【ベータ、起きたか?】
【あれ?お兄ちゃん、何でここにいるの?】
【まぁ色々あってな、偶然お前を見つけたんだ】
【他の兄妹は?】
【それは俺にもわからない、俺もつい最近封印から解かれたんだ】
【そんな・・・・】
【でも、復活しているなら。そのうち声が聞こえてくるさ】
【それもそうね】
「まだ兄妹いるの?」
【あぁ、いっぱいいるぞ】
【なぁに?お兄ちゃんを握ってる子供は】
【この子はリーサって言うんだ、お前を復活させたのもこの子の魔力だ】
【うそ?信じられない、私達を復活させられるほどの魔力を持った人間がいるなんて】
【信じられないと思うかもしれないけど本当なんだ。そしてさっき俺のマスターにもなってくれた】
【うそ?お兄ちゃんをを使うなんて、その人間干からびて死んじゃうじゃない?】
【それが大丈夫なんだよ、リーサ、ベータにもっと魔力を注いでくれ】
「いいけど、大丈夫?」
【大丈夫だ】
【ちょっと、何するのよ止めなさいよ】
【ベータ大丈夫だから、お兄ちゃんの言う事を信じてくれ】
「まぁ、アルファがそう言っているのでお願いします」
そうして、ベータに魔力を注いでいく、最初は嫌がっていたベータだが
【何?この美味しい魔力?ちょっと待ってこれ以上入れられたら、太っちゃう】
「剣も太るんだ?」
【太ると言うか大剣になるな!】
「何それ?そういうものなの?」
周りで話を聞いている王様も、騎士達も皆ポカーンとしている。会話が余りにも阿保らしいからだ
「王様、帰ってきて!!ポカーンとしていないで」
「この剣ベータって、私の持ってる剣の妹みたいだから貰っても良い?」
「あぁ、ああ構わんぞワシはチョット探検がしてみたかっただけだからな。そこの財宝もリーサが持って行くと良い」
「ありがとう。それでエドモンド先生、この子達の兄妹知りません?」
「喋る魔法剣なんて有名になってもおかしくないから。まだ封印されているんじゃないかな?」
「そんなぁ、まだこの子達の兄妹を探さなきゃいけないのか・・・・そうだエドモンド先生も何か財宝持って帰りませんか?」
「良いのかい?私は何もしていないが?」
「良いです良いです」
「じゃぁこの短剣を・・・」
【【オメガ~】】
【その短剣は末っ子のオメガです】
「先生その短剣はチョット待って下さい・・・・持って行かれると面倒な事になりそうなので他の物で、できれば剣じゃないもので」
「そうだね、そうしよう、このツボを貰っていくよ」
「そうしてください」
「で?この短剣にも魔力を注げばいいのね?」
【そうしてください、お願いします】
なんだかわからないが、兄妹が見つかったことは良い事だ魔力を注いでいこう。
【う~ん、良く寝た、あ!お兄ちゃん、お姉ちゃん久しぶり】
【確かに久しぶりだな、見つかって良かった】
【あなた、今人間に連れていかれる所だったのよ】
「人聞きが悪いな・・・、先生も悪気があったわけじゃないんだから許してあげて」
【そうだったんだ~?危なかったね~】
【相変わらず、のんきね】
「まぁ、兄弟が見つかって良かったね」
【ありがとう、マスターのお陰だ】
「いえいえ、それは良いとして、最後に隠し部屋が無いかサーチを掛けます」
「あっこの奥に隠し部屋があります。壁を破壊しますね『爆散』けほけほ、これで隠し部屋も出てきます」
そこには今まで以上の金銀財宝と1本の禍々しい剣が・・・・嫌な予感しかしない。
【【ガンマ~】】
またこの展開か、でも今度は禍々しいんですけど魔剣?
「ってかこの子も兄妹って展開だよね?そうだよね?絶対そうだよね?」
【はいマスター、この子は弟のガンマです。悪い人間に使われて魔剣になってしまったんです】
「魔剣って危険じゃないの?私持つの嫌だよ?」
【大丈夫です、マスターの虹色の魔力を吸わせたら。聖剣に戻るはずです】
「そんなに簡単な物なの?」
【大丈夫よ、貴女の魔力は綺麗だったもの】
「まぁいいか、じゃぁ握るよ」
そして魔力を注ぎ込むと。又虹色の光とともに剣が話し出した。
【なんだ?この清々しい気持ちは久しぶりに生き返った気がする】
「聖剣になった?」
【大丈夫だ!マスターの魔力で聖剣に戻れた。ガンマ久しぶりだな】
【おっ!兄貴じゃないか、姉貴も、おっ、オメガもいるのか久しぶりだなぁ~】
【お前も聖剣に戻れたみたいで、何よりだ】
【そう言えばそうだな?何があったんだ?俺は1回魔剣になったはずだが?】
【俺のマスターのリーサが聖なる魔力で、お前を聖剣に戻してくれたんだ】
【おお、それはどうも、兄貴共々お世話になってしまって。久しぶりの聖剣モードで凄い気持ちいいです】
「それは良かった。そして君たちの名前がギリシャ文字だという事は、まだまだ兄妹が居るのね?」
【そうだ、全部で24兄弟だからまだまだいるぞ】
「ふぅ、取りあえずここに4本、あとは20本って事だね」
【そうだな、マスター】
「この周りに兄妹いない?さっきみたいなの無い?」
【ないと思うぞ】
「分かった、財宝は無限収納にしまうね?それで君たちはどうしようか?4本も持ち歩くわけにもいかないし」
「ってことはリーサよ、ここの遺跡は、さっきの魔剣を封印するために強力な封印がされてたって事かい?」
「そうだと思います、王様」
「でも、もう魔剣も聖剣になったし、財宝も全部取りつくしたし、この遺跡はただの遺跡になっちゃったってわけだね?」
「そうですね、サーチを掛けても他に部屋のような物もありませんし。ただの何もない遺跡です」
「これは面白い、財宝は我が国ラファージャが全て取りつくしたと、まぁそれは言う必要もないな。何もない遺跡を探検させよう。そして車の自慢をして帰るとするか」
「そうですね、そうしましょう。そして君たち聖剣はまた夜に出してあげるから。今は私の無限収納にしまわれてね」
【分かったぞ、マスター。皆も良いな?】
【【【うん】】】
そして無限収納に聖剣をしまい。宿に帰ったら頭の中に話す範囲を、1部屋に限定して話してくれと伝えた、他の部屋に聞こえたら色々困るからだ。まぁ高級宿だから一部屋と言ってもかなり広いのだが、王様はメイドと騎士達と共に王宮に泊る事になり。一般冒険者の私はメイドたちがいた部屋に泊ることになった。今日はアヤメさんもキクさんもカエデさんもいる皆でお泊りだ。