新たなる脅威の始まり(2)
皆さん元気に小説読んでいますか?私は体調を崩して最悪の状況です、暫く更新もお休みさせていただきます。申し訳ありません、また元気になったら更新させてもらいます。今まで読んでくださっていた方には申し訳ありませんが、宜しくお願いします。必ず元気になって戻ってきます。ではでは失礼します。
翌日、サイフォン様から全てを聞いたベルッド様が、クラリスをサイフォン様に預けて、神のしもべたる巫女を集めてくれた。私はお告げを受けて戦略爆撃機ストラトフォートレスの飛行場に向かった。そこには既に巫女たちが待っていた。既に昨日の戦いの際に無限収納にしまってしまった神殿を出せる雰囲気ではない、そこで私は巫女たちに少し待つように言うと、祈りを捧げるような真似をして辺り一面に霧を発生させた。そして濃い霧が辺りを包んだ時に無限収納から神殿を出し少しずつ霧を晴らしていく、すると祈りで神殿が現われたように見える、その神殿へ巫女たちに入るように伝えると、巫女たちは少し怯えるように霧の中から現れた神殿に入って行く。神殿に入った巫女たちは大きな石板を目にし、その石板に書かれたことを食い入るように読んでいく。
そして全て読み終えると自分達の使命が分かり、神への祈りを捧げていく、ベルッド様はそれを受けて巫女たちを各地のギルドに転位させていく、それとその際に昨日打ち合わせした神のお告げも忘れない。神のお告げを受けた各地の冒険者ギルドは、神のしもべたる巫女が転移してきても慌てずに対処する事ができた。そして巫女たちは冒険者ギルドに依頼を出して、薬草や花、薬のもとになるキノコや木の皮を集めさせた。冒険者ギルドも、今までは数少ない光魔法の使い手に高い金を出して治してもらっていた病などが、少しのお布施で治してもらえるようになるという事で、冒険者ギルド、商人ギルド、鍛冶師ギルドが資金を持ち寄って冒険者などに依頼を出す事にした。
神のしもべたる巫女の噂はすぐに各地に広がって、連日のように冒険者ギルドには長蛇の列ができるようになった。それにより冒険者ギルドに併設されている食堂なども連日大賑わいだ。更に商人ギルドは各地から珍しい薬草などを集め収益を出し、鍛冶師ギルドでは巫女が薬を調合する際の道具を作る事で売り上げを出していた。巫女たちはヒーリングブッダの知識のお陰で、色々な薬草や道具の依頼を各ギルドに出し、各ギルドもその恩恵を授かっていた。これを面白く思わなかったのは、今まで高い治療費を取っていた光魔法の使い手だ、だがそこは商人ギルドが貴族や領主など、冒険者ギルドでの治療を嫌がる者達を紹介して怒りを抑えていた。そしてリーサだったが、お布施が各地から少しずつとはいえ入ってきてニマニマしていた。
「リーサが笑顔って事は、ギルドとの交渉は上手く行っているのね?」
「はい、上手くいきすぎて怖いくらいです」
ヴィヴィアンさんが聞いてきた、ヴィヴィアンさんにはあの日にどうするか伝えていたからだ。
「各ギルドに一人、ヒーリングブッダを置いて貰えたんでしょ?」
「そうなんですよ、もう冒険者ギルドに神殿の支部ができたようなものですから。神様の神像なども売っていますし、お布施がどんどん入ってきますから最高ですね」
「まさか信者も、こんな少女にお布施の一部が流れているとは思わないでしょうね」
「何言ってるんですか?神像は私が作っているんですよ!その上、各ギルドに送るのも私ですし、手間が掛かっているのでこれくらい貰わないと割に合いません。巫女達に渡す給金の事もありますし・・・」
そうなのだ、最初はギルドに依頼を出して、神像を物質転送装置を使って送ってもらおうと思ったのだが。神像をピンハネしようとする職員や、もっと信用のおける職員に代えると依頼料が高くなって利益が減るので、各地の巫女に携帯を持たせ、連絡をした時に物質転送装置の前で待っていてもらっている。それでやっと利益が出るくらいしか儲けていないのだ。各地の巫女にも給金を均等に渡さなければいけないし、その為にも神像の売り上げは重要なのだ。
「そうやって考えると、それくらいはしょうがないか」
「そうです!しょうがないんです!!」
そして遺跡での魔族の件を、ヴィヴィアンさんとランスロットさんに話した。私が遺跡に行くと魔族が解放される恐れがある事、でも魔族を封じている神様も復活出来る事。そして神様を復活させてほしいからと、ベルッド様とサイフォン様から積極的に遺跡に行って欲しいと言われていることだ。
「そんな事があったんだぁ」
「大変だったねリーサちゃん、それで魔族は強かったかい?」
「ランスロットさん、魔族は強く無かったんですが、いつ復活するかが分からないので、遺跡で待機しないといけないのが大変そうです・・・この前行った遺跡で復活したのも私達が帰った後でしたし、とにかく待つのが大変そうですね」
「そうかぁ、それで出現したのは普通の魔族だったのかい?」
「あぁ、そう言えばそう言うのもありましたね、なんか神様が、四天王の側近とか言ってましたよ」
「四天王の側近!?それで強くなかったのかい?」
「魔王を倒した事のある私には楽勝でしたね」
「楽勝って・・・・仮にも魔族だったんだよね?しかも四天王の側近だったんだよね?それを楽勝って、どれだけ規格外何ですか?」
「ランスロット言うだけ無駄ですわ、お姉様の娘ですもの」
「ヴィヴィアンさん?それは褒めているんですか?けなしているんですか?」
「勿論褒めているのよ、『お姉様の娘だからそれくらいできて当然よ』と」
「ヴィヴィアンさんは、ママンをどれだけ神聖視しているんですか?」
「何を言っているのよリーサ、お姉様は神の巫女である貴女を産んだのよ、どれだけ神聖視してもキリが無いわ」
「はぁ、そういう物ですか・・・」
「そういう物よ」
駄目だこりゃ、何を言っても聞いて貰えそうにないな。諦めよう・・・・
「それはそうとヴィヴィアンさん、他に神々の時代から続いていそうな遺跡に目星は付いてないんですか?」
「それはあるけど・・・魔族が封印されているかもしれないんでしょ?行くのはチョットねぇ・・・」
「大丈夫ですよ、魔族は私と聖剣達で倒しますから安心してください。でも魔族と戦ってみるのもいい経験かも知れないですよ?」
「そうは言ってもねぇ、神々の時代に世界を闇で覆うとした魔族でしょ?私の攻撃が通じるかしら?」
「大丈夫ですよ、もし駄目だった場合は私の武器を使えばいいんですし、それでも駄目なら聖剣達がいますから」
「そうねぇ、最悪リーサの作り出す武器を借りればいいか・・・?それで駄目なら聖剣達も龍聖ちゃん達もいるものね」
「そうです、そうです、絶対に大丈夫ですから早く行きましょう?」
「ちょっと待ってよ、リーサの作り出す武器の練習くらいさせてちょうだいよ、私もランスロットも使った事が無い武器なんでしょ?」
「そうですね、練習が先ですね、それじゃぁ練習にお勧めの場所があるので、そこに行きましょう」
そう言って、以前クラスメイトと練習した岩場に向かうのだった。
「何か凄い所ね・・・・・あちこち黒焦げた岩が散乱しているし、粉々になった元壁だった場所もあるわ」
「見ただけで良く分かりましたね」
「一応ね、私も特Sランク冒険者だから、色々な状況を分析しないとやっていけないのよ」
「そういう物なんですね」
「でも、どうやってこの状況が作られたかまでは分からないけどね」
「そりゃそうですよ、私の必殺技みたいなものですから、そんなに簡単にばれたら困りますよ」
「それもそうね、っで、どうやってこんな状況を作り出すの?」
それからはいつものように、イメージ魔法で錬成光を光らせて次々と武器を錬成していく、そして使い方のレクチャーをしていく。ヴィヴィアンさんもランスロットさんも、武器の性能に驚きながら武器の扱いに慣れていく。流石は特Sランクだ覚えが早い、そして辺りに破壊する物が無くなった頃に、二人は武器の扱い方をマスターしていた。
「リーサのイメージ魔法で出す武器は凄いわね、精霊魔法なんかじゃ太刀打ちできないくらい強力じゃない」
「そうだよ、これを販売したら凄いお金が入ってくるよ」
「残念ながらこれは売れません」
「どうして?」
「これは人も殺せます、戦争になったらこの武器を持っている国が圧勝するでしょう。そんな世の中にはしたくないのです」
「そうか、ごめんね何も考えずに変な事言って」
「それに、私はお金には困っていませんから」
「じゃぁ何で冒険者なんかしているんだい?」
「趣味・・・ですかね?」
「趣味で命を懸けるとか凄いな・・・」
「あとは成り行きです、神様と縁を持って、それのお陰で(それのせいで?)色々とやる事が増えました」
「それには冒険者が都合が良かったのかな?」
「そうですね、その方が色々と都合が良かったのもありますが、父と母のやっていた冒険者に私もなってみたかったのです」
「そうだったのね、お姉様のあとを追いたかったのね」
「そんな感じですかね?まぁ流れに身を任せてたらこうなったってのもありますが・・・」
「そんな理由で特Sランクになれるなんて凄いね」
「まぁ良いじゃありませんか、理由なんて何でも、二人とも武器の使い方は覚えましたか?」
「えぇ大丈夫よ、ランスロットも大丈夫よね?」
「あぁリーサちゃんの教え方が上手いからね、ばっちりさ」
そしてリーサ達は新たなる遺跡を目指すのでした。