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邪神教(1)

Sクラスのみんなが、冒険者ギルドで秘匿にしていたSランクを公表した、それにより各地から、まだSランクになったばかりの依頼料が安いSクラスのみんなに依頼が殺到した。勿論このままでは貴族にいちゃもんを付けられて依頼料を反故にされたり、Sランクの新人とはいえ良い装備を持っているだろうと考え、それを狙ってくる悪党からの依頼などもあるだろう、まぁアイアンドラゴンと、ポイズンドラゴンの恩恵で、大抵の暗殺は回避できるのだが、それでもいちゃもんを付けて依頼料の反故ならまだしも違約金の代わりに装備を置いて行けなど言われても困るので。私は自分で自分に依頼料を払いSクラスのみんなから護衛依頼が来たことにし特Sランクの依頼をすべて断った。そしてリフレッド先生にも私が依頼料を払い、Sクラスの護衛という事でSランクの依頼のこなし方をリフレッド先生からSクラス全員が習っていった、勿論私もだ、私もまともなSランクの依頼はこなしていないからかなり勉強になった。しかし問題は私の特Sランクだ、こればかりはSランクのリフレッド先生に聞く事ができない。こうなったら折角お友達になった事だし?ヴィヴィアンさんに御教授願いましょう。まずはSクラスのみんなと別行動をとる事を伝えないと。朝教室に行きリフレッド先生やみんなに事情を話す事にした。



「おはようございま~す」


「あぁリーサおはよう」


「おはようございますシフォンさん、あれ?みんなは?」


「それがまだ来てないんだよ、どうしたんだろうね?」


「本当にどうしたんでしょうね?」


プルルルルルル。プルルルルルル。


「シフォンさん携帯が鳴っていますよ」


「実家からだ、何だろう?もしもし?母さん?どうしたの?え!?今すぐに帰ってきてくれ?」


プー、プー、プー


「切れちゃいましたね?」


「あぁ、何かあったのかな?」


「何か切羽詰まった感じでしたね?急ぎましょうか?」


「そうだな!家で何かあったのかもしれない」


「そうしたら、家の中じゃなく、少し離れたところに転移した方が良いですね。私もついて行きますよ」


「助かる!そうしてくれるか?」


「アヤメさんいますか?」


「ここに」


「キクさんとカエデさんを連れてローナの家を調べて来てくれますか?何かあったら敵の殲滅をお願いします」


「分かり申した」


「リーサそんな状況だって言うのかい?」


「一応です、一応」


「でもさ、みんな家族にポイズンドラゴンの鱗も他の鱗も飲ませてるだろ、だから大抵の事は大丈夫なはずだろ?」


「そうなんですけどね・・・・何か引っかかるんですよね・・・」


「勘みたいなものかい?」


「そうですね、それと今までに培った経験からくる、予測みたいなものですかね?嫌な予感程当たるものですから・・・・」


「そうか、それじゃ早く行った方が良いな」


「そうですね、まずは町の外に転移して、その後にサーチをかけながら近づくのがベストでしょう」


「それじゃ転移するよ、リーサの準備はいいかい?」


「大丈夫ですよ、急ぎましょう」


「分かった、『転移』町の外に来たから、まずはリーサ、サーチを使って町の様子を確かめてくれないか?」


「分かりました『サーチ』・・・・・・シフォンさんの家の中にたくさん人がいますね。そして周りの家の人が全然いません、それ以外は普通の町の状況です、念の為聴力をあげて中の様子も探ってみましょう『猫耳』これでシフォンさんの家の近くに行けばいろいろ聞こえてくるはずです」


「何だい?その猫耳ってのは?」


「猫って耳が良いんですよ、それこそ100メートル先のネズミの足音さえも聞き取れるくらい。しかも聞きたいものの選別も出来ますしね」


「そりゃ便利だね、私にもかけておくれ」


「了解です『猫耳』これでシフォンさんにも、同じ音が聞こえるはずです」


「ありがとよ、じゃぁさっさとゲートをくぐって、町の中に入ろうぜ」


「そうですね」


そう言うと二人は検問所を通過して、ゲートも無事に通って町の中に入った。だがこれと言って変わったところは今のところない、もっとシフォンさんの自宅近くに行きましょうという事になって、ドンドンと町中を進んでいくだけど本当に町の中は活気にあふれていていつもと変わらない様子だ。だんだんシフォンさんの家が近くなってきた辺りで、シフォンさんの家の中の声が聞こえてくるようになった。


『お前の娘はまだ来ないのか!!』


『言う事を聞いたんだから、娘には手を出さないで下さい・・・・』


『それは何か?娘以外の近所の住人には何をしても良いという事か?』


『そう言う訳では無いですが・・・ですけどあなた達の言った通りにしているじゃないですか。誰にも手を出さないと約束してください』


『約束~?何で私達がお前ら異教徒の言う事を聞かなくてはならんのだ?』


『それならあなた達を巻き添えにして、私達も死にますよ?』


『そんな事ができないように、近所の住人を捕虜にしているんだろうが』


『・・・・・・畜生どもめ』


『なんだ?その反抗的な態度は?別に俺らはお前らの誰が死のうが関係ないんだぞ?』


『分かりました、大人しくしています』


『ようし、最初からそうやって大人しくしていれば良いんだよ。第一俺らは神の巫女とか言って偉そうにしている異教徒の象徴が殺せれば構わないんだ』


『あなた達は神を信じていないのですか?』


『信じているさドロアスダ様をな、異教徒とはいえ神の巫女を生贄に捧げればドロアスダ様もお喜びになるに違いない。そうすれば我らの前に顕現してくださるかもしれんからな』


「何かあると思ってましたけど、こう来ましたか・・・・」


「近所の人を人質にして、母さん達が行動に出れないようにしたんだな?」


「そうみたいですね、ドロアスダ教って聞いた事ありますか?」


「ないな~、リーサはどうなんだ?」


「聞いた事無いです、Sランクになってみんなチョット目立ち過ぎましたかね?」


「特にリーサがな!」


「そんな事無いですよ、前に比べたら大人しいものですよ」


「リーサそんな事よりみんなを助けてくれ」


「すみませんでした、変な会話で盛り上がって、取りあえず誰が味方で誰が敵か分からないので。全員の関節を外しますね」


「それしか方法は無いのかい?」


「そうですね~、姿を消して一人ずつ無力化することも可能ですが。時間がありません、朝みんなが学校に来なかった事を考えると、ここと同じ事がおこっている可能性があります。そして最終目標は私です、みんな人質に取られてそのうち私に連絡が来るでしょう・・・・なので時間が惜しいです」


「それじゃしょうがないな、悪党以外の人達の痛みが少ないように短時間で取り押さえよう」


「では『光魔法の改変』これで中は無力化できました。シフォンさんの家族はアイアンドラゴンの鱗のお陰で無傷のはずですけど、とにかく中に入りましょう」


「そうだね近所の人達を早く助けないと」


家の中に入ってみると凄い光景だった、まぁいつもの光景と言えばいつもの光景だが、今回は老若男女問わず光魔法の改変の餌食になっている。すぐにシフォンさんに近所の人を教えてもらって傷を癒していく、その際に家の中に踏み込みたかったが『誰が敵か味方か分からなかったので申し訳ありません』と謝りながら治していく。


だが悪党は黒ずくめの洋服で統一されていた、ご丁寧に黒の覆面迄している。この姿で検問所は通してもらえないし、町中を歩けば不審者で通報されるレベルだ。それを考えるとわざわざ近所の人を捕まえて来てからこの格好に着替えたのだろう・・・・なんて馬鹿な連中なのだろうか、近所の人を捕まえる際に顔も見られているだろうに・・・・・それとも一人も生かしておくつもりが無かったのかな?そうなると急いで他の仲間の所にも行かなければ。シフォンの家族に話を聞き、悪党だか異端審問官だか分からないが、命令系統のトップが誰だったかを聞く。そしてそいつの覆面を剥がし、念の為悪党どもが精霊魔法を使えないように喉を潰しておく。そして覆面を剥がした命令系統のトップの頭にチョット触って情報を抜き出しておく、その上で本当の事を話すかどうか確認の為に尋問してみた。


「さて、聞こうなぜこんなことしたんだ?」


「知らんね、何が起こっているのか全然分からんよ、気が付いたらこんなところでこんな姿になっていたんだから、とにかくこのままじゃ痛くてかなわん、他の方たちの様に治してくれないか?」


「ふむ、ではこうしましょう」


自分達は何も知らないと白を切るようなので、外した関節を踏み抜いてやった、バキバキっと音がして骨が砕けた音と共に男の悲鳴が聞こえる


「さっき、貴方の覆面を取る時に頭に触れて、貴方の記憶を覗かせてもらったんですが、どうもその記憶と貴方の答えが違うようだ、これはどういう事でしょう?」


「ぐぐぐぐ・・・・・知らん知らん俺は何も知らないぞ!!」


「ではドロアスダというのはご存じない?」


「なっ何の事だ?ドロアスダとは?」


「こんな形をした神様のようですが?知らないなら関係ないですね、壊してしまいましょう」


「まっ待ってくれドロアスダ様を壊すとはどういうことだ」


「こういう事ですね!」


持っていたドロアスダの神像を床に叩きつけ、目の前で木っ端微塵にしてやった、流石にこれは限界だったのだろう顔を真っ赤にして怒りをあらわにする。


「貴様!!今貴様が行った事がどういうことか分かっているのか!!?」


「知りませんよ、って言うか貴方も今まで知らないって言ってたじゃないですか?」


「そんな事で済まされるか今にみていろ」


と言うと男は呪文のような言葉を紡ぎだした、だがその瞬間に喉を潰してやったら何もできなくなった。


「さて、シフォンさん私はこいつらを連れて仲間の所を回ってきます、ご近所の方のフォローをお願いします」


そう言うと男たちを無限収納にしまっていった


「分かった、任されたがリーサは1人で大丈夫か?」


「大丈夫ですよ、さっき話していた男の意識を覗きましたが、人を攫ってきてはドロアスダ教の生贄と称して大量虐殺をしていました。救う価値のない奴らです。神様と連絡を取って、本当にドロアスダと言う神が居ないか確認して、居ない様なら徹底的に潰してきます。もし居たとしても生贄に人の命を捧げさせるような神ならこの世から消し去ってきます」


「生贄の話が本当だった場合は結局潰されるんだな?」


「そうですねドロアスダ神が本当に居て、生贄を望んでいないのであれば神様以外は潰してきます。もし仮に生贄を望んでいるのなら神様ごと潰してきます」


「そうか、分かったこっちは任せてくれ、他の仲間を頼むぞ」


「任せて下さい、では行ってきます」


そうしてシフォンさんと別れ、神様と連絡を取る為に、ラファージャのいつもの場所に向かうのだった。


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