さぁ戦争だ!!
王城に着き、近衛騎士に挨拶をして、隣国の御姫様が王様に会いに来た旨を伝える。だが王様は例のごとくナンパの真っ最中だ、フラウ先生が居なくなって更に酷くなった気がする。私は又召喚魔法で鷲を10羽召喚しその全ての足に『隣国の御姫様が会いに来ています早く帰ってこないと・・・』と書いた手紙を結んだ、お姫様に少し待ってもらうように告げると、真っ赤な車がうなりをあげて走ってきた。そして急ブレーキ。
「お待たせリーサ、この呼び出し方は精神的にきついのだが」
「今回は、そんな事言っている場合じゃないから早く話を聞く体制を整えてください」
「王様にあんな口調で話すとは、不敬ではないのか?」
「リーサは特別なんです」
「ローナ、人をそんな歩く非常識みたいに言わなくても・・・・」
「魔力とかこのバスとかかなり非常識よ?」
「うっそれを言われると・・・でもローナの光魔法の範囲も非常識じゃん」
「今回は痛み分けかな?」
「そうだねぇ」
「それにしても隣国『エルドーラ』の姫君が我が王都に何の様かね?」
「王様!!ここで聞くような話じゃないでしょ?謁見の間とか無いんですか?」
「一応ある」
「一応って・・・じゃぁそこでお願いします。私達は帰りますので」
「あとここに馬車と馬を出しますね、それと近衛騎士の方たちにお願いがあるんですが、姫様を襲っていた盗賊が居たんですが本当に盗賊か分からないので、締め上げて話を聞き出してください。そいつらもここに置いていきますね」
「分かった、こちらの方でしっかりと事情を吐かせよう」
「よろしくお願いします。賞金首だったら教えてください賞金を取りに来ますので」
「分かった分かった、まぁ賞金首じゃなくても『エルドーラ』の姫君を襲ったんだ賞金は出るよ」
「やったぁ」
「リーサ、そんなにお金貯めてどうするの?」
「昨日みたいに何かあった時にパーッと使うのよ。今日も午前中までは楽しかったでしょ?」
「まぁね、昨日の買い物と今日の午前中までは楽しかった」
「じゃぁ、また今度パーッと使うイベントを一緒に考えよう」
「わかったわリーサ」
「さて、皆バスの中で待ってるから行こうか?」
「そうだね」
「それでは近衛騎士の方たち、あとは宜しくお願い致します」
「ああ、任せておけ」
「では失礼しまぁす」
そして私達はいつもの日常に戻った、勉強をし素材を買って剣を打ちギルドに卸し。イメージ魔法を使って商品を作ってギルドに卸すそんな毎日が続くはずだった。だが隣国『エルドーラ』の姫君はトンデモナイ話を持って来ていた。エルドーラの国にモンスターの進攻があったというのだ、そして隣国の王都に助けを求めに来たのだった、自国の騎士や冒険者だけでは対応できないほどのモンスターの数。もう幾つかの村や町が襲われているらしい。そして私のもとに王城から早馬が来た『リーサへ王城への登城を命ず』王様からの勅命であった。私はローナに説明をし城に行ってくる旨を伝える。トラックを出し急ぎ城へ向かう。
「王様、直々に私をお呼びだそうで、只今まいりました」
「おうリーサよ良く参った、と堅苦しい挨拶は無しだ今はそれどころではない!」
「はい、それではご用件は?」
「隣国のエルドーラに、モンスターの大群が押し寄せてきて、自国の騎士と冒険者では対応しきれないと言うのだ」
「はい」
「そこでだ。以前リーサは、トラックを戦争には使うなと話した時にワシとモンスターの反乱なら話は別だがと言ってくれたな?そしてより強力な武器も提供するから声を掛けろとも言った」
「よく覚えてましたね」
「流石に王だからな、重要な話は忘れないさ」
「では、今回の私への依頼は・・・」
「そうだ、トラックの増産と敵を殲滅するだけの武器の供給だ」
「兵士の数と敵の兵力は」
「兵士は1万、敵の兵力は3万と言ったところか。ドラゴンやワイバーンの様な空を飛ぶモンスターは確認されておらん」
「敵の大きさなどは分かりますか?」
「ゴブリンやオークと言ったところか」
「分かりましたそれであれば兵士は5千、それと鉄鉱石を大量に用意してください」
「兵士は復興支援に回って貰います。それ以外は私一人で殲滅して見せましょう」
「それはまことか?」
「はい私の魔力でも、私の作る兵器でも、どちらでも殲滅可能で御座います」
「魔力がそんなに続くだけ保有しているのか?」
「大丈夫でございます。それと私が戦場に入ったら敵味方関係なく殲滅してしまいます。それまでに負傷兵などの撤退を指示してください。死体の返還が必要なのであれば死体の移動もお願いいたします。勿論普通の兵士もいりません。戦場が落ち着いたら倒し損ねたモンスターを狩って下さいませ。それまでは戦場に入ることはお止めください」
「わかった指示を出しておく、他には?」
「隣国までの距離は?」
「馬車で3日、トラックならば1日で付けるであろう」
「それであれば今すぐにトラック、もしくは召喚魔法の伝令で兵や民の撤退をして頂きますように指示をお願い申します。私の準備に1日私の移動に1時間もあれば隣国に着くことが出来ます。それと私は隣国の事に詳しくありません。どなたか隣国の事に詳しい方に私が乗る兵器に一緒に乗って指示を出して欲しいのですが」
「それならば私が参りましょう」
「姫様!!!姫様お止めください」
「止めないでジョルジュ、私は私の国を蹂躙し民を食い散らかした。敵を倒さなければ気が済まないの」
「姫様、私の横に乗ってくださるのは構いませんが、兵器の中で暴れてあちこち触れると私と一緒に死ぬ事になりますので兵器には触れぬように。あと動きやすい服装に着換えをお願いします」
「リーサ召喚魔法で伝令は飛ばした。鉄鉱石の準備もできたぞ足りなければまだまだ用意させよう」
「どこですか?」
「騎士の修練場に用意させた」
「今見に行きます!!修練場は天井がありませんよね?それと修練場の門からトラックは出れますか?」
「トラックが出るのは無理だな?天井は無いぞ」
「トラックが出れないのであれば門の前で練成いたします。1度鉄鉱石を私の無限収納にしまいますが構いませんか?盗みはしませんので」
「そんなものは構いはせぬ、どうせこの件が片付いたらリーサには多大な恩賞を出さねばならんしな」
「私一人で倒すとの言葉を信じていただき。ありがとうございます」
「トラックは10台が限界で御座います。以前の10台と合わせて20台で5000名の兵士を何度かに分けて移動してください。それに運転できる者がそんなにもいなかったはずですよね?」
「そうだな運転できるものは30名いるが・・・流石に交代させずに運転させるわけにもいかんしな」
「では私は修練場に行きます」
「場所は分かるか?」
「以前騎士団長と副団長が戦うのを拝見させていただいたことがあります。それでは失礼いたします」
それから私は修練場に向かい、鉄鉱石を無限収納にしまい門の前まで移動した。鉄鉱石は足りなかったのでさらに追加で倍の量を持って来てもらった。さて先ずはトラックの練成だ『イメージ魔法 鍛冶 練成』『イメージ魔法 鍛冶 練成』『イメージ魔法 鍛冶 練成』これのくり返しでトラックを10台用意した。次々と錬成するので、辺りは錬成の光が途切れる事が無かった。
次は攻撃用ヘリだ、これは映画での知識しかないし、運転の仕方も良くわからないので魔力で動かせるようにする。要は空から攻撃が出来るようにだけしておけば問題ない。イメージしたのは大型の攻撃ヘリ、ハインドDソ連で開発された大型戦闘ヘリだ『イメージ魔法 鍛冶 練成』初めて作るせいか大きさのせいか魔力をごっそり持っていかれる。だが問題ない伊達に毎日龍聖にご飯をあげていないのだ。
後は『イメージ魔法 鍛冶 練成』これで攻撃手段も完璧だ。武器は大量に作って無限収納にしまっている、弾が切れたら風の魔法で再装填することにした。ここまでに半日を要した、更に学校に戻ってローナを連れて行く。広範囲の光魔法の使い手を放っておくことなどできない。
学校にヘリで乗り付けると先生が集まってきた、事情を説明しヘリがイタズラされない様に見張って貰う事にした。寮に戻りローナを見つけると、付いて来てっとお願いし歩きながら状況を説明する。空からの光魔法を国全体にかけて欲しいと。王都だけじゃなくエルドーラ国全体だ、どれくらい大変かは分からない。だが急を要する事案であることも確かだ、国のどこでモンスターに襲われて怪我をしていいる者がいるか分からないのだ。魔力が足りなければ私がイメージ魔法で『魔力供与』することも伝える。最悪ヘリで移動しながら何回かに分けて光魔法をかけることになる。だがそれだと救えない命も出てくる可能性がある。出来るのであれば一回の光魔法で終わらせたい。
その時龍聖が、自分の鱗を削ってローナに飲ませたいと提案してきた。そうすればホーリードラゴンの恩恵を授けることが出来るそうだ。魔力酔いも心配だったがこの後言ったん城に戻って明日の朝までは休ませてもらう事にする。避難も終わっていないだろうし、5歳児の体力で徹夜は無理すぎる。更に夜では敵が見えない、サーチを使えばある程度分かるが今回は範囲が広すぎる。
先生の許可を貰い室内修練場のカギを借りる。そこで龍聖はドラゴンに戻ってここを削ってと指示を出す、鱗を削ってそれをローナに持たせる、明日隣国に着いたら早速光魔法で国民の回復が必要だからだ。なるべく効果が持続するように寝る前に飲んでもらう。龍聖が人型に戻ると、先生にカギを返しヘリに乗り込んでいく。初めての空にローナは怖そうに龍聖は気持ちよさそうにしていた。城に着いたらトラックでの人員の移動が始まっていた、トラックは全て出払っており門の前には何もないが、念の為修練場にヘリを降ろす、そしてそばにいた騎士にヘリの見張りを交代でしてもらう事にする。まだ兵器は積んでいないが下手にいじられても困る。そして王様に状況の報告をし、更に明日の朝までは出発できない事を説明する。夜では敵が見え無い事、私達の体力が持たない事などだ、あと私の幼馴染が国全体に光魔法をかける事も伝えた。王様は光魔法の範囲の事に感心し流石はリーサの幼馴染だと変な感想を言っていた。さぁ準備は出来たあとは明日の朝を待つだけだ。