ドラゴン風邪
隣国から帰ってきたら、王様が戦闘ヘリに乗せろとうるさいので、運転は絶対に無理ですが乗せるだけなら構いませんよっという事で。王様がヘリに乗ることになった、ヘルメットを被って貰い龍聖やローナにも付き合ってもらって空中散歩だ。戦闘ヘリの最高速度370キロを出したり、ゆっくりと景色を見たりと1時間ほど飛んでやっと満足されたようだ。新しもの好きの王様も困ったものだ、いや、王様だから新しいもの好きなのか?王城の門の前に戦闘ヘリを降ろして王様に下りて貰う。王様は又乗せてくれと言っていた、王様を降ろして学校の修練場に戦闘ヘリを降ろすとリフレッド先生が出てきた。それはもう目をキラキラさせて、そしてこう言った『の・せ・て』又かという思いと、ここにも居たねという思いが交差した。
そして今空を飛んでいる、なぜかって聞かなくても分かるだろう。横にはリフレッド先生が乗っているんだよ?そしてレシーバーに入ってくる叫び声『うほぉおおおおおおおおおおおおおおお』とか『うぉほほほほほほ』とかおよそ教師とは思えない叫び声だ。そしてまた最高速の370キロを出したり、ゆっくりホバリングしたりとこちらは日が暮れるまでお楽しみ遊ばれた。私と龍聖とローナは寮に戻ると食堂に行って食事をした。龍聖の食事もはたから見たらただの抱っこだから食堂で龍聖に食事をあげても問題ない。
そこで問題が起きた、龍聖がくしゃみをしたのだ、それだけならば問題が無いのだが。その瞬間人型が解けかけドラゴンの姿がうっすら浮かび上がる。幸い夜遅く人も少なかったので気づいた人はいないが、私はローナに「チョット出てくる、ここじゃ危険だから」と言ってトラックを出し龍聖と一緒に乗り王都を離れた場所で龍聖を降ろす。するとまたくしゃみが、今度は何回かくしゃみが出た、その度に龍聖はドラゴンの姿に戻っていた。しょうがないので龍聖にイメージ魔法『光学迷彩』をかける。そうしないと冒険者に襲われる可能性がある。
そして、トラックの荷台部分の屋根を外しそこに龍聖を乗せる。そしてそこに私も座ると無限収納から対のオーブを取り出した。初めて使うが大丈夫だろうか?オーブに魔力を注ぎ込み神様を呼び出してみる。そうしたらオーブが淡い光を漂わせオーブの中に神様の姿が映し出された。神様は着替え中だった、相変わらずの我がままボディでボンキュッボンだった。まぁ神様も着替え位するよなと思いつつ、着替えが終わるのを待つ、着替えが終わったところで声を掛けた。
『ひゃぁ』
「お久し振りです」
『お久し振りって、見てたんですか?』
「着替えの事ですか、見てました、神様も着替えるんだなぁって思いながら見てました」
『うううう、お嫁にいけない・・・』
「お嫁に行けないって、普段からスケスケの洋服じゃないですか?」
『着てるのと、着てないのはかなり違うんです』
「はぁ、そんなものですか」
『そういうものです』
「それで困ったことがあって、連絡をしたんですが」
『どうしました、戦争でも始まりましたか?』
「それは無いんですが、後ろ見えますか」
『いえ、なにも』
「光学迷彩解除」
『おぉホーリードラゴンじゃないですか、どうしたんですか、鱗でも削って飲むんですか?寿命が延びますよ?しかもホーリードラゴンの恩恵も付きます』
「マジですか?、友達に飲ませちゃった。効果はいつまでですか?」
『軽く2~300年くらいですかね?』
「龍聖あとで鱗飲ませて。ローナだけ死なないのは可哀そう」
『名前を付けてるって事は、使役しているんですか?』
「使役と言うか、一緒に暮らして子供のようにしています」
『そうなんですか、珍しいですね』
「ところで、龍聖が人型からドラゴンになってしまったんですが、どうしてでしょう?」
『う~ん、見たところドラゴン風邪をひいてるみたいですね』
「ドラゴン風邪?」
『名前の通りドラゴンが引く風邪です、種類は様々で龍聖ちゃんのように人化が解けたり。クシャミのたびに火を吐いたり。飛べなくなったりと色々です』
「それはどうすれば治るんですか?」
『あの山の頂にある、雪月花と言う雪の結晶の様な花があるので、それを絞って飲ませれば1発で治りますよ』
「そんなに簡単なんですか?」
『話は簡単ですが、そこに行くまでが大変ですよ?精霊たちが邪魔をしてきますから』
「精霊って風とか土とかですか?基本的に仲が良いのですが?」
『それでもです、何と言っても精霊のボスが居ますから』
「精霊のボス?元締めですか?」
『そうです、機嫌を損ねると通してくれません』
「魔力石で何とかなりませんかね?」
『どうでしょう?その時の気分で違いますからね、しかも精霊らしく、人型に羽が生えてる理沙さんが前世で読んだことのある本などに出てくる精霊です。いたずらも好きですし困ったものです』
「それは戦闘用ヘリとかで、一気に登っちゃダメなんですか?」
『それじゃ異世界感が一切楽しめないじゃないですか』
「そういうものですか?」
『そういうものです』
「風を纏って空を飛んで行くのはありですか?流石に歩いて行くのはチョット」
『それくらいなら大丈夫ですが、途中で風の妖精に邪魔されますよ』
「そこでは『浮遊魔法』を使います」
『まぁ、このままじゃらちがあきませんし、行ってらっしゃい』
「まぁ行ってきます、あぁそれと、食生活や平和な世界に転生させてくれてありがとうございます。モンスターの氾濫とかがありましたけど。基本幸せに暮らしています」
『そうですか、それは良かった』
「また何かあったら連絡させてもらいます。次は着替えておいて下さいね」
『気づいたら声を掛けてください!!』
「ではまた」
『はい』
通信が終わって龍聖の様子を見る。まだドラゴンのままだ
「まずは『光学迷彩』これで冒険者に襲われる事は無いわ。ママからは龍聖が見えてるから大丈夫だからね、心配しないでね」
「ママ怖いよ」
「大丈夫ただの風邪だって、人間だって風邪になるんだからドラゴンだって風邪くらい引くわよ」
「神様が、雪月花の花の汁を飲めば一発だって言ってたから大丈夫でしょう」
「まぁ登れるところまで風魔法で行きましょう、折角だから龍聖は飛ぶ練習もしましょうか?」
「わかった飛んで行く、っていうかママ背中に乗っていく?」
「良いの?」
「良いよ、ママは軽いもん」
「やん、嬉しい事言っちゃってじゃぁ背中に乗せてくれる?」
「うん、じゃぁ飛ぶよ鱗に捕まっててね」
「はぁい、龍聖にお任せします」
龍聖の背中は広くて鱗がいっぱいなので捕まる場所はいっぱいある。だがしかし両方の羽が動くので非常に乗りづらい、まだドラゴンとしては小さい方だから乗りづらいのかな?もう少し大きくなったら背中も広くなって乗りやすくなるのかなぁ?まぁ今は折角龍聖が乗せてくれるって言ってるんだから甘えましょう。暫く龍聖の背中に乗っていたら景色が変わってきた、岩がゴロゴロしているような土地だ、ここはノームの土地かな?少し行くと龍聖の鼻先に帽子をまぶかにかぶった精霊が通せんぼしている。龍聖なら食べれてしまうようなサイズだが龍聖は戸惑っていた。
「こんにちは。ここはノームの土地で良いのかしら?」
【そうだゾ、人間はここは通っちゃいけないんだゾ、早く立ち去れだゾ】
「あのねこの山の頂上にある、雪月花って花をこの子に飲ませないと風邪が治らないのよ。通してくれない?」
【駄目だゾ、通さないんだゾ】
「ノームさんとは、小さい頃からゴーレムを作ってもらってよく遊んだ仲じゃない?」
【そうなのかだゾ?】
「そうよ、何なら土の魔力石作るから食べてみて」
思いっきり土の魔力を込めた魔力石を大きめにあげる。これで通れたら最高だ
【ああ懐かしい味だゾ、お前の魔力は変わってて美味しいからと、他の精霊から聞いて遊びに行ったんだゾ。昔の馴染みだから通っても良いんだゾ】
「ありがとう、ノームさんこれはお礼よ土の魔力石をもう一つ置いていくわ」
【ありがとう何だゾ、この先の仲間にも、お前が久しぶりに会いに来た事を伝えておくんだゾ】
「こちらこそありがとう」
そう言ってノームと別れたら、今度はジメジメとした土地だ、まぁウンディーネだろう。今度は何て言われるかな?
【久し振りって程でも無いわね、この前の戦場での雨は私が降らしたしね】
「そうなんだ!?あの時はありがとう」
【べっべつに大したことじゃないわよ、魔力石も貰ったしね美味しかったわ】
「今回も魔力石あげるから通して欲しいんだけど?」
【別に私とあなたの仲だから魔力石が無くても通してあげるわよ。でもどうしてもくれるって言うなら貰っておくわ】
「ふふ貰って下さい、はい水の魔力石二つね」
【ありがとう、本当は大好きなの】
「じゃぁ、通して貰うわねぇ」
【ええ良いわよ、他の仲間にも伝えておくわ】
みんないい子たちだ、チョット性格に特徴があるけどみんな可愛いな
今度は風のエリアだ、暴風が吹き荒れてる龍聖が飛ぶのが大変そうだ
「龍聖大丈夫?」
「大丈夫だよママ」
【大丈夫だよママじゃないわよ、ここは通さないわよ】
「えぇなんでぇ?シルフィードが一番仲良しじゃない?」
【それでもダメなものはダメなのよ、魔力石でも駄目だからね】
「じゃぁ何ならいいのよ?」
【だから通さないの、何ででもダメなの】
「そう言う事、言う子はこうだ!!」
思いっきり抱き締めてみた、そして良い子良い子してあげた
【ううもっと遊んで欲しいの、かまって欲しいの】
なんだ寂しかったのか?ちょっと遊んでいくか、魔力石をあげてトルネード&かまいたち&果物を投げ入れてフードプロセッサー、コップを出してシルフィードにあげる。
「飲んで、美味しいわよ」
【コクコクコク、ふ~美味しかった】
【通って良いわよ最近魔力石の量が少なかったから、チョット拗ねてただけなの】
「本当は良い子だもんね、知ってるよ」
「じゃぁシルフィードには、特大の魔力石をあげよう」
【わ~ぃありがとう】
「じゃぁ通らせて貰うわね」
【ええ良いわ、この先はサラマンダーだから気を付けてね。怒らせると火傷するわよ】
「分かった、気を付けるわ」
【全部話は聞いていたぞ、そんなわけでここは通さん】
「なんだ話は聞いていたなら話は早い、ここを通して!私が鍛冶スキルで火を友達にしてるのは知っているでしょ?」
「それともこの前の戦争で、サラマンダー呼ばなかったから怒ってるの?」
【それもある、なぜあれだけの火力を我が眷族で行わせてくれなかった?】
「モンスターとはいえ殺すのに、直接手をかけて欲しくなかったの・・・・」
【うぅその気遣いは嬉しいが、我は欲求不満じゃ】
「じゃぁちょっと待ってて、この先にある花が枯れると困るから先に取ってくる。そうしたら大量の火柱を上げよう、火の魔力石も大量にあげるから派手に行こう」
【よし!それで構わんぞ】
「じゃぁ先に花を取ってくるね」
【ああ行ってこい、まぁここで火柱を上げたくらいで枯れる花ではないがな】
頂上に付いた、綺麗な花畑だ、そしてサラマンダーの場所から少し離れているから少し暴れたくらいじゃ問題なさそうだ。早速何本か摘んで絞って龍聖に飲ます。光学迷彩も消す、効果てきめんもう人型に戻ってる、今後また龍聖が風邪を引くと困るから更に何本か摘んでおこう。そして無限収納にしまっておく、さぁ今度はサラマンダーと火柱パーティだ。
【もう夜も遅いから、綺麗な火柱が上がるぞ】
「じゃぁ火の魔力石食べてね大量に行くわよ。ファイアー!!!!そしてトルネード!!!」
火と風がダブルで重なって辺りを燃やし尽くす。もともと火山地帯で何もないが地面がガラスじょうになっていく、これにはサラマンダーも満足した顔で頷いている。
「これで満足?」
【ああ、満足だ】
「じゃぁ、又何かあったら呼ぶわね」
【あぁ、かまわんぞ】
「じゃぁ皆にも挨拶しておいてね、またね」
戦闘ヘリを出し一気に降りていく、そして学校の修練場へ、そして寮に行き今日一日の疲れを取る為に寝るのだった。因みにローナはもう寝ていた。