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姫様と仲よくなっちゃった



さぁ朝になった、昨日の夜にローナは龍聖の鱗を削ったものを飲んでいる。だが1晩眠ったおかげか魔力酔いの様子は無い。龍聖に朝ご飯をあげて私は非常用の干し肉をかじる。ヘリの運転の無いローナと姫様にはヘリの中で食事してもらう事にする。とはいえ流石にサンドイッチの様な軽食に水筒だが。


王様に挨拶をして、これから隣国であるエルドーラに向かう事を伝えると。無事に帰って来いと激励された、出発は王様や騎士団長や色んな人に見送られた。流石に騎士団長は王様の警護があるから残っているようだ。きっと副団長は昨日の第一陣で出発したのだろう、今回は風の妖精シルフィードの力も借りたいために風の魔力石も大量に用意した。ヘリにも風の魔力石を入れる、これで今回はヘリが風の影響を受けにくいはずだ。


姫様も昨日とは打って変わって、動きやすそうな服装に着替えてくれている。スカートではなくズボンの様なものだが少し派手だ、まぁ姫様だからしょうがないか。それより中に乗って貰ってヘルメットを被って貰う。風魔法で浮いているようなものなので、ローターは飾りのようなものだが一応回転しているとそれなりにうるさいのだ、なのでヘルメットにはマイクとレシーバーのようなものが付けてある。被って話をしてみたが問題なさそうだ、むしろ耳に直接声が聞こえる事をローナも龍聖も姫様も驚いていた。


これで準備は完了だ、ヘリが浮くように念ずるとゆっくりと浮かんでいく。昨日乗っている龍聖とローナは問題ないが姫様が軽くパニック状態だ。ローナにお願いして光魔法で鎮静効果のある魔法をかけて貰った、姫様は取り乱していた事を恥じてチョット赤くなっていた。気にしないで下さいと声をかけ向かう方角を指示してもらう。そこからは早かった、一気に加速していく戦闘用ヘリハインドD、風の魔力石が効いているのか昨日より扱いやすい。景色がどんどん変わっていくさまにローナも姫様も驚いている。龍聖は大人しいものだ流石はドラゴン、この速度で龍聖が飛んでいるところを見た事は無いが龍聖にとって、いやドラゴンにとっては大したことのないスピードなのかもしれない。


景色が変わっていく中で姫様の表情が変わってきた。見れば下は木々がなぎ倒されている、どこでモンスターの大繁殖が起きたのか分からないが。何かが違えばラファージャがモンスターの餌食になっていたのかもしれない。それぐらいラファージャとエルドーラの間くらいから木々がなぎ倒されているのだ。姫様は言葉少なに『あんなに綺麗だった森が・・・・』と一人呟いている。可哀そうだが仕方の無い事だ、誰にも予想のつく事ではない、だがこうして木々を眺めているだけでは意味が無い、早くエルドーラの王城に行き現状を聞かねば攻撃もできないし、光魔法をどの範囲まで使って良いものかすらわからない。それほど私達には土地勘が無い場所なのだ、それなので姫様に王城の場所を聞く。


「姫様、王城の、いえ今の現状が分かる場所は何処ですか?」


「王城の作戦室ですわね」


「では王城の何処に、周りの被害を最小限にしてこの戦闘ヘリを降ろせますか?」


「王宮の庭で構いませんわ」


「それはどこに?」


「あの噴水の見える場所の辺りですわ」


「分かりました、多分ヘリがいきなり降りてきたら王城の人がパニックになりますので。姫様はいち早く降りていただき、現状の説明をお願いします」


「分かりましたわ」


そうこうしているうちに王宮の上にヘリが来た、王宮の中からは人が沢山出てきた。姫様は一人先に下りてこれは友軍の兵器です、手を出してはいけませんと説明してくれた。


「光魔法を広範囲に使える者を連れてきました。国の地図か何か村や町がある場所だけでも分かる物を出してください」


「早く地図を持ってきなさい」


「はい、姫様」


「それと、現状でモンスターが大量にいる場所が分かる方。作戦司令官のような方もお願いします」


「軍の司令官をここへ」


「はい、姫様」


「司令官が参りました」


「おぉ、姫様御無事で」


「今は挨拶はいいわ、この少女に現状の説明を」


「は?」


「聞こえませんでしたか?この少女に説明を敵の場所、自軍の撤退状況を今すぐです」


「はっはい!!撤退は完了しており、敵は襲った村や町で殺した民を食い散らかしております。死体の回収は無理かと・・・」


「そうですか・・・・・リーサ聞いた通りです、あとの指示を」


「分かりました、あとは国のどの場所に光魔法をかけるかの支持を下さい。ここにいるローナは広範囲に光魔法をかけることが可能です。負傷者がいる場合自力で逃げ出す事も可能になります」


「それは助かります」


「早く場所を!!」


「はっはい!!地図上のここと、ここと、ここはもう無理です」


「それ以外の場所は光魔法をかけても大丈夫ですね?」


「はい、お願いします」


「分かりました、姫様もう一度乗り込んでください。空からの指示をお願いします」


「わかりました。みんなあと少し持ちこたえて頂戴」


「「「「「「はい、姫様」」」」」」


「姫様、上がります」


「分かりました」


「ローナ光魔法は全体に行ける?それとも数か所に分ける?」


「全体に行くわ。そうじゃないと間に合わない人もいるかもしれないし」


「『魔力供与』は?」


「お願い、流石に広すぎるわ」


「どれくらい?」


「1万くらい?」


「じゃぁゆっくり流すから、受け取って」


「広域回復魔法全開」


「魔力供与」


ゆっくりとだが着実に光魔法が広がっていく、歓声も上がっていく魔法は成功しているようだ。だが早くしないと敵を殲滅できない。


「ローナ大丈夫?」


「大丈夫よあと少し」


「分かった、魔力もこのまま流して行って良い?」


「いいわ、最後までお願い」


「分かった、倒れないでね」


「大丈夫龍聖ちゃんのお陰で魔力が馴染むわ、これで回復は大丈夫なはずよ、これで回復しない人は一か所に纏めてもっと強い回復魔法をかけないと駄目だわ」


「分かった、じゃぁ姫様モンスターの固まっている場所を教えてください」


「分かったわ南東の方角に向かって頂戴、この先に町と村が有ったの・・・」


「分かりました『イメージ魔法 鷹の目』見えました、確かにモンスターの巣窟ですね」


「そうなのね」


『風の精霊シルフィードよ、モンスターの周りに複数の竜巻を、モンスターを逃がすな』


大量の竜巻が隙間なくモンスターを囲んでいく、そして段々と範囲を狭めていく、そこに特殊焼夷弾ナパームBを打ち込んでいく。ナパームBは10分近く燃え続ける、それを大量に打ち込むそのうち火災旋風が起き、周囲の空気を巻き込んで辺り一面を火の海に変えていく。モンスターたちは特殊焼夷弾に直接当たった者は火だるまになり、火災旋風に巻き込まれた者達はのどを焼かれ、皮膚が火傷でただれ息もできずに燃えていく。シルフィードたちは仕事が終わった順に私の目の前に現れ、風の魔力石を貰って嬉しそうに帰っていく、これで人が近づかない様に竜巻だけはあと1時間くらい展開しておく。そして30分くらいしたら、水のウンディーネの力を借りて、雨を降らせて地面を固めていく、ウンディーネも水の魔力石を貰いに来たのであげていく。


あとは王城に戻って状況を説明し、殲滅しそこなった小物を騎士と冒険者に倒してもらう。これで任務完了だ、一旦王城に戻ってくると司令官が飛び出してきて。 


「姫様、ご無事ですか?」


「私は無事です、それより大量にいた敵は殲滅している最中です、風の外に居る撃ち漏らしを騎士と冒険者で倒してちょうだい、そして広域回復魔法で治らなかった者達を一か所に集めるのです」


そして回復が間に合わなかった人たちが集められて居る所に、ローナと姫様と一緒に回っていく。もう1度ローナに『魔力供与』をしてほぼ全ての人の回復を終わらせた。あとは知らない人に回復してほしくないと拒否されただけだ。これはしょうがない隣の国から来たのだから知らないのは当たり前だ。


人々からはローナは癒しの少女と二つ名を貰っていた。私は騎士たちから紅蓮の少女と二つ名を貰っていた。騎士と冒険者がモンスターを探しているが、撃ち漏らしはほとんどいないみたいだ。流石『鷹の目』を使って範囲指定しただけのことはある。王城に戻ってモンスターの脅威は去った事を伝えると、王様と姫様に感謝された。 


「後は私達の王都ラファージャから、騎士5000名が復興支援に来ますのでその者達に協力させてください。支援物資も持って来るはずです」


「今回は何と言っていいか、隣国の王都『ラファージャ』に断られたら私達は・・・」


「大丈夫ですよ、平和な世の中が続く限り我が国『ラファージャ』は隣国を愛し続けます」


「そう言って貰えると助かります、紅蓮の少女と癒しの少女よ」


「二つ名は恥ずかしいのでお止めください司令官。私がリーサでこっちがローナです」


「すまなかったな、リーサにローナよ改めて感謝するぞ」


「リーサ本当に助かった。盗賊に襲われた時リーサが現れなかったら、我が国は終わっていたかもしれない」


「それこそ偶然です、姫様の運が強かっただけですよ」


「私達はその姫様の運に引っ張られただけです、全て姫様の功績ですよ」


「リーサにローナよ私の事も名前で呼んでくれるか?私は『エンディア』と言うの気軽にエンディアと呼んでちょうだい」


「「分かりましたエンディア」」


「リーサにローナ、これからも仲良くしてくれますか?」


「「もちろん」」


「こちらこそ宜しく、エンディア」


「そうだお近づきのしるしに、エンディアの部屋に最新のマジックアイテムを取り付けてあげる」


「エンディアの部屋を教えて貰える?」


「えぇいいわよ、何かしらワクワクするわね」


「これはラファージャでもまだ王様の部屋にしか。設置していないマジックアイテムよ」


「それは凄いわね、どんな物なの?」


「エアコンと言って暑い日も寒い日も、部屋の温度を快適にするマジックアイテムよ」


「ちなみに魔力石で動くから、魔力石の入れ忘れは駄目よ?」


それから数台のエアコンを取り付けた、流石に姫様の部屋だけあって広かった


「最後にこの装置のここのボタンを押してね、これで快適な温度に自動でなるわ、試しに押してみて」


「あら、箱から冷たい風が出て来たわ」


「部屋全体が快適な温度になったら勝手に止まって、温度が変わったらまた動き出すわ」


「ありがとう、素敵な贈り物だわ」


「私からも何かあげたいけど、何が良いかしら」


「気持ちだけで良いわ、これから復興にお金がかかるでしょ。復興が終わって覚えていたら何か送って頂戴」


「ありがとう分かったわ、まずは復興に力を入れて、それが終わったら王家から何かプレゼントするわね」


「ありがとう、そうしてくれると心置きなくもらえるわ。今はまだ町がひどい状況だし・・・」


「そうね、でも見ていて、私達が本気を出したら。復興なんて簡単に終わらせちゃうんだから」


「そうだね、エンディアに任せておけば問題なさそうね」


「じゃぁ、私達はそろそろ戻って王様に状況を報告するわ」


「そう、少し寂しいわね、また今度ヘリに乗せてね」


「えぇ必ず」


「「それじゃぁまたね」」


「またね」


そして戦闘ヘリに乗り込んでいくリーサとローナと龍聖、エンディアと王様に別れを告げ、王都ラファージャへ。戦闘ヘリハインドDは飛んでいくのでした、王都に戻って王様に状況を報告し終わると、それが合図だったかのように王様が空を飛びたい。さっきの乗り物に乗りたいと駄々をこねるのでした。

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